ビームダウン式集光装置 | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

ビームダウン式集光装置

先日、宮崎大学で「ビームダウン式集光装置」の起工式があったと報道されていたので調査に行ってきました。

宮崎県では、宮崎大学も加わって産学官と連携して太陽光発電に取り組んでいる。宮崎大学や県外を含む55企業、そして県・関連団体の計86団体で2009年に「宮崎県太陽電池関連産業振興協議会」を設立している。

2007年に、宮崎大学では工学部を中心に太陽光発電プロジェクトを立ち上げ、企業等との共同研究を実施するとともに、講演会を積極的に実施してきた。また、2009年10月には、単機としては日本最大の14kWの追尾集光型太陽電池を設置し、2010年3月に1機を追加して、フィールド試験を実施してきている。このほか数種類の太陽電池も併せて約180 k W が設置され、エコキヤンパスとして2-3%の電力を供給している。
 宮崎大学では、非真空装置による太陽電池の成膜を目指した研発や集光型用の高効率太陽電池の研究があり、文部科学省特別経費(大学の特性を活かした多様な学術研究機能の充実)により「完全非真空プロセスによる低コスト高効率薄膜化含物半導体太陽電池の開発」として採択され、研究が進行中である。

集光型太陽光発電装置
宮崎大学構内にヘリオスタットと呼ばれる太陽の動きを追尾する反射鏡と、集光型太陽光発電装置が設置されている。
 大同特殊鋼との共同研究で設置されており、特徴はアクリルレンズ(16cm角)で光を約500倍まで集光し、小型な太陽電池に照射して発電する点である。もう一つは、太陽電池の使用量が少ない分コスト低減が図れる利点がある。
 大同特殊鋼はすでに同システムの販売を始めており、年々製造コストも低下しているという。

(写真)2009年10月に設置した追尾集光型太陽電池


ビームダウン式集光装置
宮崎県太陽電池関連産業振興協議会なかで、新たな集光装置の実用化が進められている。
「ビームダウン式集光装置」とは、太陽電池を使って発電するのではなく、太陽による熱で直接、水素を作り出そうというプラントである。 作った水素は燃料電池に活用できるほか、直接水素自動車などにも利用できるという。

宮崎県と宮崎大学、新潟大学、宮崎県工業会、東京の宇宙機器メーカーである三鷹光器が共同で研究に取り組んでいる。事業予算は5千万円。

この取り組みは2015年の世界標準化を目指した実証実験として位置づけられ、三鷹光器の技術指導により地元企業により製造・建設が進められているようである。
 このプロジェクトが順調に推移すれば、本県の製造業など産業の振興、科学技術の振興、雇用の拡大などが今後期待できる。 

新たな新エネルギー開発として期待しているが、事業予算は5千万円。九州大学と福岡市が博多湾で「風レンズ風車」の実証実験の環境省委託費は約6千万円という。

新エネルギー関連予算を原子力関連研究費の1割でも増額してほしいと願う。