フッ素洗口と歯科口腔保健条例 | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

フッ素洗口と歯科口腔保健条例

今年の宮崎県議会医療対策特別委員会で、歯科口腔保健の条例を発議する動きがあります。

全国の歯科医師会の要請行動により、平成20年に新潟県で制定され、それ以来現在九道県が条例制定しています。

当然、口腔衛生意識の向上は大変重要です。本県のう蝕率(むし歯率)は全国でも群を抜いて悪い状況にあります。

だからといって、う蝕予防に効果が高いフッ素(フッ化物)洗口を学校等で集団でやって良いと言う免罪符にはなりません。

これまでフッ化物応用を推進する立場から、フッ化物応用は虫歯予防に大きな効果があり、かつ安全性には全く問題が無いと広報されてきました。しかしその有効性と安全性について、疑問を指摘する専門家が少なからず存在し、世界中で長年にわたり推進派と反対派の科学者は論争してきました。

県条例を1番目に制定した新潟県では、二〇数年前に強力に洗口の実施が推進されましたが大きな反対運動が起こり、洗口を推進する新潟大学歯学部、新潟県歯科医師会などと対立してきた歴史があります。

私は、フッ化物洗口や塗布に反対はしていません。私も子ども5人にはフッ素塗布をさせました。ほとんどの歯科医院でもフッ素を使用しています。

しかし、劇薬であるフッ化物を歯科医師、薬剤師の立ち会いもなく、全校生徒が一斉に洗口をやること。学校での洗口を認めない保護者もいるでしょうし生徒ひとり一人の安全をだれが守るのでしょうか。

学校とか集団での洗口ではなく、しっかりと歯科医師と保護者の責任の下にやるべきです。

宮崎県の歯科口腔保健条例の動き
歯科保健の意識向上については異論はありません。大いに啓発活動をやるべきです。

しかし、優先順位というものがありますよね。
本県の置かれている状況。医師不足による地域医療の崩壊。夜間の救急医療体制ができない。小児科医が確保できない。産婦人科医が確保できない現状を差し置いて「歯科」が先とは。

本県に、地域医療・救急医療推進条例とかお医者さん確保推進条例とかありますか。

医療関係者、医師の団体や大学医学部がどう見るでしょうか。「地域医療はあとか。」

極端な話し、自治体病院の医師確保がさらに困難にならないと良いですが。