マーカーワクチン | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

マーカーワクチン

暑い日が続いています。熱中症に注意しましょう。
敏さん、いつもありがとうございます。

今日も口蹄疫の話題で恐縮です。

今日の朝日新聞1面に、今回児湯地区で使用したワクチンがマーカーワクチンであったと識者のコメントが載っています。

「えーっ!」驚きでした。マーカーワクチンだったのに有効に活用されていない。結局ワクチン接種した家畜は全頭殺処分になり。

OIE(国際獣疫事務局)の国際規約での清浄国復帰の条件は、患畜、ワクチン接種した家畜の全頭殺処分後3か月後だけと思っていました。ところが2002年の総会で「第3の選択肢」を加えた。「ワクチン接種した家畜に自然感染による抗体がないことを証明すれば6か月後には清浄国に戻れる。」

マーカーワクチンだったのに有効に活用されなかったのか、全頭殺処分ありきだったのか。

参考までに私が執筆中の口蹄疫レポートでは、


「ワクチン接種と全頭殺処分」
  ① 現状では、今回のような流行を食い止めるために健康な家畜にワクチン接種を行う事態が起こりえる。健康な家畜でありながらワクチン接種した家畜を全頭殺処分しなければならない根拠は、口蹄疫に罹患しての抗体取得かワクチン接種での抗体取得のかの区分が難しいからとの理由だと聞く。そうであれば口蹄疫に罹患してできた抗体とワクチン接種してできた抗体とが区分できればワクチン接種した健康な家畜は基本的に殺処分しなくて良いはずである。この区分ができる「マーカーワクチン」の開発が急げば良いことになる。
   ところが、口蹄疫の全頭殺処分方針は、畜産業者と農林水産行政当局とで「食肉輸入の非関税障壁を維持することが目的である」との主張も存在する。ここでは簡潔に記述するが、ワクチン接種した家畜は前述の理由から全頭殺処分しないとOIEから清浄国として認知してもらえない。「清浄国」なら、「清浄国」に対して食肉を輸出できるし、「汚染国」からの食肉輸入を禁止できるからである。「非清浄国」=「汚染国」の状態では、他の「汚染国」からの安い肉の輸入を拒否する理由に乏しくなる。「口蹄疫ワクチンが使用できない理由は、有効性が低いからではなく、畜産業保護のためである。」 方策を見いだしたい。

この部分は修正を加えないといけないですね、大幅に。
真実はどこにあるんでしょうか。