母が認知症と診断され、症状が出はじめてからも実家生活をしてきたのは、生活環境を変えることが病状を大きく進めてしまうと聞いていたからだ。
母の病状は確かに介護者は尋常じゃなく大変だけど、私が楽になる為に母を生活から排除する様な選択肢は持てなかった。
小規模多機能型居宅介護施設Yは、デイサービスと宿泊も日常の生活の中で組み込む事が可能だった。
施設Yのデイ以外はずっと一緒で私の自宅に1人で帰る事はなかった。
母が施設Yやスタッフに馴染んできた頃を見計らい、お泊まりをさせてもらう事で自分の家に帰る時間をつくる事が可能になった。
もちろん、母の症状ですんなりお泊まりが出来るわけがないとは想定内。
ただ普通の老健さんのような一律ルールではない認知症対応の施設Yなのでお世話になる事にした。
最初は母の担当してくれてる若い元気な女性スタッフRちゃんが夜勤の日にお泊まりをした。
夜に落ち着きがなく不穏になった時に飲むお薬も渡し、おしもも、この段階でりはぱんだったので、お風呂あがりの替えのリハパンと下着、パジャマと。
夕方には家にスタッフがお迎えに来てくれ、施設Yで用意された夜ご飯を食べ、
その都度湯船の湯を取り替えて1人ずつ、自宅より大きなそして寒くないお風呂に(寒くて、狭い自宅風呂)に手慣れた入浴介助で入れてもらい、髪を乾かしてもらえるサッパリと気持ち良く至れり尽くせりは母にも心地よい事だったと思う。
一部屋に1人で介護ベッドに空調で普通のお家にお泊まりに行った雰囲気が用意されている。
一斉に就寝時間に寝るのは全くと言っていいほどないことは覚悟の上の夜勤スタッフは、『寝てください』『お部屋に戻って』とも注意は言わず、眠れない利用者の話し相手をしながら、報告書作成をしたり、見回りをしたり。
その日の母は、落ち着きなく廊下からリビングを何往復も走ったり、リビングでテレビを深夜まで見たりと自由に眠くなるまでさせてもらったようだ。
眠そうになったとこを見計らって寝室に連れてもらい就寝出来たと連絡帳に記載されていた。
私が翌日の早い午前中にむかえにいくと、朝食を食べ終え、デイサービスに来る利用者さん達の間をすり抜けながら、スタッフさんと歩き回っていた。
母に声をかけると『アラァ〜』と寄ってきた。お泊まりした事も覚えてるかは定かではないが、元気そうだったのでお泊まり『大成功』だった。
『家に帰る』と言い出す事があっても、別の話に気を逸らせながら、眠くなるまで見守ってくれるので、いちばん恐れる深夜脱走をする事はなかった。
この施設Yでのお泊まりが、常にべったりの母と私との小休止であり私の1人在宅介護を支えてくれました。
ありがたい出逢いでした。