小川洋子さんの作品を読むと、シンとした静寂の中を、息を潜めて
物語が流れていくような気がします。
私は、小川さんの代表作「博士の愛した数式」を読んでいないので、
たまたまそのような雰囲気の作品ばかりを読んでいるからかも
しれませんが・・・。
( 「沈黙博物館」や「薬指の標本」という作品が好き *^^* )
この「猫を抱いて象と泳ぐ」も、そんな静寂な雰囲気を持つ物語と
いった印象です。
- 猫を抱いて象と泳ぐ/小川 洋子
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☆ あらすじ ☆
チェスに魅せられ、ロシアのグランドマスターで、“ 盤上の詩人 ”という
称号まで与えられた伝説のチェスプレイヤー「アリョーヒン」になぞられ、
“ リトル・アリョーヒン ”と呼ばれた少年の物語。
どのような相手であっても、棋譜(動かした手を記録したもの)の美しさを
大事にし、チェスという大海の中を静かに泳ぎ、人知れず至高の棋譜を
次々と残していく・・・。
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この物語の「あらすじ」を書くのは難しいです ^^;
ただ、ただ、チェスを愛し、その世界にある美しさ、奥深さに魅了された
心美しい少年の物語なので。
この物語に漂う雰囲気は、やわらかな光が射す、透明な世界のよう。
そして、「マスター」や「ミイラ」といった“ リトル・アリョーヒン ”が出逢う
人々の温かさは、いっそう物語を美しくしています。
読んでない方には何のことか分からないと思いますが、特に、私の
心に “ ぐぐっ! ” っと来たのが、「ミイラ」との手紙のやり取り。
【e4】、【c5】といった、たったそれだけの文字の中に、少年とミイラの
想いがこれ以上ないほど込められていて・・・。
こういう小川さんの世界はもしかしたら好き嫌いがあるかもしれませんが、
私はこういう物語が大好きです。