恩田陸さんの「月の裏側」。
じわじわっとくる怖さみたいなところが印象に残りました!
- 月の裏側 (幻冬舎文庫)/恩田 陸
- ¥680
- Amazon.co.jp
※ ネタばれになっちゃうかもしれないので、気をつけてネ!
★ お話は ★
水郷の町で起きた不思議な出来事。
家族の誰も気づかぬうちに姿を消す老人たち・・・。
それは、家族が気づかぬはずがない状況の中での出来事であり、
まさに密室から忽然と消えたようだった。
そして、その数日後、老人たちはやはり家族も気づかぬうちに姿を現す。
その間の記憶は抜け落ちたまま・・・。
そんな不思議な現象に疑問をもった元大学教授に呼ばれ「多聞」はこの水郷の街を訪れた。
こんな感じで始まるお話です。
水郷の町にあまねく存在する掘割の水。
その掘割の近くで起こる怪事象。
この街で何が起きているのか。
街中にあるその重く黒く沈んだ水は何かかかわりがあるのか。前半は、そのような謎と不気味な雰囲気にドキドキしながら、
読み進めました。
そして後半。次第にその謎が明らかになるにつれ、「多聞」たちと同じように、
「もし、未知の存在に取り込まれてしまったら・・・」とか、
「もし、もう既に自分が未知の存在に取り込まれていたとしたら、
“自分”という意識をもって生きていけるのだろうか・・・」などと、
と自分自身に置き換えて想像して読んでいたら、
とても怖くなってしまいました。
自分がいつのまにか「別の者」になっていたら怖いよネー。
なので、多聞たちは、いったいどうなるのだろう!っと気になって
一気に読んでしまいました。
まさにこの物語に漂う湿気のように、じわじわと心に恐怖が
沁み込んでくる印象の小説でした。
先日も書きましたが、この作品を読むなら晴れた明るい日でなく、
梅雨の時期のような、どんよりと曇ったジメジメした日をお薦め!
この物語の世界と現実が重なって、自分が物語の世界にいるように物語にどっぷり浸かれますよ。
怖いけどネ ^^;