名勝 旧朝倉文夫氏庭園(朝倉彫塑館)
こんばんは。鈴木純です。
浅中20周年式典の後は、台東区谷中にある旧朝倉文夫氏庭園(朝倉彫塑館)の保存修復工事の見学に行ってきました。
まず、朝倉文夫とは、1883年(明治16年)3月1日 - 1964年(昭和39年)4月18日)は明治から昭和の彫刻家(彫塑家)です。
朝倉彫塑館は、鉄筋コンクリート作りの旧アトリエ部分と、丸太と竹をモチーフにした数寄屋造りの旧住居部分からなり、その和洋折衷の特異な建築は朝倉文夫本人が自ら設計し、その意向が強く生かされています。
展示室は彫塑作品を展示する旧アトリエ部分を中心にして、遺品や蔵書を納めた書斎、コレクション品などを収めた応接室等があり、他にも掛軸、陶磁器など朝倉文夫のコレクションを展示してます。
また東洋ランの温室であったサンルームは「猫の間」とよばれ、文夫の愛した猫をモチーフにした作品が一堂に会しています。
朝倉彫塑館を特徴付けるのは、中庭の池を中心とした日本庭園と、大きなオリーブの樹が印象的な屋上菜園です。
池は谷中の湧水を利用し、四季折々必ず白い花をつける木が植えられ、儒教の五常「仁・義・礼・智・心」を造形化した5つの巨石が配されたユニークな造園様式です。
また日本で最初の屋上緑化ともいえるその菜園は自然に触れることを芸術の基本と考えていた朝倉文夫の理念そのものであり、当時は大根やトマト、東洋ラン等が育てられ、現在は花壇となっています。
いずれも入館者に広く公開され、住宅街の路地入り組む中に佇む小さな個人美術館でありながら、非常に特徴的です。
2001年(平成13年)に彫塑館の建物全体が国の登録有形文化財に登録され、2008年に庭園が「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝に指定されました。
現在は財団法人台東区芸術文化財団が運営・管理を行っています。