潤智のお話です。
嵐のいちご好き、雑食の方、大歓迎です。
家で、誰かと食事をするのは、久し振りだな。
ローテーブルの向かい側で、パンにかじりついてる智。
やっぱり、夢の中の男にそっくりだ。
トマトをフォークに刺して口元に持っていく時、赤い舌が、チラリと見えた。
「何、見てんだよ。」
唇を尖らせて、俺を見てる。
「いや、美味しそうに食べてるなぁって、思って。」
智は、食事を終えると、空いた食器をキッチンに運んで、洗い始めた。
長袖の袖口をまくらずに、器用に洗っている。
あわてて、自分の分の食器を持っていき、洗うのを手伝う。
洗い終わると、キョロキョロするから、フキンを渡すと、食器を拭いて渡してくる。
手際がいいから、いつも、やっているのだろう。
片付けが終わると、智が聞いてきた。
「それで、何を見たらいいの?」
あ、忘れてた。
ノートパソコンを起動させて、インテリアのシミュレーション画面を読み込む。
「これ、基本の間取りで、カーテンや絨毯、家具を選んでいくんだ。
これを、お客にやってもらうんだけど、お手本を何種類か作りたいんだ。
例えば、新婚夫婦とか、小さな子どもがいる家庭、大人だけの家庭、それぞれ、違うだろ。
でもさ、自分の好みになっちゃうんだよね。」
「ふうん。やり方、教えて。」
それで、やり方を教えてあげたら、俺よりセンスがあって、色々なパターンを作ってもらった。
「ありがとう。助かった。
俺が考えたのより、数倍、いいのが出来た。
これは、昼飯は、豪華にいかなくちゃな。」
あ、もう1個、忘れてた事を思い出した。
大事な書類を、送らなきゃ。
「ちょっと、郵便を出して来るから、待ってて。」
急いで郵便局から帰ると、家の中が綺麗になっていた。
洗濯機に入ったままだった洗濯物も、キチンと畳まれていた。
ふと、新婚夫婦のようだと思ってしまい、恥ずかしくなった。