結論から言うと、見つかりましたので安心してお読みください~。
さていよいよ引っ越しトラックが着いた朝のこと。
一部屋にニャンズ6匹をとじこめて荷物を運びこみ。
くつした(右から2番目)は閉じ込められた時点でおびえはじめ、押し入れがない部屋なのでエアコンの上に避難しようとジャンプ。
ガッッシャーンンン!!
足がかりに飛び乗ったカーテンレールが、はずれて落ちてしまった。
押し入れとエアコンの上だけが心の支えだったくつしたくん、大ショック。
そのあとは段ボールのかげで(((( =;゚д゚=))))…。
長い移動の果てのめまぐるしい毎日。
びびりくんの心理的ダメージは頂点に達していた。
あらかた片付いて、やっとゆっくり眠れたと思った翌朝。
5時のアラーム「犬のおまわりさん」が鳴り響く。
これが鳴るとニャンズ大集合で朝ごはん……
んっ?? 3匹しか集まらない???
あとの3匹は?
!!!!!!
お風呂場の網戸がはずされ、
回転窓(最大6センチ開く)が開いてる!!
あわてて外に回ると、お風呂場の窓の外で、ちーが「ニャー」。
玄関でひでじが「にゃおー」。
しかし、くつしたくんの姿はどこにもない。
「あいつ、家の中がこわくて入れないんだろう。
騒いだらかえって逃げる。向こうから現れるのを待とう」
くつしたは家の中でも、飼い主のほうから近づくと逃げるほどのびびり。
(自分から寄ってくるときは、しつこいほど甘える)
明るくなるまでほうっておこう、ということに。
ところが、何時になっても現れない。
家のまわりや庭をくまなく探しても、どこにもいない。
近所に足を延ばして探したけれど、みあたらない。
初めての場所で、引っ越してきてから押し入れにとじこもりきりで
ろくに庭先も見たことがないのに、どこに行ってしまったんだろうか?
こんなこわいところはイヤだと、前の家に帰るつもりなんだろうか??
「今までも病院に行ったあとはこわがって家出した。
きっと姿を現す」
そうはいっても、まだ縄張りのない場所での家出は心配。
家の場所がニオイでわかるかもとトイレの砂を建物まわりと植え込みにぐるりとまいた(6匹分あるので量は十分)。
その夜わたしはまんじりともせず眠れなかった。
前夜お風呂のあとで、換気のために回転窓を少し開けてしまった。
猫が出られると思わなかったけど、お風呂は窓の位置が低く体をつっこんですきまを広げたようだ。
夫はイビキをかいて眠っていた。
夫も相当のネコ好きだけど、ちゃんと寝れるんだなあとうらやましいような気持ちで聞いていた。
そんな深夜3時。
「にゃ! にゃ!」
かすかだけれどこの声は!! と思った瞬間、ガバッ。
「くつしただ!!」
大いびきだった夫が叫んで飛び起きたのにはびっくり。
耳は起きていたのか??(;゜ロ゜)
大急ぎで外に走り出した夫。
戻ってきて
「くつしただった。
オレの顔を見たけど、近づいたらダッシュで逃げた」
裏の坂道をかけのぼっていったという。
つかまらなかったのは残念だけど、近くにいる、家の場所も把握しているようだとわかって少し安心。朝になったら帰ってくるんじゃないか?
しかし朝になると、伊豆には台風が接近。
一日中暴風雨になった。
どこで雨風をしのいでいるんだろう…?
この雨で、自分がつけたにおいが消えて帰り道がわからなくなるかも…。
翌朝は台風一過、からりと晴れてきた。
心細い夜を過ごしたなら、甘えたくて帰ってくるんじゃないか…。
「!! くつした?」
ガラス戸の前で夫の声。
朝日をあびて、くつしたが立ってる!
「やせた?」と思ったが…
よくよく見ると…鼻の白い部分が違うししっぽも短い。
なんとそれは、くつしたによく似た
「くつしたもどき」だったのだ!
「あんなに似てるとなると…この前の夜オレが見たのは、くつしただったと言いきれない」
ホンモノのくつしたは、とっくにもっと遠くに行ってしまっているかもしれない???
二人とも急に不安になってきた。
「でも、あの声はくつしただったと思うんだけど」
「オレも思うけど…そう思いたいだけだろ?」
「……」
今までの家なら、自力で帰ってくる気がするけど、引っ越したばかりというのが不安に拍車をかける。
案ずるよりも、今できることをやるべきだ。
大急ぎでパソコンでチラシをつくって、ご近所回り。
夫はネットの掲示板に投稿。
仕事の合間に一軒一軒まわり、20枚のチラシを直接渡す。
一軒家が多く、別荘や空き家もあるので距離はけっこうあった。
引っ越したばかりで知らない家に突撃するのは緊張したけど、みなさんとても親身に聞いてくれて、そっけなくされたところは一軒もなかった。
ネコ好きな家の情報を教えてくれたり、郵便配達のおじさんも担当区域を探してくれるという。
チラシを配るのを手伝うと言ってくれる方も (´Д`。)
その日のうちに電話で
「庭にいるんだけど…あっ、でも首輪の色がちがうか…」
と情報をくれた人、
翌日インタホンを鳴らして「みつかりましたか?」と聞いてくれた人。
優しい地域に越してきたなあと、ありがたさをかみしめ、
これからは毎日チラシ配りと捜索の範囲を広げていこうと考えていた夜。
脱走4日目を迎え、くつしたのおなかも限界のはずだった。
庭の端でかすかに声がした気がした。
「くつしただ!」
ガラス戸の前で夫。
「今度はホンモノ? 正真正銘?」
「ホンモノだよ! 今度は絶対!!」
玄関先で「にゃっ、にゃっ」としきりに鳴きながらも、
戸を開けても入ろうとしない。
家の中はこわいことが起こると思っているらしい。
「入りたいけど入れないよ!」(=`ω´=)
そんな声。
夫が玄関の外に座ってやさしく声をかけ、撫でつづけて30分。
ようやく抱えて中に入れられた!
ちょっと怒って押し入れに逃げ込んでしまったけど、体もきれいだった。
台風のあともトイレ砂をまきなおしたけど、効果があったかどうか。
ともかく初めての場所でも自分で家に帰ってきてくれたのは助かった。
そのあとはチラシを渡した家にお礼回り。
「知り合いにチラシを見せてまわったのよ」
「犬の散歩のとき物陰を探しました」
と言ってくれたり、
お留守でポストに「見つかりました」と手紙だけ入れた人からは
「よかったですね」
とメールや電話がきたり。
くつしたくんのおかげで、みなさんの温かさを知ることができたのでした。
引っ越し早々有名人になってしまった感もあるけど…。(*´∀`*;)ゞ
くつしたを探している途中、このあたりにいるノラの耳がカットされているのにも気づいたけれど、何軒かのネコ好きの家で不妊手術を施しているそうです。
どの家も猫か犬を飼っていて、動物好きな人が多く、気持ちを察してくださったようです。
私の戸締りミスが招いたことだったのだけど、一度も私を責めなかった夫にも感謝してます。
抜けてる私は毎日あれこれ注意されてるのだけど、こういうときに怒らないのはすごいなと思いました。おかげで私も、自分を責めてる場合じゃないと思えました。
気が気でない数日をのりこえて、やっと一安心。
帰ってきてからは家の中が静かなので、くつしたもようやく押し入れから出てきて普通に遊びまわるようになりました。
伊豆高原のみなさまありがとうございました。
これからやっと、新生活のスタートです!








