ひでじに紹介された、しましまです。
縞柄だから、しましま。
野良時代につけられた名前だけど、いまさら変えられないみたいなの。
ほかの子みたいに、「ちー」「ぷー」みたいなのがいいなって言ったら、「じゃあお前は『ぱー』だな」ですって!
やっぱりしましまのほうがいいかな?
やっぱりしましまのほうがいいかな?
最近は雨ばっかり。
外で暮らしていたときは、遊んでいる途中でよく雨に降られて、びしょびしょになりながら走って倉庫へ帰っていたっけ。
しめっぽい倉庫の棚に座って、いつまでも体を舐めていたわ。
しめっぽい倉庫の棚に座って、いつまでも体を舐めていたわ。
今は、外は雨だけど、朝ご飯を食べていっぱい遊んだあと、ふかふかの毛布のうえで眠るの。
知らないネコがやってきて追いかけ回されることもないし、たくさん撫でてもらえる。
知らないネコがやってきて追いかけ回されることもないし、たくさん撫でてもらえる。
かゆいところをかいてもらえるって、こんなに気持ちいいものだったのね。
去年の春に野良として生まれて、もう1歳を過ぎたわたし。
生まれて2ヶ月くらいのときに、この家に、色黒なおじさんと、背の低いおばさんが引っ越してきたの。
それから、庭に見たこともないごちそうが置かれるようになって、母さん兄さん、おばさんのクロと毎日食べにきたわ。
バッタもおいしいけど、ごちそうはカリカリって歯ざわりもいいし、においもいいの。
獲物が捕まらない日も、ここに来ればご飯が食べられた。
どうやら夫婦らしいおじさんおばさんが、わたしに触ろうとにじり寄ってくるのがこわかったけど、怒るとすごすご帰っていくの。
だんだん、そんなにこわい人たちじゃないのかなって思うようになったわ。
それから、軒下や捨てられた車の中で寝ていたわたしたちに、おじさんが使われていない倉庫の場所を教えてくれて、そこに住むようになった。
初めての冬は、毛布と練炭でコタツとかいうのを作ってくれて、その中で寝るとあったかかった。
母さんは「冬の夜はこんなにあったかいものじゃないのよ!」とびっくりしてた。
雨の日も雪の日も、おじさんは朝夕ご飯をもってきてくれて、練炭を取り替えてくれた。
初めての冬は、毛布と練炭でコタツとかいうのを作ってくれて、その中で寝るとあったかかった。
母さんは「冬の夜はこんなにあったかいものじゃないのよ!」とびっくりしてた。
雨の日も雪の日も、おじさんは朝夕ご飯をもってきてくれて、練炭を取り替えてくれた。
兄さんはそのうち、おじさんと仲良くなった。
撫でてもらったりして「気持ちいいよ!」って言うけど、わたしはムリ。
わたしのほうから触ってみようかなって近づいてみるけど、いざってなるとこわい。
友だちのブチが鶏舎のニワトリを食べたとき人間にいやっていうほどシャベルで殴られたって話を母さんから聞いていたから。それまでご飯をくれていた人が、いきなり殴るなんてこわい。
そんなある日、夜遊びにでかけた先で母さん兄さんとはぐれて帰れなくなったの。
3日も野宿して、冬だからバッタもいないし寒いしおなかもすいて、もうだめかと思ったとき、母さんの声がきこえてやっと倉庫に戻れたの。
おじさんがご飯を持ってきたときは、もうおじさんの顔がカリカリご飯に見えて、思わず抱きついた。
「こんなにやせて」って、おじさんも抱きしめてくれた。
「こんなにやせて」って、おじさんも抱きしめてくれた。
春になってようやく暖かくなったころ、おじさんがわたしを抱き上げて赤いかばんに入れた。
ぽかーんとしてるうちに知らないところに連れていかれて、目がさめたら檻の中。
お腹の毛がなくなってた。
知らない女の人が毎日ご飯をくれて、やっとおじさんが来て連れ出してくれたと思ったら、もとの倉庫じゃなくて家の中へ。
知らない女の人が毎日ご飯をくれて、やっとおじさんが来て連れ出してくれたと思ったら、もとの倉庫じゃなくて家の中へ。
そこに、前からおじさんおばさんと一緒に4匹のネコが住んでいるのは知ってたわ。
家の中はどんなだろうと思ったこともあるけど、母さんは「あれは別世界よ、近づいちゃいけない」って言ってた。
でもやっぱり覗いてみたい。
窓に近づいてみたら、女の子が2匹と太った男の子、それからそのお父さん?すごく大きくて黒くて顔がじゃがいもみたいな。
このお父さんが「オレの子供に近づくな」ってかんじで目で追ってくるからうるさくって。
ともかくその4匹が、いま檻の外に、目の前にいるじゃない。
女の子たちは「あんただれよ!」って外から怒ってくるけど、わたしだって自分から来たわけじゃないのに。
夜になるとお父さんネコが来て、寝てるわたしに何かぶつぶつ言っててぶきみだし。
とにかくここから出なくちゃ。
たった5cmしかない隙間だけど、わたし小顔だから出られるはず!
檻から出たら、緑が見えたわ。
猛ダッシュしたら、ぶつかった。
透明な壁があって、すぐそこに見慣れた緑があるのに、行けない。
先にこの家に来ていた兄さんと一緒に出口を探しても見つからない。
ほかのネコたちを踏んづけようがまたごうが、気にしてられなかった。
それでずいぶん、ちーとぷーに怒られたし殴られた。
この家が安全で、おじさんおばさんが前と変わりなく優しいとわかったら、見慣れない家の中が楽しくなって、いつのまにか外のことを忘れてしまった。
ぜんぶのもので遊びたいし、全員と遊びたい。
ちーにもぷーにもしま兄にもひでじにも突進してはぐりぐりと頭をこすりつけて猛烈アタックしたわ。
寝てるみんなをたたき起こして遊びに誘ったり寝てるみんなの上に乗っかったり。
一緒に食べたくてみんなのお皿にぐりぐり頭を突っ込んだり。
とにかくいつでもわたしはみんなに話しかけて、抱きついて、遊ぼうとしたんだけど、みんなは「眠いのに」「いま食べてるのに」とか言って、しまいにはぽかりとやられるの。
よくわからないけど、KYとか言われたわ。
みんなは遊びたくないのかなあ。もっと楽しめばいいのに。
でもひでじはわたしが何をしても怒らない。寝てるとこに乗っかっても、ためしに殴ってみても。さすがはみんなのお父さん。生きてきた年数が違うのね。
お父さんが顔を近づけてきたときは、ひげがすごく硬くてごわごわでびっくりしたわ。
何年も生きてるとひげもこんなに太くなるのね。
わたしにもお父さんがいたらこんなかんじだったかな?
お父さんと一緒に寝てると安心。
母さんには会えなくなったけど、ひでじ父さんがいるからいいやって思える。
ときどきいい年して抱きついてくるのがうっとうしいけど……
娘にべたべたしないでほしいわよね?
だってどう見ても、お父さんじゃな~い!?
ありえな~い!!!












