拾ったときは部屋の隅っこから隅っこへとおそるおそる移動していたネコたちも、翌日にはすっかりなついてきて、足をがじがじ噛んだりまとわりついたりと元気いっぱい。
どちらも男の子で生後3か月くらい、そっくりなんだけど茶色のキジと灰色のキジで、灰色のほうが甘えん坊。
人の足にまつわりついてくるか、2匹でぐるんぐるん遊んでいるかで、もうパワー全開!
思えば野良猫ファミリーにストイックな愛をささげ続けてきた
毎日……。
窓の下にやってきて催促するくせに、いざご飯を持っていくと
「カーっ!」と威嚇する野良くんたち。
「助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく助け続けなさい」
というマザーテレサの言葉でも唱えないとやってられないわ~。
だけど野良の子ネコが「カーっ!」って言ったときは、
「おまえも『カーっ』って言えるようになったんだ~♪」
ってうれしかったわ。
「カーっ!」って発声、むずかしそうなんだもの。
すくすく育ってるな! って思わずにやにやしちゃった。
(威嚇したのにニヤニヤされちゃって、相当不気味だったろうね~)
ま、それはともかく、家の中の兄弟ネコは、いくら触ってもいやがらないうえにゴロゴロ言ってくれるのよ~!
禁断症状を見かねて、
神が贈ってくれたプレゼントなの??
しかしかわいがってばかりもいられないわねー。
いちばん近いところで、隣家のわかばちゃん(小2)にあたってみよう!
「わかばちゃん、ネコいりませんかぁ~?」
わかばちゃんはいなくて、おじいちゃんが声だけで返事してくれたわ。
(おふろあがりで玄関に出られないとかで、その後も声だけで長々とおしゃべりしたの。お風邪めされなかったかしら???)
そこでなんと新情報をゲット!!
子ネコたちは2週間前くらいに捨てられていて、
わかばちゃんに「飼いたい」とずっとねだられているが
すでにネコが1匹いるので飼えないこと。
ご飯は通勤途中の人があげているらしいこと。
傘もその人が最近置いたのではないか。
わかばちゃんが携帯で写真を撮ってきたところ、
保険の外交をしているお母さんは見覚えがあり、
「塾を開いているIさんのところのネコではないか」と。
Iさんはたくさんネコを飼っているらしい。
おじいちゃんが電話で
「捨てませんでしたか?」
と聞いたら否定も肯定もしなかったという。
田舎社会が狭いのかはたまた単なる偶然か、
捨てた人までどうやら判明してしまった!
なりゆきはともかく、お隣では飼えないということで帰宅。
次は地元の文化センターとスーパーを回って頼み、
3ヵ所に里親募集のちらしを貼ってもらえたの。
これでもうできることはないわ…。
そして家に戻ると、子ネコたちに興味津々の
野良ネコファミリーがぞくぞくと訪ねてきてるじゃないの!
刑務所に面会にきた兄弟たち?
もしくは
初めて家族で動物園に来ちゃいました
ってなかんじで網戸にはりついてる。
実際、野良猫ファミリーの子ネコたちと、
部屋の中の子ネコたちは年恰好がそっくり。
「どこから来たの? きれいな服着てるし、
お金持ちの子供っぽいな~」
と転校生を見るみたいな眼差し。
しまいには、いつも巨人の星の明子姉ちゃんみたいに
遠巻きにしているお母さんネコまで
かぶりつきに。
(間近で見た明子母さん、かなりの美人でした!)
10m圏内に近づいたこともなかったのに、
何度も何度も見に来ては、
気遣わしげに小声で話しかけている。
「あたし…あなたたち産んだっけ?
(たくさん産んだからちょっとうろ覚えなのよね~)」
それとも
「あなたたち、ひどいことされてない??」
とか言ってるのかしら?
ともかく誰も威嚇したりはせず、外に出せば温かく迎えてくれそうにも見えるんだけど、転校生たちはあまり外に興味ない様子で、すぐに人間のほうに夢中になってしまうから、やっぱりファミリーに加わるのは無理そう…外の世界は危険がいっぱいだし。
やっぱりこの子たちには室内飼いがいちばん。
そう思っていた夜遅く、早くも「ネコジルシ」登録翌日にして、2匹一緒にひきとりたいと言ってくれる人が現れたの!
メールの文面からしっかりした人だとわかるし、同じ市内なので移動もネコたちには負担でなさそう。
土曜(2日後)に見にくるって……。
ほっとした反面、もう少ししか一緒にいられない……
遊びつかれたネコたちの寝顔を見ながら、
急にさびしくなっちゃった。
こんな可愛い子たちだもの、
絶対に気にいってくれるはず。
お別れはほぼ決定的……。
あれ、なんで私たちが飼っちゃいけなかったんだっけ?
って根本的なところまでさかのぼって哀しくなってきちゃった。
明日も一緒に、たくさん遊ぼうね……。





