どうも。こんにちは。
大友ジュンです。
さて、9月17日(水)にTVアニメ『 みならいディーバ(※生アニメ)
』の
CDが発売となってから一ヶ月弱が経過致しました。
番組をご覧下さった多くの視聴者の方々にシングルを手にして頂き、
僕も作者として最高の喜びをこれでもかとばかりに噛み締めております。
改めて、楽曲をお聴き下さった全ての方々に心から感謝致します!!
本当にありがとうございました!!!!m(__*)m
今回からシングル『 Run Diva Run
』に収録されている楽曲のお話や
レコーディング時のエピソード等、僕が覚えている限りで
"楽曲解説"として記して行ってみようかなと思います!
最初にお送りする作品はこちら↓
『Run Diva Run』
生放送アニメ『みならいディーバ(※生アニメ)』の
OP曲として書かせて頂いたこちらの楽曲。
僕が正式に番組の音楽を担当する事になったのは
今年の1月中旬頃だったと記憶しております。
当時は3DCGアニメ『 てさぐれ!部活もの あんこーる
』の制作の真っ只中。
そのMA作業中のスタジオでの事。
この制作チームではみなさんお馴染みの
福原Pが何やらパソコンで作業をしていたんですね。
井上 『何やってんの?』
福原 『次やるアニメの企画書を作ってるんだよ。ジュンも入りたい?』
井上 『うん♪p(>∀<*)q』
福原 『しょうがねぇなぁ…』
みなさんご存知のとおり、コネだけでここまで来た私、井上純一。
今回もそのつながりを存分に活用してお仕事をゲットしたわけです…(笑)
やると決まったからには早速、僕も動き出します。
実はまだこの時期には正式なTVアニメ化は決まっておらず、
ひとまず3月に東京ビッグサイトで開催される『 Anime Japan 2014
』の
ステージでのお披露目という事だけが決まっておりました。
そこへ向けて作品の主題歌となる曲を1コーラス作って欲しいと。
相変わらず僕は難しい曲は書けませんが、
とにかく元気で覚えやすくて、思わず口ずさみたくなるような曲を作ろう!
そう思ってギターでの作曲を進めて行きました。
数日後、僕なりに納得のメロディが浮かび、
それをアコギデモにした後、2月の中旬にアレンジ担当のHajime
君へ。
Hajime君に対して僕からは
『番組の登場キャラクターがバーチャルディーバという事なので、
アレンジの方向性はバンドサウンドではなく、ピコピコな打ち込み系でお願いします』
という事のみを伝えました。
これまで僕が担当して来たアニメ作品の
全現場でアレンジを担当して来てくれているHajime君。
番組をご覧下さっていた方々なら
彼がいかに器用な人間であるかはもうお分かりですよね?
その器用さだけでなく、彼には几帳面さ、丁寧さ、早さ、謙虚さ、
そして何より"仕事を楽しんでやる"という最も大切な要素がしっかりと備わっています。
なので僕から多くを伝えずとも、アコギデモを聴けば
ほぼ間違いなく僕の思ったとおりの作品にして提出してくれるんですよね。
そんなHajime君からバッチリなアレンジが挙がって来た次は作詞へ。
しかし、今回はちょっといつもと勝手が違うようなのです。。。
この頃には作品の軸となる
『毎回、番組の中で曲を作って生披露する』というコンセプトが決まり、
エピソードゼロ的な立ち位置であるAnime Japanステージでもそれを発表する
という事になっていたんです。
そのステージ用のアフレコ収録をするから
作詞はそれを受けてから開始して欲しいと。
ふむふむ。
まぁ、細かく書くとかなり長くなってしまうので、
まずはこちらの動画をご覧下さい↓
【 みならいディーバ@AnimeJapan2014
(NOTTV『吉田尚記がアニメで企んでる』ステージ
】
お分かり頂けたでしょうか?
この動画の中で実際にキャストのお二人が曲を聴き、
それを受けて作詞の案をかなり自由に話し合っております。
血反吐とか老婆、メロスにセリヌンティウス等、
普通に作ったんじゃ絶対に出て来ないワードのオンパレード…(笑)
さすが制作総指揮である吉田尚記さんに
『僕が知っている限り、最もおかしな声優さんだから』という理由で選ばれたお二人。
発想がぶっ飛んでますよね…(笑)
どうにかこのエピソードから1コーラス用の歌詞を完成させ、
(実はこれも歌詞の案はあるし、1コーラスだけだから楽勝だろうと思っていたんですが、
辻褄を合わせる事に思った以上に苦労し、かなりの時間がかかってしまいました…)
3月上旬の都内某スタジオでの歌録り(第一回目)に臨んだわけです。
トップバッターは春音ウイ役を演じる山本希望さん。
この時点でウイちゃんには「引っ込み思案」という、
今となっては幻のキャラ設定があったので、僕から山本さんへは
『基本的にはウイちゃんはキャラの声を守って優等生な感じで歌って下さい』
という指示を出させて頂きました。
それに対し、山本さんも『若干の緊張があるのかな?』と感じる点もありましたが、
僕等が知っているあのかわいらしいウイちゃんとしてしっかりと歌い切って下さいました。
曲も1コーラスという長さだったのでレコーディングは滞りなく進んだのですが、
番組が終わった今、ウイというキャラを思い返してみると、本当はこの時点から山本さんは
『もっと色々はちゃめちゃやりたい!!p(>∀<*)q』という願望を
胸に秘めていたのかもしれませんね…(笑)
続いて登場するのは蒼井ルリ役を演じる村川梨衣さん。
ウイちゃんと同様に、この時点でルリちゃんには「とにかく元気」という
ウイちゃんとは真逆のキャラ設定があったので、僕から村川さんへは
『「真面目に歌いたい」と思っているウイちゃんをちょっと邪魔するような
立ち位置で歌ってみて下さい。場合によっては所々、メロディやリズムを
無視してもらっても構いません』という指示を出させて頂きました。
その指示を受けて村川さんの中でも恐らく探り探りではあったのでしょうが、
どれくらいまで仮歌から崩して歌って良いのかを模索して答えを導き出したんでしょうね。
冒頭の『Hey!Hey!OK!OK!』という、何に対してのOKなのかが
最後まで分からなかった独特の掛け声や、まるで歌舞伎役者のような
『お~なか、くぉわっすぅぅぅぅぅ~~~』という名フレーズが生まれたのです。
その後、上の動画にもあるように、
無事にAnime Japan 2014のステージを終えたこのプロジェクトは
7月からスタートするTVシリーズへとシフトをチェンジします。
ここから暫くして、というかだいぶ経って楽曲のCD化も正式に決定。
めでたくフルサイズが作られる事になったんですね。
フルサイズ用に2番以降の作詞をしたのは
番組の第一話が終わった3日後だったでしょうか。
"磔"という、番組として最も起こってはならない不測の事態が
第一話から発生するというとんでもないミラクル。
『これは歌詞に取り入れないわけにはいかない』と思った僕はすぐにそれを採用…(笑)
他の部分もエピソードゼロの動画を観直した上で、
1コーラスの時には入れられなかった"社畜"というワードや
「いや、食べない食べない…(笑)」等のやり取りを織り交ぜて
フルサイズの歌詞を完成させたのです。
そんなわけで、まさかの二度目の歌録りへ。
8月上旬に行われたレコーディング時にはもう既に第四話の放送が終わっていたので、
お二人とも前回より更に伸び伸びと臨んで頂けたような気がします。
今回の歌録りでもトップバッターだった山本さんは
"生放送"というご本人の成分が色濃く反映される環境を経て、
2番ではかなり弾けたウイちゃんを表現してくれましたよね…(笑)
Bメロでのビブラートのかけ方とか
サビの『たとえ身ぐるみ剥がされ 社畜と呼ばれようとも』の所等、
ご自身の中でしっかりとイメージを作って歌録りに臨んでくれているんだな
という事がすごく伝わって来ました。
僕が個人的にどうしても入れたかった間奏のあのセリフも
生放送中よりだいぶあざとくやってくれたような気がします…(笑)
ご自身が演じるキャラクターへの愛情や作品に対する情熱、
そして声優という仕事へのプライドをしっかりと持って歌って下さった事、
楽曲の作者として心から感謝しております。
本当にありがとうございました!!m(__*)m
そんな山本さんの歌録りを終えた次の日。
レコーディングの締めを担当するのは村川さんでございます。
村川さんも生放送を重ねて行く中でご自身の立ち位置や役目、
ルーリーというキャラの特徴をより把握し、その上で臨む二度目の歌録りという事で
前回以上にやりたい放題、限界に挑戦してくれましたね…(笑)
リハーサルで試しに歌って頂くテイクと
本番で飛び出して来るテイクが全く違うというハイテンションっぷり…(笑)
間奏のセリフ部分も実は3パターンほど録っております。
ウイちゃんのようにお馴染みのフレーズを考えたいんだけど
『尺が足りないやないかぁ~い!!\(>Д<;)/』とツッコむパターンや、
中の人ネタから『あなたのハートにルリマジック♪d(^-^*)』を炸裂させるパターン。
最終的には、何も思いつかないで時間だけ食うという
お馴染み"尺取ルーリー"を採用させて頂きましたが、
楽曲全編に渡って漂う"村川ワールド"はまさに唯一無二、
この世でこの人にしか作り出せない空気なんだなという事を実感致しました。
改めて、身を削って楽曲に命を吹き込んで頂けた事、心から感謝しております。
とってもありがとうございました!!m(__*)m
こうして山本さん、村川さんのお気持ちをしっかりと頂き、ミックス、マスタリングを経て
『みならいディーバ(※生アニメ)』のOP曲『Run Diva Run』は完成。
その後、この曲は9月16日(火)にDAMでカラオケ先行配信、
そして9月17日(水)にめでたくCDリリースとなり、
僕達が生きているこの世界に放たれました。
言ってしまえば、この作品は年間何百曲、何千曲と発表される
数々のタイトルの中のひとつでしかありません。
もっと言ってしまえば、この曲の知名度は
その無数のタイトルの中で見ても下から数えた方が早いでしょう。
でもたとえそういう日陰の存在だったとしても
楽曲を作る事の楽しさや難しさ、アレンジャーやエンジニアの音楽チームの本気、
そしてレコーディング現場で生まれるその瞬間にしか味わえない瞬発力、
そういったキラキラした素敵なものを存分に見せてくれました。
もしかしたら作者本人がこういう場で口にする事ではないかもしれませんが、
僕自身、とっっっっっても思い入れの強い楽曲です。
そんな大好きなこの楽曲の持つエネルギーが
作品に触れて下さった一人でも多くの方々の心に伝わり、
これからも色褪せる事なく、末永く愛して頂ける事を
番組スタッフとして切に願っております!!m(__)m
という事で、お送りして参りました第41回目の楽曲解説。
次回は最終回ライヴで初披露されました
カップリング曲『Encore』をお送りしたいと思います!
どうぞお楽しみに♪(^∀^)ノ
※以下、ウイ(山本希望さん)が歌っている箇所をピンク。
ルリ(村川梨衣さん)が歌っている箇所を青。
2人で歌っている箇所を黒の文字で表記致します。
『Run Diva Run』 詞・曲 / 井上純一 編曲 / Hajime (from LiLi)
俺は友を捨てない 友も俺を待っている【うぉおおおおおおおおお】
【Hey Hey Hey Hey Hey Hey Hey Hey】
強い意志を持って今 走り出す
まぁ、ホントのところはちょっと怖いんだけどね
どんな壁だって越えてゆくんだ
インパクト出すためにダークも少し混ぜてこう
でもちょっと走っただけで腹ペコ
拾い食いですぐにお腹壊す…【うぇえええええええええ】
血反吐を吐いて走れ 気力だけで走れ
たとえ老婆に襲われ 髪むしられようとも
どんなつらい時でも ただ笑顔で走れ
メロスにも負けない (ような) すごい根性つけたい
トップアイドルの座へ 強く駆け抜けてゆけ
時にはスイスイハニー 可愛さもアピールして
走り続ける事で セリヌンティウス達へ
勇気を与えられる (そんな) ヴァーチャルディーバになりたい!Wow Wow Wow
でもなんで俺だけ走ってるんだ?
まぁ、あいつも少しは悪い所もあるしなぁ
別に遅れても大丈夫だよね?
ちょっとダークな部分まで行き過ぎちゃったかなぁ
油断したらすぐ後ろから老婆が
髪をむしって 更にそれを食べる【キャ~~~…いや、食べない食べない】
勘違いでも走れ 気合い入れて走れ
たとえ身ぐるみ剥がされ 社畜と呼ばれようとも
どんなつらい時でも 諦めないで走れ
逆境を跳ね返す (ような) すごい根性見せたい
トップアイドルの座へ 強く駆け抜けてゆけ
時には文学少女 賢さもアピールして
走り続ける事で セリヌンティウス達へ
知識も与えられる (そんな) ヴァーチャルディーバになりたい!
【みんなぁ~!今日も一日、ウイ・ウイ・ウ~イ♪\(>∀<*)/】
【あぁ~!ルーリーもそういうの欲しいっ!o(>Д<;)o
考えよぉ~っと!えぇー…、えぇー…、えぇー…】
あと少しでゴールだっていう所で
プレッシャー感じてお腹壊す…【うぇえええええええええ】
血反吐を吐いて走れ 気力だけで走れ
たとえ機材の故障で磔になろうとも
どんなつらい時でも ただ笑顔で走れ
トラブルに負けない (ような) すごい根性見せたい
トップアイドルの座へ 強く駆け抜けてゆけ
ひたすら楽曲作り 健気さもアピールして
走り続ける事で セリヌンティウス達へ
勇気を与えられる (そんな) ヴァーチャルディーバになりたい!Wow Wow Wow
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