放射線の健康影響に関する専門家意見交換会...第二回
「放射線の健康影響に関する専門家意見交換会」の今年の第二回。会場は「郡山ユラックス熱海」。
テーマは「遺伝」。
席の配置は同じ。各自治体のアドバイザーを務める専門家がコの字に座り、その後ろに各自治体の関係者、そして、正面の最後方に一般席が設けられた。
会場の一般席は半分ほどが埋まっていた。
内容は、前回と同じく講演2つと専門家による意見交換会。
・講演1 「『放射線の健康影響』~放射線影響研究所から~」
小笹晃太郎 氏(公益財団法人 放射線影響研究所 疫学部長)
・講演2 「放射線の胎内被曝と遺伝的影響のカウンセリング」
室月淳 氏(地方独立行政法人 宮城県立こども病院 産科部長)
(国立大学法人 東北大学大学院医学系研究科先進発達医学講座胎児医学分野 教授)
・講師、専門家(県アドバイザー、市町村アドバイザー)による意見交換
二人の講演は、原爆投下後に広島で取られたデータなどを元に、放射線が遺伝的影響を与えなかった事を伝え、福島の線量レベルでは、さらにその可能性は低くなるだろうとの話だった。
室月氏は臨床医というだけあって、現場での話を交え、コミュニケーションの重要性を伝えていた。
「意見交換会」では活発な意見が交わされた。
印象に残った話は以下の通り。
・『影響はありますか?』と問われ『かなり低い』と答えると、『ゼロではない』と悪いイメージをふくらませてしまう
・放射線についての勉強をするグループと、しないグループでは、情報の伝わり方に差が出ている。
・インターネットで正しい情報が流れるだろうと思った、しかし事実は違った。
・遺伝の感覚が専門家と一般人の感覚が違う
・放射線を毒と思って触れない人間がいる。専門家ではなく、自分の状態が説明がつく在野意見に耳を傾ける傾向があり、そのような方とはコミュニケーションが取れない。
・アドバザーとしての不安がある。意見すると 『お前さんは県外の人間だろっ!』と言われてしまう。もどかしさを感じる。
・住民との距離感が必要。住民の考えや意見に一定の方向性が定まった時、専門家の意見が必要になるのではないかと思う。
原発事故から2年半以上が過ぎ、多くの県民は落ち着いているという印象を、各自治体のアドバイザーの話しぶりを聞いて感じた。
しかし、気にしている人、専門家の話を受け付けない人の思いは時間を追う毎に強くなってきているとも感じた。
今回は「遺伝」という、非常にデリケートな問題であったが、全般的に冷静に話し合っている様子を見て安心した。
会が終了すると、陽が落ちていた。


