次に住む場所
『もどれない...だから早く、次に住む場所を見つけてください!』
ラジオ(ラジオ福島)から聞こえてきた声。
大熊町から避難し、会津若松で生活をされている60代の女性の叫びだった。
私は、この言葉に“戻れない”、“戻りたくない”と考えている原発避難者の思いが詰まっていると感じた。
故郷を強制的に追われ、その故郷は放射性物質に汚染されている。
“新たな場所に居を構え、新たな生活を始めたい”と思うのは自然な事だ。
事故前の生活環境。土地の広さ、家屋の間取り、家屋の素材...さらに言うならば、庭先に咲いた花、木陰、聞こえていた音など、これら全てを元通りにするなど無理だと思う。
しかし、だからといって画一的な賠償を行う事はいかがなものだろうか。
原発事故は生活を根こそぎもってゆき、自分の家に住み続ける事を許さない。
賠償は住民に寄り添い、それぞれの事情を鑑み行われるべきだ。
そして、避難された方々が、次に住む場所で新たな生活を始められるようしなければならない、と思った。