通販5兆円を支える、宅配屋さん
2008年5月から2010年6月まで、私は佐川急便㈱で(セールス)ドライバーをしていた(豊島区池袋周辺を担当)。
この約2年間、入社してから退社するまで、取扱う荷物が劇的に変化した。
それは、通信販売由来の荷物の激増。
入社直後はA社などの書籍やCD(DVD)がほとんどだったが、辞める頃には数えきれない程の会社の多種多様な内容物とパッケージが荷台を賑わわせた。
飲料、化粧品、日用用品、衣類...冷蔵冷凍の食品、20Lの天然水...大型テレビ、組み立て式家具、マウンテンバイク(そのまま)...困ったのは中古品の40L冷蔵庫とセミダブルのベットマット。
荷物は“一人で運べるもの”と表向きはなっていたので、配達には苦労が絶えなかった(この冷蔵庫は、2階への搬入だったので、仲間の助けを借りた)。
しかも、これらの荷物には「時間帯指定」や再配達による「時間指定」があった(無料)。
私は何度かこの時間帯を守れず、お客様に怒られたことがある。
また、時間帯を何度も変更され振り回されたり、『どうしても今日中に』と懇願され、朝7時30分や夜の10時という営業時間外に届けた事も何度かあった(もちろん無料)。
こうして、私達は毎日、時間に追われながら配達をしていた。
更に、商品の代金を私達ドライバーが回収するという業務も日に日に増えていった。
ここでも直前のお客様のところで釣銭を切らしてしまい、時間に追われているため釣銭を用意せず次のお客様に行ってしまい、釣銭切れで怒られた。
また、釣銭を出す際に札を落としてしまい、1万円を自腹したこともある。
業界に目を向ければ、競争が激しく、運賃(送料)の低価格化が進んでいるため、ドライバー一人当たりの荷物量は増え続け、しかも労働に対する賃金が低いためが理由か、ドライバーの入れ替えが激しく、欠員の補充がなければ、その分の荷物が皆に分配されるという具合だった(おそらく現在も変わっていないだろう)。
もちろん、荷物が増える事は会社にとって良い事なのだが、時間に追われ、安全運転に気を使い、お金に気を使う状況で、私は素直に喜べなかった。
きつい毎日。まさに毎日が“戦争”だった。
...この業界から離れて、約2年が経ったが、通販業界は順調に成長し、昨年度売上高が5兆円を超えたという。現場では、更に荷物が増えているはずだ。
この数字の裏で、エンドユーザーに商品を届けこの市場を支えているドライバー、“宅配屋さん”の存在がある。
世の中の通販愛好家の方々には、彼等の存在を忘れないで欲しいと、この記事を見て思った。
