はっきり言いますがなんの面白みもないと思います。最初は評価を見ずに視聴したのですが、視聴後にネットの評価を見たら叩かれまくっていて、なぜ叩かれているかがよく分かった。

  まず薄っぺらい恋愛関係。恋愛モノのような構成にしつつもその恋愛が薄っぺらい。主人公とヒロインが長年の仲のいい友達のような関係ではなく、ただの一目惚れ。お互いのことも全く知らない関係のはずなのにいつのまにか愛し合う関係に。そこにドラマは感じず、薄っぺらい恋愛関係だと感じた。

  タイトル要素。序盤、男子同士で打ち上げ花火が丸いか平たいか語っていて、横から見ると云々下から見ると云々と語るシーンがあったものの、メインであるヒロインとの関係に花火要素はほとんど関与しない。パラレルワールドで移動するたびに花火が変わっていたのはあったが、だからどうした?というレベル。タイトル変えた方がいいと感じた。
   
  回収しきれていない独特の世界観。もしもの世界を想像して投げるとそのもしもの世界へ飛べる不思議な玉を持って、それを主人公が駆使するのだが、「で??」としかならない。その玉を使って結局ストーリーがどう動くのかと思ったら主人公が己の欲望とヒロインのためにその能力を利用しまくるだけ。
  例えば「君の名は。」だと、主人公とヒロインの身体の入れ替わりは、糸守町崩壊の事実に主人公がたどり着くまでの架け橋として。そして序盤の口噛み酒や黄昏時などの要素も、結末に至るまでしっかりと意味を成した。それがこの打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?ではなんの意味もない。独特の世界観の強みが全くない。

  そして最後の丸投げ。は?これで終わり?となった。視聴者考察ENDなのは分かるのだが、内容が薄っぺらいせいで考察もクソもない。

  だが批判してばかりでもどうかと思うので考察。玉を失うも、主人公はもしもの世界でヒロインと幸せに過ごしている様子の中、突如場面が一転。夏休みが明けて学校が始まり、出席確認を担任がしていると、主人公がいない。名前を呼んでもいない。そんな感じで急にエンディングに入り所謂Cパートも無し。自分は、あれは主人公が玉を失ったことによってもしもの世界、所謂パラレルワールドに閉じ込められたのだと考えた。そしてその後の学校の場面は玉を一度も使わなかった世界、所謂正史世界だった。正史世界から存在自体が消えることはないものの帰ってくることはなかったと想定。
  ネットの考察を見ると死亡説だとか結局転校したヒロインに対しての気持ちが燃え尽きて学校サボり説などいろいろあった。

  どちらにせよこの映画は本当にひどい。良く描かれていたシーンが男子たちの会話が等身大の中学生っぽい、ガキっぽいところがリアルだったぐらい。

  個人的には人生の中で一番つまらない映画でした。