映画を好きになるきっかけとなった作品。
これを見るまでは金曜ロードショーでたま〜に映画を見て映画館自体は3年に一回行くか行かないかのレベルだった。
wowowシネマでたまたまやっていたのを見てハマってしまった。

位置付けではキャプテン・アメリカの3だし他のアベンジャーズのキャラも全く知らず、マーベル作品もはじめてで予備知識もゼロ。でも楽しめた。本来自分がアニメなどを6.7話あたりの中途半端なところから見て なにこれ面白そう といい1話から見直すタイプではあるものの、シビルウォーに関して言えばMCU(マーベル・シネマティック・ユニバースの略。それぞれの作品の話が繋がってる)の作品を全く知らずとも楽しめると思う。

楽しめた理由としては冒頭初っ端から戦闘シーンから入るところだ。
正直なんで戦ってるのかも全然分からない。ただ、アクションを楽しむには流れを理解せずとも楽しめる。その時はキャラの名前すらも知らなかったんだけどブラックウィドウがとても良いアクションをする。特別な訓練を受けた女スパイで動きが非常に軽快。軽快かつ豪快な足技がめっっちゃくちゃかっこよかった。そんな感じで初心者への掴みとしては良かったと思う。現に自分がマーベル作品の虜になってしまった。

見た時はアベンジャーズのメンバーを一人も知らなかったものの、見終わった後にMCU作品にハマり、2ヶ月で全制覇した後に再び見てるので以下感想にはがっつりネタバレを含みます。

序盤のヴィラン、まさかのラムロウ。ウィンターソルジャーの時から小物だったけど今回も自爆死するという小物。でもこいつのせいでワカンダ国民たくさん死んだわけだし、ワンダも罪悪感を抱えるようになったわけだし、自ら死することによってアベンジャーズに多大なる負担を与えたと考えたらヴィランとしての仕事は果たせてるのかなぁと感じた。
あと機械の鳥さん可愛がるサムが可愛い。あの鳥も可愛い。機械には意地でもありがとう言わないナターシャも可愛い。

そんなこんなでバイオテロを起こそうとしてる敵を倒そうとするも、敵が自爆してしまったために一般人を大量に死なせてしまったという冒頭。エイジオブウルトロンの時点で大量に市民を犠牲にしてしまったため、一般人からは、ヒーローが戦うということはそれだけ周りにも被害が出ると思われるようになり、政府はアベンジャーズを自治体ではなく、政府の承認が出た時のみ出動するものにしようとしていた。その制度をソコヴィア協定と政府は名付けた。所謂軍隊化ですね。
そんなこと言ったらウルトラマンなんて一歩歩けばビル破壊しまくってるが…なんて言ってはいけない。
そこでそのソコヴィア協定に賛成か反対かでアベンジャーズが内輪もめとなった。ほぼ決定であったため、反対するのは実質犯罪者になるも同然という状況だった。
実はこの映画、6回も見たのだけど見るたびにこのシーン辺りからどんどん悲しくなっていく。
アベンジャーズについて何も知らず、それぞれのキャラになんの感情もなかった最初こそが おお!ヒーロー同士が戦う!胸熱だわ〜!ぐらいだったのだが、それぞれどんなキャラか知ってからは、どうして戦う必要がない彼らが…と悲しくなった。
キャップの主張を聞いていると、バッキーの件でキャップは反対の意思を貫こうとしてるようにも取れるがキャップはバッキーの件抜きにしてもきっと反対派を貫いていたと感じた。
そして今回は本当にトニーも我慢強かった。空港での決戦でどうしても折れないキャップに対して「頼む…」と懇願するトニー。他じゃ絶対見られない。長年共に戦ってきたことで信頼関係を構築することができたキャップにだからこそ普段は自分本位で絶対力でねじ伏せていたであろうトニーが穏便に済ませようとしてくれている。
この物語はキャップとバッキーの話だけどトニーとキャップの絆も綺麗に描かれていると思う。最終的にそこに亀裂が入ってしまうのだけれども。
だからトニーが冷静になって、一連の事件の真相を知って、一度キャップと和解して共闘の姿勢を取ってたのにジモの罠にハマった時は悲しかった。ウィンターソルジャーがトニーの父母を殺害する映像を流されて再び争うべきでないヒーロー達同士で争うことに。
最後の最後で去りゆくキャップに「その盾は父のだ!お前に相応しくない!置いていけ!」と怒鳴るトニー。ここがこの映画の悲しさの絶頂。キャプテン・アメリカと言えばあの盾なのに、キャップもトニーへの贖罪なのか盾をその場に置いて去る。悲しい…悲しい…仲直りしてくれよぉ…。

放置されたジモの元へはまさかのブラックパンサー。MCU初出演のヒーロー。最初はバッキー(結局勘違いだったけど)に父を殺された復讐として、たびたびキャプテンアメリカチームと対峙するヒーロー感はあまりないヒーローだった。復讐することしか頭になく周りを見ずひたすらバッキーを付け狙う。まあここまで見ると良い印象が全くないわけだ。
今回の事件を裏で全て操作してた黒幕、ヘルムートジモの後ろで爪を出し、復讐しようとするブラックパンサー。と思いきや、「復讐心が彼ら(アイアンマンやキャプテンアメリカ)を蝕み、そしてお前を蝕んでいる。私はもう…終わりにする…。」と言い、爪をしまい、逮捕しようとする。
しまいにはブラックパンサーにトドメをさされなかったことで自害を選ぶジモだったが、それすらもブラックパンサーに阻止され、「生きて罪を償うんだ…!」と言われる。
いやぁ、かっこいいね。かっこよすぎるね。この映画の全てをごっそり持っていったと言っても良いレベル。本当にかっこいい。今回の事件の被害度合いで言えばキャップと同等かそれ以上に被害を受けた(父親を殺害され、誤った相手を殺しかける)。なのにみんな復讐の連鎖に囚われる中、自ら復讐の連鎖を断ち切る。本当にかっこいい。
生半可な気持ちだったらジモの自殺までは止めなかっただろうに、自殺すらも阻止して捕らえる。彼の聖人っぷりが伺える。

ちなみに2018年1月末にマーベルハマってこれを見てブラックパンサーに魅入ってしまったわけだが、超良いタイミングで4月にブラックパンサー単独主演映画が上映。もちろん見にいったし劇場で実際に見るマーベル映画は初めてだったから興奮した。ブラックパンサーの感想はまた後ほど。


他にこのシーン良かったなぁと言えばクリントとワンダ。
ワンダをキャップチームに引き入れようとクリントが説得するシーン。アベンジャーズ最強のヴィジョンという見張りがいる中で堂々と行くクリントかっこよかった。ワンダは一度エイジオブウルトロンでクリントから説得をされた経験があるから尚更クリントの言葉が響いたんだと思う。
そこからのワンダの「私の恐怖を消せるのは…私だけ…!」っていうのは名言だった。
空港でのアイアンマンとの戦闘シーンでもクリントはめちゃくちゃかっこよかった。外したと見せかけての攻撃。

あとはカーターの死。ただでさえきつい状況なのに昔から愛していた人が亡くなって、この映画のキャップは本当につらいことだらけで可哀想。カーターの死に関してはシャロンの存在が少し支えになったんだと思う。シャロンはカーターの親族だしキャップの仲間サイドだし。
シャロンが葬儀の時に語っていた内容。カーターにどうやって女が求められていない時代に活躍できたか聞いたというものだった。カーターいわく「妥協するのよ、でも譲れないところは譲っちゃダメ。たとえ周りが黒を白だと言っても聞かないこと。たとえ世界中があなたにどけと言ってもあなたは大木のように動じず、相手の目を見据えてこう言いなさい。そっちがどけと。」とのこと。これは本当に痺れた。カーターらしい。

この映画は改めて振り返るとキャップの人望の厚さがよく見られたと感じた。
昔からの相棒のバッキー 。殺人などの容疑に問われようともバッキーのことを信じ続けていた。バッキーも洗脳が解けてからはキャップの相棒として最後まで行動を共にしていた。
映画ウィンターソルジャー以降、キャップの右腕のようなポジションのサム。彼もまた最初から最後まで協定には反対でキャップに寄り添っていた。
シャロン。一介のシールド職員で本来はバッキー を殺す立場なのにも関わらず、陰ながらキャップを支援していた。
ナターシャ。協定に賛成ながらも、序盤ではペギーの葬儀にキャップに寄り添ってあげて、終盤ではトニーチームを裏切り、キャップの手助けをする。映画ウィンターソルジャーでサムと共にキャップと共闘した仲ながらの関係と言える。

皆それぞれがキャップの相棒と呼べるほどあの関係で、キャップは戦士である前に人として偉大な人物であることが改めてよく分かった。





ファンの中ではアベンジャーズ2.5と称されるほど、たくさんのヒーローが登場し、物語が進行する本作品。話のスケールは非常に大きく映画の規模としてもかなり大きい。
また、今作からはスパイダーマン、ブラックパンサーがMCU入りすることとなった。その他既に単独主演映画をやっていたアントマンがアベンジャーズに関わることになった。

見れば見る程悲しい物語ではあるが保身に走るトニー、真実と向き合い続けるキャップとの間に起きる争いやブラックパンサーの格好良さ、戦闘シーンの豊富さからして非常に良作。見たことない人は是非見て欲しい。この映画は何回でも見られる。