ついにきました。インフィニティーウォーであれだけの悲劇が起きてからの次のMCU作品となるのでどうなることやらずっと気になってました。勿論繋がりがあるだけで当作品がインフィニティーウォーと関わらないのは知っていたのですがアベンジャーズ4でアントマンがどう関わるのか…などなど。

   この作品は1の視聴が必須だと思った。結論から言うと生きているかもしれないホープの母親(ジャネット)を救う話。そして救うために必要な粒子世界へのトンネルを巡って、アントマン陣営、ゴースト(本作のヴィラン)陣営、闇商人陣営の三つ巴の壮絶な戦いが起きる!といったもの。

   どこから始まるかというとシビルウォーの後に投獄されて、それを経て自宅謹慎2年が終わりそうな頃という設定。スコットがなぜシビルウォーに参戦したのか。あれはまさかのスコットが勝手に参加したのであってホープもピム博士も知らないことだった。おまけにスーツ制作者であるホープとピム博士は指名手配犯だという。なんともびっくり。裏側でこんなことになってたとは知らなかった。

   まず衝撃を受けたのはワスプの初戦闘シーン。粒子トンネル完成のための部品を闇商人と取引するホープ。案の定取り囲まれて金だけ奪われる状況に。自信満々のホープはワスプのスーツを身にまとって闇商人達をボッコボッコになぎ倒す。ここのアクションシーンが良かった。アントマンは小さくなる特殊な能力があってCGに頼りがちと思いきや、戦闘のプロであるワスプは小さくなる能力を駆使しつつブラックウィドウよろしく凄まじいパンチやキックを繰り出す。勝てないと見込んだ相手が金品のみ持って逃走しようとしたところに厨房の塩の瓶を投げて巨大化させ、出入り口を塞ぐワスプの行動も、ただ単に強いだけじゃなく冷静な判断力を持ち合わせて、スーツの力を最大限に活かせてると感じた。アントマンより普通に強いと思うし、1の時点でホープがもうスーツを着れるほどの実力が自分にはあると自負していた理由が分かった気がする。また、このシーンで完全勝利したのに取引の品だけ貰って金はちゃんと置いて行くホープが単純にスマートでかっこよかった。あれだけの仕打ちをされたら金も持っていけばいいのにそこは置いて行くという。

   ここらでゴーストがパッと出てパッと襲ってくるのだがまさかの正体は女の子。そのからはなんやかんやでブツを奪われたり奪ったり、追ったり追われたりでストーリーが進む。コメディシーンもちょくちょくあって、風味としてはマイティ・ソー バトルロイヤルに近い感じ。でも基本のシナリオはシリアスだからバトルロイヤルよりは硬めなシナリオ。

   コメディシーンで見どころといえば、スコット、ピム博士、ホープがゴースト陣営に拘束され、緊迫した状況でスコットのスマホが鳴るシーン。キャシーからの緊急着信だったから出させてくれと敵に懇願するスコット。そして出てみると「パパ〜 私のサッカーシューズどこ〜?」とアッサリした内容で現場がゆるい雰囲気に一転してしまう。なんともキャシーが可愛く、さすがだと感じた。キャシーは割と登場シーンも多く、ホープと同列の、アントマンの正式なヒロインなのだと感じた。人間的にもしっかりしていて、スコットの心の支えにもなっている気がした。あとは何度もスコットを誤認逮捕しそうになるFBIに対してスコットの元妻が「FBIって踏ん反り返ったバカな陰湿野郎の略なの?」的な、頭文字を取って真っ向から罵倒してるシーンが最高に笑えた。

   ジャネット救出までのシーンは本当にハラハラした。老化はしていたがなぜ食物などを摂取せずに生きていられたかなど、諸々のツッコミは無しで。ジャネットは無事救出された。そして粒子世界にずっといたことによって得た謎のパワーでゴーストの病も治してハッピーエンド。痛い目を見たのは闇商人陣営だけという。ゴーストこれワンチャン仲間になるのでは…?

   そして肝心のエンドロール後のシーン。本編の後日談で、粒子トンネルをより自在に扱えるようになったスコット、ホープ、ピム博士、ジャネットの四人は、ゴーストの病気の究明やその他の実験のため、粒子世界へスコットを送り出す。送り出して粒子世界へたどり着くと、ホープ、ピム博士、ジャネットは砂のように消え去る。そう、サノスの指パッチン抽選に当選してしまったのだ。状況も分からず粒子世界で閉じ込められ、通信も遮断されるアントマン。そこで物語は終了。アベンジャーズ4でニューフェイスとしてワスプが活躍するかと思いきや消えるという。最後も「アントマンとワスプは帰ってくる。」で終わらず「アントマンとワスプは帰ってくる…?」で終わった。なんにせよ、ますますアベンジャーズ4が気になる終わり方となった。その前のキャプテンマーベルもとても気になるところ。