見てきました。ペンギン・ハイウェイ。最初は主人公の小学生、アオヤマ君が、突如海の無い都会に出現したペンギンの不思議を解明するものだと思っていた。そして全てを把握してるお姉さんが少しづつヒントを出して謎解きの手引きとなる…全ての事象は現実に基づいたもので、根拠ある説明のつくストーリーだと思っていた。だが、想定していたストーリーとは大きく反れて、思った以上にファンタジー要素で溢れていた。

  終わりまで見て感じたのは、この物語はペンギン・ハイウェイではなく「お姉さん・ハイウェイ」であること。物語の主軸となるのがペンギンじゃなくてお姉さんで、ペンギンはそのお姉さんのおまけに過ぎなかった。且つ、この物語は、ペンギンがペンギンである必要はそこまでなかった。なぜかというと、ペンギンである必要は、序盤の「なぜ街にペンギンが!?」という主人公が謎の探索を開始するキッカケを作る場面のみだった。泳ぐシーンも後半はあったからまあいわばカエルでもカワウソでも良かったということ。それだけペンギンにおまけ要素が強く、お姉さんがメインとなった。まあペンギンは可愛く、マスコット的な要素もあるし、何よりキャッチーだし集客効果的にはペンギンが相応しかったのかもしれない。

   ジャバウォックについて。こいついるか??と思った。結局存在してた理由が、地球に未練があって消えたくないお姉さんが無意識に生み出していたってもので、ペンギンやお姉さんの天敵だとデカデカ描いていたのに結末はあっさり。終盤、海に向かうシーンで一瞬ではっ倒されて出番おしまい。海がラスボスだとして、ポジション的にはラストダンジョン前に構えている門番ぐらいのつもりだと思ったらあっさりやられる。存在理由も不純なものだしただの尺稼ぎに感じた。だが考察を進めている間に、ジャバウォックの必要性を感じた。物語序盤、お姉さんがペンギンではなくコウモリを出してしまうシーン。あれをコウモリが出てくるという表現ではなく、ペンギンではない'望んでいないもの'も出てくることがある、とアオヤマ君のノートにまとめられていた。そんな序盤からジャバウォックの存在が示唆されていたと考えるとジャバウォックは必要だったのかなと感じた。

   お姉さんの能力で街中の物をペンギンに変えていたシーン。バイクや車までもペンギンに変えて勝手に拝借。…それでいいのか?と思ったが、最後に全てが片付いた後、律儀に返却。ただしコケ付き。

   アオヤマ君を中心として、お姉さんに嫉妬する女の子や、アオヤマ君と共に行動する弱気な男の子、いじめっ子の大将にその取り巻き二人。等身大の小学生らしさが描かれていたところはとても良かった。いやでもアオヤマ君の賢さに関しては等身大の小学生じゃないかも。




    最初は伏線をばら撒きすぎで全部回収しきれるのかどうかすごく不安だったが、まあまあ回収できていてスッキリする終わり方。エンディングは視聴者考察ENDとはちょっと違うけどまあアオヤマ君の未来は視聴者の想像にお任せします的な感じだった。お姉さんは蘇るのか、それとも蘇らずアオヤマ君は一生独身を貫くのか()


   やっぱ自分もそうだったけどフランクな年上って惹かれるんだよなぁ。最後までお姉さんがアオヤマ君を少年呼びだったのが良かった。あと謎のチェス推しが気になってしょうがなかった。


   普通に面白かったけど子ども向けかどうかで言ったら子ども向けじゃないと思います。アオヤマ君が賢いが故に単語単語が難しく(小学生の癖に「僕は◯◯を△△だと仮定し、考察した結果◻︎◻︎で〜」のような感じで大人じみた話し方をする)、子どもじゃついていけない気がした。でも逆に大人が見たら普通に楽しめると思います。特に心の片隅にまだ童心が残っていて、でも心も身体も大人な大学生辺りが見たら楽しめるんじゃないでしょうか。