『食物繊維摂取の重要性』 | 久野 淳(くのじゅん)のブログ 歯科医師 栄養指導 栄養療法 オーソモレキュラー 糖質コントロール 食育 食の安全 栄養マニア 料理教室

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街の歯医者さんをしながら複数のコメディカルの学校で講師をしたり、一般の方向けのセミナー活動をしています。栄養療法を日々の臨床に取り入れ、自身もゆるい糖質制限をしながら食育、食の安全に取り組んでいます。

身体の免疫細胞の約7割が存在するといわれる腸内環境
整える上で食物繊維は絶対に欠かせないものです。食物

繊維とは、栄養学的には炭水化物に含まれ、炭水化物から

食物繊維を除いたものが糖質です。

食物繊維は、以前は「吸収されない」、「必要な栄養素まで

出してしまう」などの理由から、食べ物のカスだと考えら

れ、栄養素として認識されていませんでした。


現在では、タンパク質、脂質、糖質の「三大栄養素」、そ

れにビタミン、ミネラルを加えた「五大栄養素」、その次

「第六の栄養素」として食物繊維が位置づけられるよう

になりました。

食物繊維は、腸内では消化・吸収されることなく体外へ排

出されます。まさに便通を改善してくれる重要な栄養素と

いえます。

最新の日本人の食事摂取基準(2015年版:厚労省デー

タ)では、食物繊維の目標量は、18歳以上70歳未満で

1日あたり男性20g以上女性18g以上とされてい

て、男女とも2010年版の食事摂取基準よりも目標量が

1日あたり1g引き上げられています。

また、2010年版までのデータでは18歳未満の目標量

が設定されていなかったのですが、2015年版ではあら

たに6~17歳までの目標量が設定されました(6歳未満

は未設定)。

これは近年小児において頻度の高い健康障害には「便秘」

があり、小児期の食習慣はその後の食習慣に影響する可能

性があるばかりでなく、小児期の食習慣が成人後の循環器

疾患の発症などに影響を与えている可能性も示唆されてい

ることから目標量を定めたものと考えられます。


このようにわずか5年間においても食物繊維を摂取する重

要性が高まっているのです。

しかしながら平成24年の国民健康・栄養調査の「日本人

の年代別食物繊維摂取量」の結果では、乳幼児を除き20

歳~29歳代の摂取量が最も少なく、他のすべての年代に

おいても目標量を下回っているのが現状です(平均14.

2g)。

食物繊維には大きく分けて、水に溶けやすい「水溶性食物

繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があ
ります。

「水溶性食物繊維」について


水溶性食物繊維には、サラサラ系とネバネバ系があり、昆

布、ワカメなどの海草類、こんにゃく、果物、里芋などに

含まれています。(ただし、こんにゃくの原料は水に溶け

ますが、食べるこんにゃくになると水に溶けません。)

代表的なものとしては、リンゴ、ミカンなどの果実、芋類

キャベツ大根などの野菜類に含まれる「ペクチン」、

昆布ワカメなどの海草類に含まれる「アルギン酸」や「

カラギーナン」、こんにゃくなどに含まれる「グルコマン

ナン(コンニャクマンナン)」などがあります。

水溶性食物繊維の特性は、その粘着性により胃腸内をゆっ

くり移動するので、お腹が空きにくく、食べ過ぎを防ぎま

す。特に糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激

な上昇および反応性の低血糖を抑えてくれます。そのため

、「食物繊維は食前に摂るのがベスト」なのです。また吸

着性があるため、胆汁(酸)やコレステロールを吸着し、

体外に排泄します。胆汁(酸)は、食材に含まれているビ

タミンA、D、E、KやコエンザイムQ10などの脂溶性

の成分を吸収するために必要であるだけでなく、体内に溜

まったコレステロールや毒素、ある種の薬剤などを排出す

る役割を持っています。水溶性食物繊維は、この胆汁(酸

)を引き連れて便から排出させるという役割も担っている

のです。

またその優れた発酵性から、大腸内の善玉菌によって発酵

・分解されることで、腸内細菌(善玉菌)の栄養分(エサ

)になります。また水溶性食物繊維が分解されると、酪酸

や乳酸などの有機酸ができます。これらの酸によって大腸

内の酸性度が高まり、酸に弱い悪玉菌の増殖が抑えられ、

ビフィズス菌などの善玉菌が増えて腸内環境が良くなるな

ど、整腸効果(腸内細菌のバランスを整える)が期待でき

ます。


水溶性食物繊維を多く含む食品
(100g当たりの含有量)は、

「水分が40%以上のもの」では…

・ エシャロット(9.1g)
・ にんにく(3.7g)
・ 柚子(果皮)(3.3g)
・ ゆりね(3.2g)
・ ごぼう(2.7g)
・ 納豆(2.3g)
・ 豆みそ(2.2g)
・ レモン(全果)(2.0g)
・ アボカド(1.7g)
・ オクラ(1.6g)


「水分が40%未満のもの」では…

・ かんぴょう(乾燥)(6.8g)
・ 抹茶(6.6g)
・ カレー粉(6.5g)
・ 大麦(押麦)(6.0g)
・ ピュアココア(5.6g)
・ とうがらし(5.4g)
・ 豆きんとん(4.3g)
・ 切干し大根(乾燥)(3.6g)


「不溶性食物繊維」について

不溶性食物繊維は、成熟した野菜などに含まれる糸状に長

い筋で、ボツボツ、ザラザラしているのが特徴で、穀類、

野菜、豆類の他、エビやカニの表皮(キチン・キトサン)

にも含まれています。

代表的なものとしては、植物の細胞壁を構成している主成

分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどがあ

ります。「セルロース」は大豆、ごぼう、小麦ふすま、穀

類など、「ヘミセルロース」は小麦ふすま、大豆、穀類、

野菜類など、「リグニン」は小麦ふすま、穀類、完熟野菜

類などに含まれています。

不溶性食物繊維の特徴は、保水性が高く、胃や腸で水分を

吸収して大きくふくらみ、腸を刺激してぜん動運動を活発

にし、便通を促進します。その性状からよく噛んで食べな

ければいけないので、食べ過ぎを防ぎ、成長期においては

顎の発育を促し、歯並びを良くするなどの効果も期待でき

ます。

また、水溶性食物繊維に比べると発酵性は少ないものの、

不溶性食物繊維においても大腸内で発酵・分解されること

により、善玉菌が増えて腸内環境が良くなります。

 
不溶性食物繊維を多く含む食品
(100g当たりの含有量)は、

「水分が40%以上のもの」では…
・ いんげん豆(ゆで)(11.8g)
・ ひよこ豆(ゆで)(11.1g)
・ おから(11.1g)
・ あずき(ゆで)(11.0g)
・ しその実(8.1g)
・ 栗(7.5g)
・ えんどう豆(7.2g)
・ よもぎ(6.9g)
・ しそ(6.5g)
・ 納豆(4.4g)


「水分が40%未満のもの」では…

・ きくらげ(乾燥)(57.4g)
・ 煎茶の茶葉(43.5g)
・ とうがらし(41.0g)
・ 干ししいたけ(乾燥)(38.0g)
・ 抹茶(粉)(31.9g)
・ カレー粉(30.4g)
・ かんぴょう(乾燥)(23.3g)
・ ひよこ豆フライ(19.9g)


この数値を見ると、海藻類や豆類、穀類に多く含まれてい

ますが、他にも野菜全般、果物にも比較的多く含まれてい

ることが分かります。

ここには記載はありませんが、ひじき(乾燥)や青海苔(

乾燥)
などにも食物繊維が豊富に含まれています。

水溶性不溶性の摂取における理想的な比率については諸

説がありますが、不溶性の食物繊維の摂取量が多過ぎると

、便のかさは増しますが、便が硬くなりかえって便秘につ

ながってしまう恐れがあります。

そのため、不溶性水溶性もしくはが理想

とされています。

以前FB投稿で述べたビタミンCと同様、動物性食品には

物繊維がほとんど含まれていません。ストイックに糖質を

制限して、毎日高タンパクな食事をしている皆さん!「ビ

タミンやミネラル」そして「食物繊維」足りてますか??


この辺をしっかり理解せず、人のマネをして偏った「スー

パー糖質制限食」「極端なMEC食」などを実践してい

ると、腸内環境が大変なことになりますよ!

※ 画像は、おから、乾燥きくらげ、干しシイタケ、枝豆(塩

茹で) 、こんにゃくなど食物繊維が豊富な食材を用いて自作した

『ファイバーたっぷり彩りおから煮』です。

また機会がありかしたら、詳しいレシピを紹介させて頂きます^^