あれこれとヤフーで検索をして、やっと見つけた。


「箸」専門店。


昨日、営業での外出のついでに立ち寄った。


平日の昼間ということもあって、店内に僕以外の客はいない。


一見強面の若いお兄さんが、思いのほか優しい声で話しかけてきた。


  - プレゼント用のお箸をおさがしですか?


最近は、自分では判断できない買い物の時には、素直にお店の人に託すことにしている。


「妻の誕生日プレゼントなんです」



食卓から、妻の箸が一本落ちた。


拾って、妻に渡すと、妻が箸を二本並べて言った。


「見てよこの箸。左右長さが違うんだよ」


確かに長さが違う。 しかも先端は塗装も剥げて、黒ずんでいる。


きっと料理中に、菜箸の代わりに自分の箸を使って先端を焦がしたりしたのだろう。


「新しい箸に変えたらいいじゃん」


「そんなお金、ありませーん」



妻の誕生日は、今日。


仕事で帰りが遅くなりがちな僕は、今朝、出がけに妻にプレゼントを渡した。


「ありがとう」


きれいな和紙の包みを開け、真新しい箸を手にとって、妻がうれしそうに言った。


そして、続けて、もう一言。


「昨日、新しい箸に変えちゃったのに?!」


・・・・じつに、妻らしい。