今朝、もそもそとベッドから抜け出して洗面所で顔を洗っていると、ぼくより早い次男クンの声。
- PK戦やってるよ~!
え?! なに?! PK戦??? サッカーじゃん。
テレビの前で、パジャマのぼくと学ランの次男クンが棒立ち。
しまった~! 忘れてたぁ~! 最初から見たかったのにぃ~!
UEFAチャンピオンズリーグ決勝 <マンチェスター・ユナイテッド VS チェルシー>
テレビ画面に映し出される、センターサークルで肩を組む赤と青のユニフォーム。 そして、大粒の雨。
スコアは、1対1。 延長戦でも決着がつかず、PK戦へ突入。
一人目、二人目・・・・両チームとも、きっちり決めてくる。
マンチェスター、三人目・・クリスティアーノ・ロナウド。 ロナウジーニョと並ぶ世界屈指のプレーヤー。
いや、おそらく、今やロナウジーニョを超えた世界NO.1プレーヤーと言っていいだろう。
となりの次男クンがつぶやく・・・・・助走が短いんじゃない?!
前髪の先から、雨のしずくが途切れることなく滴り落ちる。
ロナウドがゆっくりと動き出す。 ボールの手前で一度止まる。 フェイント。 キーパーは動かない。
ほとんど助走なしの状態で、ロナウドが右足を振り抜く。 キーパーが左に飛ぶ・・・・・。
無回転のボールは、キーパーの手に弾かれ、ゴールの外へ・・・。
勝利の女神が、チェルシーのほうを向いて、少し頬を緩めた。
マンチェスター、五人目。 これを外せば、The end 。
雨を含んで重たくなったユニフォームに、さらに想像を絶するプレッシャーがのしかかる。
・・・・冷静に、ゴールの右隅に蹴り込んだ。 物語は、まだ終わらない。
チェルシー、五人目。 主将、ジョン・テリー。 これを決めれば、The end 。
最後に与えられた、主将としての重責。 経験したことのないような、プレッシャー、そしてチャンス。
雨は、ますます激しくなっていた。 勝利の女神様、雨は、お好きですか?!
彼はスリッピーな足元に軸足を滑らせ、ボールは予想外の軌道を描いてゴールを外れていった。
チェルシー、7人目が外し、マンチェスターの劇的勝利。。。
気まぐれな勝利の女神は、緩みかけた頬を戻すと、振り返ってマンチェスターに微笑んだ。
勝者に、雨が降る。 敗者に、雨が降る。