上を向いて歩こう! | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

上を向いて歩こう!

今夜は書き散らします。15分で書く。

改憲勢力が衆参ともに2/3を占め、ついに安倍晋三君がちょび髭をつけて戒厳令を敷くのではないかと、みんな、うろたえていると思う。
根っからの嘘つき、卑怯者の安倍晋三君のことだ。特定秘密保護法、安保法制の時のように、あっという間に立憲主義、民主主義をぶち壊すのではないか…。

でもちょっと待て。

俺は、立憲主義や民主主義について、これまでちゃんと知っていたか?

1年前は知っていた。
3年前もまあまあ知っていた。
でも5年前、原発が爆発した年の今頃は、まだ考え始めたばかりではなかったか?
20年前、会社組織の中にいた頃は考えもしなかった。
30数年前、学生の頃は哲学や社会学を勉強して、それなりに意見は持っていた。でも、まさかこの日本で、本気で立憲主義を破壊しようとする勢力が台頭するとは努々思っていなかった。「政治なんかくだらない」と切り捨てて、切実な問題として問おうとはしなかった。

半世紀以上も生きてきて、本棚に数千冊を並べて、ちょっと偉そうに「何でも訊いてくれ」と言わんばかりの俺だったが、いざ本物のファシストが登場したとき、奴らをぶちのめすだけの知識も信念も、まるで足りなかったというわけだ。

そう考えると、これは俺だけじゃないだろうなという気もしてくる。

土曜日。今回の選挙戦では初めて三宅洋平の選挙フェスに行ってきた。
びっくりしたのは、3年前の参院選のときよりもはるかに鋭い問題提起、深い思索、なるほどと唸らせることばを、彼が紡いでいたことだ。

だけど考えれば当たり前だよね。3年もあったのだから。

さっさと「まとめ」に入りたいのだが文章が長引いてごめんね。

日本は、敗戦によって外国から民主主義がやってきた。
市民革命を経験した西洋諸国とはわけが違う。
それゆえに「押しつけ憲法の基本的人権、国民主権、平和主義はけしからん」などとほざく極右と、それに同調する間抜けがたくさんいるのだ。

言い方を変えれば、民主主義も立憲主義も、日本では国民の骨や血まで染み通っていなかったのではないのかな。
それを肯定するにせよ否定するにせよ、その神髄を知らずに、くだらない迷信や独善、党利党略で話をしていただけなのではないかな。

とすれば、3.11以降の俺たちが、決して負けてはいないことがよくわかる。
ファシストどもと闘えるだけの力を、俺たちはものすごい勢いで身につけてきたのだから。三宅洋平のスピーチ同様、俺たちの考えも、あれからずっと研ぎ澄まされてきている(思考停止に陥っているのは安倍晋三君やその仲間の極右のほうだ)。

ちょうど24時間前のtwitterにこう書いた。

沖縄と福島、つまり基地と原発。安倍政権が国民に犠牲を強いる象徴的な二県で、自民現職閣僚が落選。鹿児島県知事選では、大地震でも止めない川内原発の停止を公約とした三反園氏が初当選した。政治の劣化を自分のこととして捉えることになれば当然の結果だろう。#参院選 #鹿児島知事選挙

だが、ちょっと修正する。
「政治の劣化を自分のこととして捉え」ざるを得ないのは、沖縄や福島の人たちだけではなくなってきているのではないか。
三宅洋平のことばがそうであったように、多くの人たちが、3.11からの5年間(あるいは安保法制強行採決からの1年間かもしれない)、民主主義や立憲主義、人権についての議論を深めているのではないか。もちろん俺もだ。

つまり俺たちは今、「革命の最中」にいるのである。
決して血を流すことはなくとも、今、日本に、ようやく市民革命が立ち上がっているのだ。

永六輔さんが亡くなった。
さっき、宮田律さん(現代イスラム研究センター理事長)のfacebook記事をシェアしたときの原稿を引用します。

RCサクセションのアルバム『ラプソディ』(1980)に、『上を向いて歩こう』がカヴァーされています。
ライブを再編集した名盤で、故・忌野清志郎は『日本の有名なrock'n'roll!』とこの曲を紹介しています。
https://youtu.be/E2XHVqmlv_s ※この動画は『ラプソディ』のものではありません)
これは単にこの曲が「sukiyaki」として米国でもヒットしたという意味などではなく、まさに『That's Rock'n'roll』ということだと思うのです。
永六輔さんのご冥福をお祈りいたします。
この国はまた、偉大なRock'n'rollerをひとり亡くしました


僕は三宅洋平には投票しなかったが、彼がRock'n'rollerであることは間違いない(Rock'n'rollerとはすなわち、闘う者の称号である)。
彼は残念ながら落選したが、今や、日本中にRock'n'rollerが急増中だ。
1年前、3年前、5年前、10年前、20年前はぼ~っとしていた俺、俺たちのことである。
そんな俺、俺たちが政治を問おうというのだから、これはまさに、日本史上初めての、無血の民主主義・立憲主義革命なのである。

上を向いて歩こう!(…おやおや、15分で書くと言っていたのに40分かかったよ)

rock'n'roll!!