【安保法制案】 反対を表明しないのは賛成と同じである。 | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

【安保法制案】 反対を表明しないのは賛成と同じである。

東日本大震災のときの海上自衛隊の災害派遣活動とその後を追ったドキュメンタリー作品『ポセイドンの涙』は、3月の「ヒューマントラスト渋谷」での上映を皮切りに、大阪、広島、長崎など各地を回り、いよいよ9月19日からの二週間、キネカ大森(東京 http://www.ttcg.jp/cineka_omori/ )での上映が劇場公開の最後となる。

僕と、大島孝夫さんの共同監督作品だ。9月26日には劇場での登壇も監督登壇も予定されているから、時間があったら見に来てね。( http://www.is-field.com/poseidon/

撮影期間中は海上自衛隊の隊員たちにまさに密着していたのであった。自衛隊のドキュメンタリーはいろいろあるが、居酒屋で酒飲んでる隊員の本音を撮影したような作品はほとんどないぞ。

この作品では海幕広報に全面協力していただいた。だから市ヶ谷の防衛省にもたびたび足を運び、空港のようにX線による手荷物検査と金属探知機を受けてから重要施設にも出入りしていた。各地の基地でカレーライスも食べたし、艦内での撮影では機密とされる計器類などが映らないようカメラアングルも考えた。(軍事に機密事項があるのは当然である。だが、為政者の好き勝手に秘密を定め、しかも未来永劫開示しないというのが特定秘密保護法の問題である)

というわけで僕は自衛隊が、というか自衛隊員の人たちが好きなのだ。

みんないい人だったよ。
海幕広報の担当者Sさんや共同監督の大島さんは、撮影現場で隊員たちの話を聞くたびに泣いていたが、作品至上主義で冷徹無比な僕にしてみれば現場で泣くなんて考えられなかった。
ところが最後の撮影で恥ずかしながらついに泣いた。隊員たちの災害派遣活動に、ほんとうに心打たれるものがあったからだ。
まあそんな気持ちがどこまで伝わるかはわからないけれど、ぜひ見に来てね。9/19~キネカ大森( http://www.ttcg.jp/cineka_omori/ )で最後の劇場公開だ。

と、宣伝を行ったのも、僕の考えていることをあらためてきちんと伝えたほうが良いと思うからである。

馬鹿なネトウヨとかがさ、「安保法制に反対するのは自衛隊嫌いなサヨク」とか、もっとひどいのになると「支那の手先」とか、愚にもつかないくだらないことを言っているが、お前らもうちょっとちゃんと考えろ。

昨日は参院の公聴会で「SEALDs」の奥田君がまさに的確な発言をしていたのだが、ニコ生中継を見ていたら、馬鹿どもが「中国に帰れ」とか言っていた。ほんとうに糞のような連中だ。他人の悪口言うのなら自分の名前も晒せよな。

僕は奥田君とかの父親のような年齢だが、SEALDsに賛同し応援したくて、7月からは皆勤賞で国会前のデモに参加している。
ていうか安倍晋三君の安保法制案は、まるでお話にならないからである。

これはいろんな人が言っているので今更書かないが、安倍晋三君のやろうとしていることは民主主義、立憲主義の否定であり、独裁そのものだということだ。
国際政治学者とか名乗る安倍晋三君のお友達連中は、中国の脅威とかを持ち出して「現実を見ろ」と言う。まるで安保法制案に反対するのは現実が見えていないかのごとき物言いだ。
しかし、はっきり言っておきたいが、安倍晋三君が目指しているのは「現実の独裁」だよ。中国に対抗するためには独裁政治も許して良いと言いたいのだろうか?

僕は、安全保障の議論はきちんとすべきだと考える。憲法9条は素晴らしいが、国民投票の結果改正するのならそれも良かろう。
だが、安倍晋三君が目論む卑怯な解釈改憲は断固許されない。

『ポセイドンの涙』の撮影で多くの自衛隊の人と話をした。階級もさまざまだ。人間的に素敵な人、人格者がたくさんいた。
彼らは、万が一日本が不当な武力攻撃を受けた場合には、命がけで闘ってくれるだろう。
津波や洪水と言った自然災害でも身の危険を顧みず救助に当たるだろう。
僕は、自衛隊員のメンタリティは、そんな人道主義だと信じている。それが、これまで60年、誰ひとりとして殺すことのなかった、世界に誇る日本の自衛隊である。
だからこそ、安倍晋三君やその極右仲間の利己的国粋主義で、自衛隊員を戦地に送るな、と言っておきたい。

さてと。
酔っ払ってきたのでそろそろ本題を書かねばなるまい。

安倍晋三君の身勝手な安保法制案は今日(16日)にも参院委員会で強行採決されようとしている。
すべての世論調査で圧倒的過半数が今国会での成立は駄目と言っているにもかかわらずだ。

でね。
言いたいのはこれだ。

みんな、反対なら態度で示してくれよ。

気持ちは反対だけれど何も言わない何もしないというのは、結果的に現状追認、つまり賛成としてカウントされてしまうのだ。

僕は、政治的な問題のすべてに国民が意志表示すべきだとは考えない。政治家や役人に勝手にやらせたほうが良い問題が大半だ。
しかし、国のありかたの根本に関わる問題は別である。
安保法制がまさにそれだ。

自民党が選挙で勝ったからと言って、国民は「全権委任」「白紙委任」はしていない。

だから、自民党支持者や公明党支持者であっても、「景気のことを考えて投票はしたけれど、安保法制案は違うんじゃない?」と思うのならば、きちんと表明しなければならない。
それをしないと賛成だと見なされるぞ。心の中で「反対」と思っているだけでは駄目なのだ。

デモに参加するのもいいし、SNSで「いいね!」するだけだって良いのだ。

思ったことは堂々と口にできる。それが日本という国の素晴らしさではなかったのか。