奴隷天国 | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

奴隷天国

昨夜に引き続き酔った勢いで書きましょうね。

今日読んだのはこの本。

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これを読む限り、著者の信じる価値というのか美意識と言っても良いのかもしれないけれど大雑把に言えば信念は、僕にはとてもじゃないけれど共感できない。(たとえば第9章で述べられている「特攻」について。僕は「特攻」はイスラム国の自爆テロと同じものだと考えており、両者にはいささかの「価値の差」はないと考える)

それでもこの本はとても優れていると思う。
つまり「戦後レジーム」という、安倍晋三君がいつも持ち出すネタではあるが一体全体なんのことを言っているのかよくわからない概念について、それをきちんと暴き出しているからである。

(※2015/06/08追記
ちょっとごめんね。僕は基本的には記事を修正しないのだけれど、あまりにも酔っ払って書いたので舌足らずでした。誤解されるといけないのでこの青色の文字の部分、書き足しますね。
つまり、安倍晋三君の言っている「戦後レジーム」というのがなんのことだか、僕にはよくわからない。彼の爺ちゃんである岸信介が良くも悪くも歴史に残る人物であったので、自分も爺ちゃんのようになりたいという功名心満々なのだけはわかるが、安倍晋三君の頭の悪さは戦後の首相の中でもずば抜けており、とてもじゃないが岸信介の左足の小指の先にも届かない。安倍晋三君の「戦後レジーム」など問い詰めれば本人もなにがなんだかわからなくなるような代物であろう。
ここから先に述べるのは、安倍晋三君の言わんとする「戦後レジーム」ではない。
世界史を見れば誰もが明らかな第2次世界大戦後の国際関係の中での日本の在り方のことである)


孫崎享氏の「戦後史の正体」(http://www.amazon.co.jp/dp/4422300512/)とか、白井聡氏の「永続敗戦論」(http://www.amazon.co.jp/dp/4778313593/)とか、「いわゆる左っぽい」と言われそうな論陣から提起されている「戦後とはどういうことか」という問題はいろいろ話題になっているけれど、「いわゆる右っぽい」論陣も、ほぼ同じ枠組みで現在の日本を捉えているのだ。

それはすなわち、米国隷属である。
日本国民は、自ら進んで米国の奴隷と成り下がっているのである。(唯一と言っても良いほどの例外が沖縄だ。日本国民である以上に琉球人としての誇りを持っている)

衆院憲法審査会では、自民党が呼んだ長谷部恭男・早大教授を含め、招かれた憲法学者3人全員が、集団的自衛権を認める安全保障関連法案を「憲法違反」とした。
自民党は大慌てで火消しに走り、砂川判決といった的外れの論議で違憲ではないと言い張るが、その論理は誰の目から見ても明らかに破綻している。

解釈改憲で集団的自衛権を認めようなどといったインチキ違憲法案を強行に通そうとするのではなく、安倍晋三君は正々堂々と改憲を問うべきなのである。

それがなぜできないのかと言えば「今、9条で国民投票をすれば負ける」という読みがあるのが大きな要因であるのは間違いない。
だが、それ以上に重要なのは、改憲派といわれる人たちの多くも、じつは「日本国憲法を根本的に問われては困る」のだ。

改憲派の人たちは「押しつけ憲法」だという。それは事実だ。日本国憲法の大枠は米国が用意したものだった。
だが、本気でそれを問おうとすれば、「押しつけ憲法」と抱き合わせの日米安保も本気で問われなければならない。
でも、もしもそうなると、米国の「ペス」(ポチではない。メス犬の代表的な名前)である安倍晋三君などは大変困ったことになる。よく考えるとどこまでも米国に尻尾を振り続ける理由などどこにもないからだ。アジアに対しては強気でも米国にすれば「ペス」でしかない安倍晋三君には立つ瀬がない。

だから、国会では誰の目にも明らかなほど滅茶苦茶な答弁を繰り返している。
国会審議の前に米国に行って「夏までに法案を成立させます」と言ってのけた安倍晋三君は、自国民よりも米国の顔色が大事。だからまっ先に米国に約束。これはつまり「日本は米国の属国です」という宣言だ。

それが最優先なので、自分がどんなに破綻したことを言っても意に介さない。(ていうか安倍晋三君は本物の馬鹿なので自分の破綻に気づいていないのかもしれない。逆に、マトモな知性を持ち合わせた中谷元君や岸田文雄君は、自己矛盾がわかっているのでおろおろしてしまう)

長くなっちゃったよ。

「奴隷で良いのか」という話だ。
便宜上僕も「右」とか「左」とか書くが、そんな古い区分けはもはや無効である。
自ら進んで奴隷になって、奴隷に許される範囲の楽しみを求める。──それで良いのか? という話である。
これは、尊厳の問題だ。右翼も左翼も関係ない。

『奴隷天国』~エレファントカシマシ