久しぶりに書きました | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

久しぶりに書きました

そういえばブログの更新が半年も止まっていた。

久しぶりにアメブロを見たらなんかいろいろ変わってるみたいだ。
これまでのブログのジャンルが無効になっていて、以前はなんだったけなあ、クリエーターとかにしてたと思うのだけれど、今回は二つ選べというので「酔っ払い」と「ろくでなし」にしましたよ。「マスコミ業界」じゃつまんないもんな。

というわけで、半年間何をしていたのかといえば、だらだら仕事をする傍らいろんなことを考えてはいたのだけれど、社会へ向けてわざわざ発するべきメッセージというのはほとんどなかったのだった。

たとえばね。昨日のニュースに絞って言おうかな。

僕は産経新聞は嫌いなのだがそれでも今回の起訴については韓国当局がアタマ狂っているとしか言いようがない。大統領への名誉毀損などというのはそもそも成立してはならないのだ。
政治家に名誉もへったくれもない。彼らは「偉い人」ではなく「お前にやらせてやってもいいよ」と国民が認めてあげた、要するに国民の下僕であるのだから、公人としての義務は負うが権利はむしろ狭められるべき立場である。
彼(彼女)に対しては誰でも自由勝手に悪口を言って良い。それが政治家である。聞けば韓国では政治家に対しての名誉毀損で立件されることも多いという。時代錯誤も甚だしい国なんだなあ。

アスベストの裁判は、当然の最高裁判決が出た。
判決がどこまで踏み込んだのかなど、この件は詳しく知らないのだが、国家権力には国民を守る義務がある。それこそが国家のもっとも根本的でもっとも大事な仕事である。
「あのときはこれくらいなら大丈夫だと思って毒を使いました」というのは、個人を刑法で裁く場合には考慮されるべき問題だが、国家の場合はそうではない。「知らなかった」ではすまされないのだ。もしもほんとうに知らなかった場合でも、それで実害が出た場合には補償しなければならない。それが現代の国家というものである。
立憲主義に象徴される現代民主主義国家の国家思想から当然の帰結として導き出される考え方である。

村上春樹さんがノーベル文学賞を獲るか、というのを夜のテレビニュースのトップでやっていたのだが、いやまあどうなんだろうねえ。そんなに大きなニュースかねえ。
僕は、ハルキストなどと言われるのはまっぴら御免だが、彼のデビュー作『風の歌を聴け』は、単行本化される前「群像新人賞受賞作」として『群像』誌で読み、じつにすごいと思って、何がすごいのかというと、この人は「「書かない」ということ」を「書いた」。
ウィトゲンシュタインは『論理哲学論考』出版のとき、「これは倫理についての本です」と私信で吐露しながらも、本書の中で倫理については一切触れなかった。それと同じだ。
ドーナッツの穴を語るためには、穴自体ではなくドーナッツについて語るしかない。
ウィトゲンシュタインの場合は、『論理哲学論考』を読んで「そうだ! 論理こそが世界だ」と勘違いする困った連中が現れたわけだが、村上春樹さんの場合もいつの間にか世界的な作家になって、世界中にファンがいる。
でもさあ、正直言うと、彼が問おうとしている問題をみんなどこまで切実に捉えているのか、僕は甚だ疑問だね。

ていうようなこととか。
を、昨日は考えていたりもしたのだけれど、まあ、ありきたりの話だしね。

あとは、形而上学的なこと。みんなは「数」は実在すると思うかい?
とかさ、近年統計学に注目が集まっていてこれはたとえばGoogleが世界中の何億人だか何十億人だかの位置情報を集めてるみたいないわゆる「ビッグデータ」が現実的な話になってきたので盛り上げっているわけだが、統計学というのは確率論と不可分である。
じゃあ確率って何?
小学校の頃、「サイコロを振ると、最初は1ばかり出たり3が全然出なかったりしますが、何回も続けていると、1~6まですべての目が均等に出るようになります」と教わった。
そんなの当たり前だと思ってはいけない。これは何を根拠に言っているのだろうか?
実際に誰かがやってみた「経験的事実」なのだろうか?
それとも、そんな「法則」がどこかに実在する、ということを根拠としているのだろうか?

ほら、こんなことも形而上学的な話になる。
(理系の人の中には「法則の実在」を疑わない人も多いが、どういう根拠で「法則が実在する」と言えるのだろうか?)

と、まあ、毎日考えているのはこの程度のことで、わざわざブログに書く気も起きない。
社会に向けて拡散するような類いの話ではないのだ。

「反原発」はどこからどう叩いても正しい主張であって一歩も譲る気にはならないが、そのことはもう充分書いた。
その先に語るべきこと、あるいはその語り方。それがまだ全然わかんない。
酔ったはずみで「小説でも書こうかな」とか思ったりもするけれど、一晩明けると一行も書けないしね。

なのでブログというのもそろそろ限界かなあと思いつつも、今夜はがんばって書きました。

なんか最近ビールたくさん飲めなくて、「氷結ゼロ・グレープフルーツ」をがぶ飲みしてたら気持ち悪くなってきた。

じゃあね。