田中俊一がいか腐っているか。それと『ありがとうたね蒔きジャーナル』投稿募集!小出さんのコメントも | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

田中俊一がいか腐っているか。それと『ありがとうたね蒔きジャーナル』投稿募集!小出さんのコメントも

久しぶりにテレビを点けたら、ニュースではオリンピックのことばかりやっている。
僕はほとんど興味ないのだけれど、みんな、見ているのだろうか?

ていうか、そんなどさくさに紛れて、今後の原発規制についてもっとも権限を持つ「原子力規制委員会」の人事が勝手に決まろうとしている。

一応書いておくけれど、原子力規制委員会というのは、

「東京電力福島原子力発電所事故は、原子力規制というものが安全神話にとらわれるあまり本当の意味での対策をとってこなかった」
だから、これから発足させる原子力規制委員会は
「「福島の教訓から学ぶ」そういう人選をしなければならない」
「(人選は)電力会社など関係業界からの影響を受けず、公平性に疑いがないこと」


いいこと言ってんじゃん、という気もする。
で。
これは誰の発言かというと、細野豪志(環境大臣/原子力発電所事故収束・再発防止担当大臣/内閣府特命担当大臣(原子力行政))のブログからの引用だ。(http://blog.goo.ne.jp/mhrgh2005/d/20120727
僕は、細野豪志は野田佳彦に次いで、現在の国会議員の中で二番目に嫌いなのだが、このブログの発言だけを読むと、「細野豪志もやっと心を入れ替えたか?」のように見える。

ところがどっこいだ。

細野豪志が規制委員会人事案として出してきた5人は、「原子力ムラ」の人ばっかり。

政府は、「電力会社など関係業界からの影響を受け」ているかどうかについて、過去3年間、同一の原子力事業者から年間50万円以上の報酬を受けたか、を基準としたという。

でもさあ、年間50万円って言えば、年収600万の人でも一ヶ月しっかり働かなくちゃいけない額だよね。
正社員の平均年収は約450万円。派遣やパートならばもっとずっと低い。
年間50万円までという発想にまずは呆れてしまうのだけれど、さらに「特定の一社から」「過去3年に限り」という条件付きだ。
まさにザルである。

こうして細野が出してきた人事案では、

・日本原子力研究所(原研、現・日本原子力研究開発機構=原子力を推進する団体)の元副理事長、
・原子力委員会(原発推進側だけで「勉強会」と称する「秘密会議」を開いて核燃サイクル維持に有利な政策になるよう求めていたことが発覚 http://mainichi.jp/feature/news/20120802ddm001010030000c.html)の元委員長代理、
つまり、「いわゆる原子力ムラの住人の中でも飛び切りの「エリート」と言うべき経歴の持ち主」(河北新報http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/08/20120804s01.htm)、
・福島原発事故が起きた昨年も、「複数の原子力関連企業・団体から報酬約29万円を受け取っていた」(時事通信 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012080200769
そんな田中俊一を委員長とするものである。

田中俊一は福島原発事故後、被災地に入り自ら除染作業を行うことによって「いい人ぶり」をアピールしていたのだが、彼がなぜ除染に熱心なのかというと、それには別の理由がある。

「日経ビジネス」が昨年9月に掲載した田中俊一のインタビューを見よう。(http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110912/222598/?P=1 無料登録が必要だが、田中俊一の本音を知るためだけにも登録の価値はある)

まあ例によって原発推進派の常套句「100ミリシーベルト以下は大丈夫」「放射能を怖がるストレスのほうが問題」などとは相手にしないでおこう。(ちなみに、山下俊一と田中俊一が「ミスター100mSvダブル俊一」)

田中俊一はこう言っている。
「避難している方々は仕事がありません。仕事のない毎日ほどつらいことはありません。除染作業は若干の被ばくを伴いますが、除染を当面の雇用の機会にすべきではないか、と思っています」
つまり、田中俊一は福島の人たちにもっと被曝をさせたいと思っている

「除染よりも汚染された土地を買い取るべき」という意見に対しては
「それは論外ではないでしょうか。公示価格で考えれば買い取りコストは5兆円ぐらいという話を聞いたことがありますが、そんなに安く買い取れるはずがない」

また、環境省が海水浴場における放射性物質濃度の基準として、セシウムは1リットル当たり50ベクレル以下とする案を出してことに対して
「海水浴場で海水を毎日1リットル飲む人がどこにいますか。こういう基準を決めることで、小学校や中学校のプールの除染が難しくなり、除染コストがどれだけ増える(か)考えたことがあるのでしょうか

なおかつ、日本原子力文化振興財団webページでのインタビュー(http://www.jaero.or.jp/data/02topic/fukushima/interview/tanaka_t.html)で言っているのは、
「実際に私たちが除染をしてみますと、国の計算の方式で年間1ミリシーベルトまで下げるということになると、1時間当たりの空間線量が0.22とか、0.23マイクロシーベルトなんですね。ですから、今、私がやっている除染の4分の1とか、5分の1の数値ですね。そこまで下げるというのは、現実には今の段階では不可能だと思います」

(※ここで田中俊一が言う「0.23μSv/h」は、素直に計算すると
0.23×24(時間)×365(日)=2014.8μSv=年間2ミリシーベルト以上
なのだが、田中は「国の計算方式」と言って誤魔化している。
「国の計算方式」とは、素直に計算された数字に0.6を掛けて、放射能被害をことさら小さく見せようとするものである(文科省・経産省などが採用)。
これは、1日のうち外にいるのは1/3だけだとし、屋内にいる16時間については「木造家屋の低減効果係数=0.4」を掛けて計算しているというわけだ。
【一日あたりの線量を「a」として数式化すると
((2/3(16時間/24時間)×0.4))a + ((1/3(8時間/24時間)))a = 0.6a】)

で、「国の計算方式」で矮小化された数値をもとに
「年間5ミリシーベルトくらいでいいのではないか、というのが私の考えです」
と言うのが田中の意見だ。

まとめるとこういうことになる。
「0.22~0.23μSv/h、つまり「国の計算方式」では年間約1mSvだが、素直に計算すると年間約2mSv、まで除染するのは現実的には不可能」
「だから、国の計算方式では年間5ミリシーベルトくらい、つまり素直に計算すると年間10mSvくらいまでは我慢しろ
と田中俊一は言っている。


なぜならば、「除染コストがどれだけ増えるか考えたことがあるのでしょうか」という発言でわかるように、田中俊一にとっては、安全性の確保よりも、賠償コストの増大が心配なのである。

田中本人が賠償コストを請求されているわけではないのに、どうして彼はそんなことを言うのだろうか?
東電を守りたいのか?
あるいは、血税投入に反対なのか?

じつは、どっちも違うのであった。

昨年8月23日の「原子力委員会定例会議」で、田中俊一が正々堂々とこう言うのを聞こう。(内閣府原子力委員会サイト内にある公式議事録 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo38/siryo7.pdf

「この状況のままで今後の原子力の再生は非常にもう、個人の考えですけれども、絶望的です。とにかく何らかの形で除染をしてきちっと行い、避難住民が帰ってこられるような状況をつくり出さない限りはこれからの原子力発電も含めてそういったものはどう政策を進めていいかわからないなということがありましたので、私自身はそういう思いもあります」


要するに田中俊一は、原子力を進めたくて進めたくてどうしようもないのだ。
土地の買い上げとか徹底した除染をすればものすごくお金がかかる。
すると当然、原子力はやめようという方向になる。
田中俊一にとってみれば、そんな事態こそが一番の大問題なのであって、だからこそ彼は福島に除染にも向かう。
「原発が爆発したって、ほ~ら、除染したら住めますよ」という話にして、3.11以前のように原発を推進したいだけ。
つまり、住民のためではなく、原子力推進のために除染に励む、心底根が腐った男なのだ。

こんな田中俊一を筆頭に、
「委員候補の更田豊志・日本原子力研究開発機構副部門長、中村佳代子・日本アイソトープ協会主査、島崎邦彦・地震予知連絡会会長の3人も(原発推進の日本原子力文化)振興財団から講演料を得ている」(東京新聞)という滅茶苦茶な人事案を、田中と同様に根が腐った細野豪志が持ってきて、国会で諮られる。

これが決まってしまったら、ほんとうに大変だ。
「原子力大好き」な連中のやりたい放題になってしまう。

すでに、日弁連(日本弁護士連合会)は、会長声明として人事案の見直しを求めている。(原子力規制委員会委員の人事案の見直しを求める会長声明 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120803_3.html

僕としてもなんとか阻止すべく、みなさんにもなにか行動を起こしてもらいたいと思うのです。
デモに出なくても、ブログに書いたり、Twitter拡散だけでもいいのです。バーや飲み屋で女の子をナンパするための知識自慢でもいいのです。
3.11以後の日本で、どんなにひどいことが起きようとしているのか、ぜひともみんなに知らせてください!

それから、別の話だけれど大阪MBS毎日放送の『たね蒔きジャーナル』打ち切り問題。
3.11以後、一貫して原発のウソを発信し続けたラジオ番組、『たね蒔きジャーナル』が、10月改変で打ち切りの危機に瀕してる。

そのへんの事情については座間宮さんのブログ(http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/)に詳しいので、ぜひそちらを。

いずれにしても『たね蒔き~』といえば、昨年3月4月、政府、東電が「メルトダウンはしていない」と出鱈目を言い続け、ほとんどすべての新聞、放送は御用学者を呼んで大本営発表を垂れ流していた中、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの解説でメルトダウンや最悪の事態の可能性に言及し、その後も現在に至るまで原発の問題点、原子力ムラの犯罪などを鋭く追及している番組だ。

残念ながらMBSの電波は東京までは届かないが、有志が毎日youtubeにアップしてくれ、広く全国に問題提起を続けているとても貴重な番組なのである。
(『小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ』http://hiroakikoide.wordpress.com/ や、『小出裕章(京都大学原子炉実験所)の情報を拡散する会』http://www.facebook.com/hiroaki.koide.info から、youtubeにアップされた小出さんが出演した『たね蒔き~』の放送を聞くことができる。

僕は個人的に小出裕章さんとやりとりをしているのだけれど、小出さんも、昨夜いただいたメールで
「(打ち切りについて)詳しいことは知りませんが、水野アナウンサーを始め、番組担当者たちのしっかりした姿勢は今のマスコミ界で貴重です。番組が存続してほしいと願いますし、私は私にできることをしようと思います」
と語っていた。

放送存続を求める署名サイトも立ち上がった。
http://www.shomei.tv/project-1980.html
http://uzumibi.secret.jp/2012/tanemaki01.htm

と同時に、僕らリスナーとしては、もしも番組が終了してしまうにしても、水野さんをはじめとするたね蒔きスタッフに、「ありがとう」の声を届けなければならないと思う。

そこで、昨夜、緊急サイトを立ち上げた。

ありがとうたね蒔きプロジェクト


みなさんからの『たね蒔き~』への愛や感謝を募り、それをまとめてネットで見られる『寄せ書き色紙』の形にし、さらに印刷して額に入れるとかして、水野さんをはじめとするたね蒔きスタッフや、小出さんのところに届けます。

署名サイト同様に、寄せ書きプロジェクトにも、ぜひひと言を!