国会包囲とMBS『たね蒔きジャーナル』への感謝行動 | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

国会包囲とMBS『たね蒔きジャーナル』への感謝行動

国会包囲はたった3日前のことなのに、ずいぶん昔のような気がする。
これは良い兆候で、子どもの1日は長いがオヤジの1日は短いわけで、長く感じるというのは少しは若返ったのかもしれない。

なので、思い出して書くよ。

29日。
昼間はぜひ会いたかった人とお会いしてちょっとだけ昼ビール。その後、反原発国会包囲網に合流だ。

ものすごい人で、日比谷公園で友達と離ればなれになったり、そんなことをしているうちに国会包囲の開始時間19時になってしまった。
そこで我々は、警察の誘導に従い、地図のAのように歩いて来たのだが、B地点(国会前交差点)で、緑色のCのほうへ行けと言われてしまう。

国会道路規制


この地図(クリックで拡大)のベースは、今回の抗議行動を主催した『首都圏反原発連合』の公式サイトに掲載されている「当日マップ」(http://coalitionagainstnukes.jp/?p=815)。
ここにCの導線は書いていない。
想定されていたのは細青の導線、つまりDのルートであり、人々は国会正門前を通過して議事堂を取り囲むというプランだったのだと思う。

ところが、国会正門前の方向(Dルート)は人が溢れ、身動きできない状況だという。だから、Cに行けというわけだ。
これだけの人がいるのだから仕方ないかなとは思ったのだけれど、最近の総理官邸前抗議行動でいつもそうだったように、言われるままに素直に歩いて行ったら、いつの間にかデモの中心から遠く離れたとんでもないところに連れて行かれる可能性がある。
警察の誘導はデモの分断化だ。C方向に向かっていったら何キロも歩かされた挙げ句、どこにも行き着かないかもしれない。
しかも、そのときにはCルートから人がどんどん引き返してくるところだった。

反原発のデモや集会に参加していつも思うのだが、警察の誘導に従って素直に動いてしまった人たちはどうなったのだろうか?
僕はこれまで抗議行動に参加する際、警察、機動隊の交通規制に対してはさすがに強行突破はしないものの、「デモの中心から遠くへ遠くへ」という警察の意気込みを感じた途端に立ち止まるようにしている。
遠くへ追い出されるなと感じたら、まずは立ち止まる。
そして、「隙あらば最前線」を目指す。
なぜならば、最前線に一人でも多くが集まったほうが、抗議行動としてはより効果的だからだ。

そんなわけでこれまでも僕は、遅く来ても「デモのはずれ付近」にいたことがないのでわからないのだけれど、もしも素直に誘導に従ったが挙げ句、淋しいところに連れてこられた人々が大勢いるとすれば、これは由々しき問題だ。

そもそも、官邸前にしろ国会包囲にしろ、人々を歩道から出さないという警備方針については断固抗議したい。
昨夜もそうだったが、参加者のほとんどは解散時刻となればちゃんと解散するのである。
暴力的に居座ったりする参加者はまずいないのだ。

それをわかっているくせに歩道しか使わせようとしない警察は、混乱や危険を助長しているとしか思えない。
抗議行動はせいぜい2時間なのだから、前後1時間ずつ余裕を見るとして、4時間は公式に車道を解放すれば良いのだ。
警察が抗議行動参加者を無理矢理歩道に押し込めようとすれば、そのぶんだけ余計に国家権力に対する不信が募ると言うことを、彼らはなぜわからないのだろう。

そこで我々は地図のD、つまり国会議事堂正門を目指した。
すると、なんということか!?
国会正門前の車道はすっかり解放されているではないか。

あとから知ったのだけれど、警察は人々をあくまで車道に出さない方針で、下の写真のように、最初は参加者を無理矢理歩道に押し込めていたのである。

過剰な通行規制で歩道はいっぱい

【(cc)Ryuichi HIROKAWA】

何万人もの人々がやってくるのを歩道だけで捌けるわけがない。
そもそも無理のある導線設定だったのだ。
だから、国会前交差点で身動きのできなかった参加者が、いつのまにか車道に出て道路を占拠、解放してくれていたのだった。

こういう感じ。

【(cc)Ryuichi HIROKAWA】

(上の二枚の写真は『DAYS JAPAN』広河隆一さんらによる空撮。http://daysjapanblog.seesaa.net/article/283826713.html

そのときの空撮動画がこれ。
まさに必見である。
撮影したOurPlanetTVのリポーター白石草さんが感嘆の声を上げたように、歴史的出来事が起こった瞬間である。



それから、地上から撮影されたのがこの動画。



つまり、最初に国会前に結集した人たちが車道を解放してくれたので、その後僕らは、国会前のメインステージで抗議の声を上げることができたのだった。

でだ。
せっかくだから僕も、
「7.29反原発国会包囲/国会正門前の抗議行動を3分で追体験できる動画」
を作ったよ。



当日来れなかった人にも、まあこんな感じだったと言うことを知ってほしい。
自分の声が入っているのが恥ずかしいのだけれど、臨場感あったほうがいいかなと。
地図のDコースを進むところから始まっている。

国会包囲のあとは参加した人たち10人くらいと酒を飲み、午前0時頃中目黒に帰ってきて、8月中旬から恵比寿に移転するというという行きつけのバーの、中目での最終営業日だったので顔を出してきた。

中目黒というのは僕が住み始めた四半世紀前には、かなり「東京の田舎」だったのだけれど(川沿いに立ち並んだ零細工場の町だったんだよ)、今やかなり洒落た街のようで、もちろん僕自身はまったく洒落てなんかいないのだけれど、まあ地元だから行きつけの店くらいあるわけだ。
そうするとさ、ミュージシャンとかデザイナーとかアパレルとかスタイリストとかタレントの卵とか、たくさん出会うわけよ。
もっとはっきり言えば、美少女、美男、いい男、綺麗な女性がたくさんいる。
(もちろん、美少女や綺麗な女性は僕のことには関心を持ってくれないが)

で、彼(彼女)ひとりひとりはとても良い人たちなのであるけれど、デモのあとに彼らと会うと、なんというのか妙な違和感を感じるのである。
これはじつは大変重大な問題を孕んでいると思われる。
このことはそのうち、まとまったら書きます。

さて。
国会包囲の前々日、7/27には総理官邸前集会に参加。その翌日の7/28には『ざまあみやがれい』(http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/)管理人の座間宮さんと、9.11開催の反原発関係イベント(まだ内緒)の打ち合わせで会って、そのときいろいろ『たね蒔きジャーナル』打ち切り?についての話を聞き、前回の記事『『たね蒔きジャーナル』打ち切りか?』(http://ameblo.jp/jun-kashima/entry-11314366729.html)をアップしたのだった。

で、7/29は国会包囲で、7/30は『右から考える脱原発』(通称『右デモ』 http://maruta.be/anntokyo1107 : Twitter @anntokyo1107)の集会に合流。
『右デモ』はその名の通り右翼の人たちが主催なのに左翼の人とも共闘している、とは聞いていたのだけれど、実際にハンパない左翼の「××派」(ちょっと組織名は伏せよう)の人がいたりして多いに驚いた。「××派」と右翼の大物が一緒に飲んでいるのである。

反原発に右も左もないというのが『右デモ』の人たちの考え方でもあり、僕もまったく同意見だ。

右翼や左翼というと「怖い」というイメージを持つ人もいるかもしれない。
確かに未だに「怖い右翼」「怖い左翼」もいるだろう。
だが、右だろうが左だろうがマトモな人たちは、政府、電力、原子力ムラの連中は許せないし、いちばんの被害者である福島の人たちのことを思って行動している。
もちろん、組織の論理やイデオロギーではなく、互いに尊重し合いそれぞれの意志で参加しているのだ。
そんな人たちが『右デモ』に結集している。

さらにいえばね、みんなほんとうにいい人たちだ。
今回も、「デモというのには初めて参加した」という女性がいた。考え方は反原発だけどデモは怖いと思っていたらしい。
そりゃそうだよね、女性ひとりで参加するのはきっと怖い。だから彼女は1000万人集会も総理官邸も国会包囲も、これまで一切参加したことはなかったのだが、主催者とTwitterのやりとりをして、(右とか左とかではなく)信頼できそうだから、と参加したらしい。そして夜には、来て良かったと笑顔で帰って行ったのだった。

僕的には反原発のデモや集会で日の丸が揚がると嬉しい。
僕はマルクス主義、アナキスト上がりの非国民である。
それでも日の丸が嬉しいのは、それが「反原発に右も左もない」という我々の闘いの象徴だからだ。
反原発デモで労組の旗やノボリがいくら立っても保守系の政治家はビビらないだろう。
でも、「日の丸掲げて反原発」には、かなりの危機感を持つはずだ。

いずれにしても、我々は共闘していく。
右でも左でもなく、さらにはピラミッド型の組織でもない。

そういえばさあ、昨日、官邸前や国会包囲を主催した首都圏反原発連合の人たちが、管元総理など、国会議員の連中と会談した。
(田中龍作さんのレポート http://tanakaryusaku.jp/2012/08/0004807
でもって、情けなさ過ぎて笑っちゃうんだけどさあ、平岡秀夫・元法務相は、
「皆さんが組織代表委任を受ければ、組織対組織の代表として会うのは可能。(野田に)会いたいのであれば、そういう方法を取ったらどうか。それが日本社会の仕組み」
と言ったらしい。

なんだよ「組織体組織」って?
まさにどこまで行っても「組織に守られた政治家」の想像力の限界である。
絶望的な断絶を感じざるをえない。
今現在行われている反原発行動は決して組織じゃないんだよ、ということをまったくわかっていない。
何万人もの人々が、決して組織動員ではなく毎週永田町に結集しているというのに、なぜそれがわからないのだろう?
爺さん、呆けすぎだ。

それはともかくとして、
『たね蒔きジャーナル』打ち切り?という話を聞いて、29日から『さまあみやがれい』の座間宮さんは大阪入り。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65816988.html : http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65817027.html : http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65817109.html : http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65817126.html
大阪MBS毎日放送に対して、決して抗議や批判ではなく、『たね蒔き~』への愛を伝え番組存続をお願いする旅に出た。
MBSはもちろん最近全国で勃発する「反原発直接行動」を知っているから、昨日7/31にMBS前に人が集まると聞いて、当日はかなり警備を厳重にしたらしい。

だけど、座間宮さんたちは、MBSに抗議に行ったんじゃないんだよ。
「たね蒔き~愛してます!」を言うために集まったのだった。
最後には『たね蒔き~』スタッフ、出演者の方々に贈る感謝と激励の色紙を書いたのである。

で、ネット上では「MBSには行けなかったけれど、私も『たね蒔き~』に感謝の気持ちを色紙に書きたい」という人が続出。
そこでこれは、僕と友達が「オンライン色紙」を立ち上げるぞ。
2~3日中にできるはずなので、また告知しますね。

とはいえ僕の感触では、MBSは本日(8/1)、秋(9月10月~)の番組改変を発表する可能性が高いと思う。
たぶん、番組の打ち切りはかなり濃厚だ。
だけど、思い出してほしいのは、野田佳彦が大飯原発再稼働を勝手に決めたあとこそ、総理官邸前デモにはそれまでを大きく上回る人々が参加したじゃないか。

もちろん官邸前は野田への抗議であり、MBS前集会は『たね蒔き~』への感謝表明だ。だから、全然違う種類の集まりである。
けれど、「なにかが決まってしまったあとに行動する意味はない」ということでは、決してない。
ということを肝に銘じてほしい。
もしも8月で『たね蒔き~』が終了しても、次のクールに復活してもらえばいいのだ。
そのためにも、我々の愛と感謝を、MBS、番組スタッフ、出演者のみなさんには送り続けなければならない。

Googleで「たね蒔きジャーナル 打ち切り」と検索すると僕のブログがトップだったようだ。嬉しいよね。
だからちょっと待ってね。
2~3日中にオンライン色紙を稼働させるから。
8月末に一旦締め切って、それをMBSの人たちや小出裕章さんらに届けようと思う。

僕は残念ながら現地には行けなかったのだけれど、座間宮さんたちの「MBSとたね蒔きのみなさん、ありがとうございます」活動は、朝日と毎日に取材されたそうだ。
朝日の記事がこれ
http://digital.asahi.com/articles/OSK201207310193.html?ref=comkiji_txt_end
ところが朝日はセコくてさ、記事を読もうとすると会員登録しろとかという話になる。
だからキャプチャーしましたよ。
クリックで拡大して読んでくださいね。

朝日新聞が「たね蒔き」存続お願い集会を報じる

まあそんな感じで、老体にはちょっと疲れたこの一週間。
反原発は時間かかるよ。
長距離走に無理は禁物。
みなさん、気楽に楽しく、それでも自分の信念は絶対に曲げずに、闘っていきましょうね。

★  ★  ★

追記だよ。
酔っ払って書いたので(まあこれはいつもだけど)、確認したらなんだかリンク切れとかいろいろあって、直していたら突然ふつふつとこれも書かねばなるまいと怒りがこみ上げてきたのであった。

さっき紹介した田中龍作さんの記事を引用しよう。

平野太一さん(反原連)のアッパーカットが炸裂した。「原子力規制委員会の人事に賛同するのか、しないのか。一人ひとり答えて下さい」。

 民主党議員たちは凍りついた。司会者が「それは止めた方がいい」と制止しようとすると、会場からヤジが飛んだ。「どうして答えられないんだ」「答えてもらわないと民主党の原発隠しが明らかにならない」。

 ヤジに後押しされる格好で、民主党議員たちは渋々答えた。6人中、4人は「党内の議論を見極めたうえで」とかわした。「同意できない」と答えたのは、わずか2人だった。これが政権党の実態だ。原発が再稼働する訳である。


なので僕は、「党内の議論」とか言って逃げた民主党のその4人と、「同意できない」と答えた2人の名前を明かしてくれるよう、田中龍作さんにtweetを送った。
https://twitter.com/jun_kashima/status/230357962084999168

はっきり言って、タチが悪いのがこの4人のような議員だ。
風見鶏、選挙ウケ狙い。
心の底から原発推進を考えている議員であれば、そっちのほうが相手としてまだ議論の余地がある。
だが、「デモの奴らがやってきたから若者たちに自分アピールしよう」というような格好つけ、ナルシスト、票読みすべての中途半端な議員が一番始末に負えない。
要するに、考えなどなにもなく自分に有利なように風向きを伺うだけで、これまでちやほやされてきたもんだから、デモの若造なんか自分が話せばなんとでもなると思って会見に臨んだのだ。
つまり彼らこそ、次の選挙ではまっ先に落選させなければならない連中であるから、
https://twitter.com/jun_kashima/status/230357962084999168
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