『ROCKIN'ON』~原発に反対して、中年オヤジが立てる中指とは? | 語り得ぬものについては沈黙しなければならない。

『ROCKIN'ON』~原発に反対して、中年オヤジが立てる中指とは?

原発問題でこのブログを読んでくれている人も多いみたいですが、今回は原発関係はほぼ書きませんのでスルーしてください。
今夜はロックンロールの話。

さて。

いつも酔っ払って書いているので、この前のブログでは、数字の桁を間違えてしまい、翌日慌てて訂正したのだけれど、その日に限らず僕はいつもブログは書いたら書きっぱなしなので、ちょっと心配になってこの何ヶ月分かのブログを読み返した。

で、思ったのだけれど、ときどきyoutubeから音楽を引っ張ってきているのはだいたいが邦楽だ。
だからなんだか邦楽ファンみたいに思われているかもしれないが、実際は邦楽はほとんど聴かない。

一番多感な高校生の頃の愛読誌は『ROCKIN'ON』と『ビックリハウス』だった。
(『ビックリハウス』を知らない人はWikipediaとかで調べてください。学生時代、僕が生まれて初めて原稿料をいただいたのが、『ビックリハウス』の掌編文学賞「エンピツ賞」受賞後第一作。あと、ずっと前にも書いたけどこのブログの僕のプロフィール写真は、『ビックリハウス』に載ったのをスキャンして緑色に加工したもので、つまりもう30年前のものですよ)

セックス・ピストルズが『Never Mind the Bollocks』(邦題:勝手にしやがれ!!)を出したのが1977年だが、その翌年高校に入学した僕は、『ROCKIN'ON』を読んで、「なるほどロックな生き方とはこういうものなのか」と学んだのであった。
中学校までとりあえず親の言うように受験勉強をして第一志望の私立難関校に合格した15歳の僕は、世界に構造(らしきもの)があること自体知らなかった。
ましてや、それに対して闘う「生き方」があるなんて、考えもしていなかった。
『ROCKIN'ON』がそれを教えてくれたのである。
さらにまた、「ロックを語ること」のカッコよさに、僕はとことん痺れたのであった。

余談になるけれど、2001年に公開された『ALMOST FAMOUS』(邦題:あの頃ペニー・レインと)という映画があって、15歳の少年が『ローリングストーン』誌のライターになる話なのだけれど、泣くね、僕なんかは。
あの頃ペニー・レインと (1枚組) [DVD]/パトリック・フュジット,ケイト・ハドソン,ビリー・クラダップ
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いずれにしても『ROCKIN'ON』を読んだ高校生の僕は、語らなくてはならないと思った。
世界について。自分について。

30年経った今では編集部に知り合いもいるけれど、仕事関係ではなく別のご縁でお会いしたので、仕事の話やロックの話はほとんどしたことがない。
ていうか、もう『ROCKIN'ON』読んでないもんなあ。
70~80年代の『ROCKIN'ON』が何十冊かあったのだけれど、邪魔なので古本屋に持っていったら買い取れないと言われたので捨ててしまったのが何年か前だ。

ここからちょっとだけ原発の話です。

震災以前は知らなかったのだけれど、『ROCKIN'ON』が『SIGHT』という雑誌を出している。
311以後、原発関連の書籍や雑誌を調べまくっていてヒットした。
季刊で、昨年夏(8月)号、秋(11月)号、今年冬(1月)号と、立て続けに原発特集を組んでいる。

SIGHT (サイト) 2011年 08月号 [雑誌]/著者不明
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SIGHT (サイト) 2011年 11月号 [雑誌]/著者不明
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SIGHT (サイト) 2012年 01月号 [雑誌]/著者不明
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さらに、夏号、冬号をまとめた単行本も発売になった。
飯田哲也さん、上杉隆さん、内田樹さん、小出裕章さん、古賀茂明さん、坂本龍一さん、高橋源一郎さん、田中三彦さん、などなど。錚々たる顔ぶれだ。
私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。/飯田 哲也
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「私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。」
これは、秋号特集のタイトルでもある。
まったく、その通りである。

ウソにウソを重ね、この期に及んで「収束した」だの「個人の責任は問わない」だと言っている、政治家、官僚、電力会社、御用学者、腐ったマスコミ、その他原子力ムラの人々は、全員即刻退場していただきたい。
多くの人がそう思っている。
でも、よほどのことがなければ彼らは退場しないし、仮にもし誰かが退場しても、今のシステムのままでは、空いた席に次に座るのもやはり同類なのだ。

蜂を退治しようと思ったら、一匹一匹にスプレーをかけても駄目である。他の蜂が集まってきて逆襲されてしまう。
だから、蜂の巣ごと殲滅しなければならないのだ。
そのときたまたま外にいた蜂も、帰るべき巣を奪ってしまわねばならないのである。

それが要するに、日本を変える、ということだ。

そこまでやらなければ、連中は「空間線量で年間20mSv以下ならば子どもも住んで大丈夫ですよ」と言い続けるであろうし、将来、多くの人が癌になったり小頭症の子どもが産まれても「原発事故との因果関係は証明できない」と、すっ惚けるであろう。
我々が黙っていたら、国も東電も、間違いなくそうする。

国家(システム)というのは、そして企業というのは、原理的にそういうものなのだ。
だからこそ我々は、日本を変えなければならない。

津波の映像を見て、また、福島県で酪農ができなくなり自殺した人が書き残した「原発さえなければ」ということばを見て、僕も泣いたが、多くの人も泣いたと思う。
つまり、このままではいけないのだ。
腐った連中を永久追放するために、日本を変えなければならないのだ。

ここからはまた、音楽の話なので興味のない人はスルーしましょう。

今、若い人たちがロックにどれくらい興味を持っているのか、僕は知らない。
だいたい、ロックの概念自体、時代によって、人によって違うのだ。
たとえば、パンクというのは、「ビートがパンク的」な音楽を指すのではない。
糞の上にゲロを吐いて、ドラッグでいかれて中指を立てながらそこに顔を突っ込み、それを偉い人や威張っている人の顔になすりつけるのがパンクであって、「頑張ろう」とか「絆」とかいうのは、決して、これっぽっちもパンクではない。
わかるかなあ?
これが僕の理解であるから、若い人とはきっと相容れないのだろう。

まあだから僕はもう、歳だからパンクはできない。
泥酔してノーヘル二人乗りの原チャリでおまわりから逃げ回るような体力はもうないのだ。

でも、『ROCKIN'ON』が反原発、脱原発を全面に押し出すのを読むと、これがやはり、「オトナのロックンロール」なのだと思うのである。
「Fuck You! Fuck Me!」と中指は立てながらも、それはコートの襟の中に隠す。笑顔を見せながら。しかし、立てた中指は、決して降ろさない。
若者のような無謀はできないが、その代わり中年の知恵がある。
どうやったら奴らをぶっ潰せるのか、冷静に考えることができる。
たぶん渋谷陽一さんは、それをきちんとやりたいのだと思う。

もちろん僕だって、そんなオヤジでありたいし、30年後に再会した『ROCKIN'ON』が、まだまだこっそりコートの襟の中で中指を立てていることを、とても嬉しく思うのであった。

ええと。
昨夜は新宿のロックバーにいた。
隣の人と話すにも耳元で怒鳴らなければならないような「正統な」ロックバーである。
週末なんかは外国人が踊り狂っていたりするが、昨夜はすいていたので好き勝手にリクエストした。

U2は、Beatles「Helter Skelter」のカバー。
Jon Spencer Blues Explosionや、Red Hot Chili Peppers、REEFなどの90年代の名曲。
90年代と言えば、僕的にはkula shaker。「Hush」はDeep Purpleよりこっちのほうが好き。
あと、Lenny Kravitzの「Rock And Roll Is Dead」とか。
古いところでは、King Crimsonの「21st Century Schizoid man」。これは超大音量にしたいので家ではなかなか聴けない。
そのほか、Led Zeppelin、DOORS、R.E.M、Iggy Pop、Radiohead、などなど。

まあ要するに、当時売れた曲ばっかなんだけれど、それでも今売れてる曲よりはなんだかずっと力があるような気がする。これは俺がオヤジだからか?

3曲だけピックアップして、あとは羅列します。

「マイウエイ」だ。
まあいいから聴いてくれ。



次。
Rage Against the Machineは、米国の反米ロックンロールバンドだ。
戦争が大好きな国、米国でずっと反戦を貫いたバンドである。
911以後、テロ国家米国は自分がテロでやられて急激なポピュリズム排外主義が吹き荒れたが、そんなときにラジオではRage Against the Machineの音楽は全曲放送自粛になったという。
それだけ素晴らしいバンドなのだ。
日本で言えば、忌野清志郎の反原発ソングは当時、放送できなかった。でも、清志郎は歌い続けた。といえばわかりやすいだろうか?

そんなRage Against The Machineのデビューアルバムの一曲目、「Bombtrack」。



さて。
Rage Against The MachineのTom Morelloはアフリカ系アメリカ人で、NYハーレムの生まれながらハーバード大学を主席で卒業した天才である。
ほんとうに頭の良い人というのは、人間の頭の良さがいかに危険なのかと言うことをよくわかっている。
アインシュタインはラッセルとともに核兵器廃絶を訴えたラッセル=アインシュタイン宣言を出したし、哲学者のカントは(僕の解釈では)、自らの哲学(論理的帰結の土台)を捨ててでも『永遠平和のために』を著した。

僕のような凡人は、「人はひとつひとつ積み重ねて何かを知るのだ」と思ってしまうのだが、たぶん天才にとってはそれは違うのだろう。
我々凡人が知り得ないような地平まで、積み重ねるまでもなく洞察して、だからこそ、「理論を超えた理想」を、敢えて語るのだ。
たぶんTom Morelloも、そういった天才のひとりかと思う。

で、Tom Morelloは、昨年の反・ウォール街デモなどにも応援に駆けつけたりしているわけだけれど、そんな彼のソロ。
名曲です。

Tom Morello(THE NIGHTWATCHMAN)『Road I Must Travel』


まああとはさっき書いたうちの何曲か並べます。
興味のある方はどうぞ。

21世紀の精神異常者(キングクリムゾン)



HUSH(クーラ・シェイカー)


ヘルタースケルター(U2)


ロックンロール イズ デッド (レニー・クラビッツ)

★申し訳ないのだけれど、12時間飲んでいてかなり酔っているので、アップする動画を間違えて差し替えたりしているので、RSSとかの人にはご迷惑をおかけしています。
ごめんなさい。
まだ差し替えるかもしれませんが…