STAY | 娘と私とftisland

娘と私とftisland

娘が聞いてたftislandを一緒に聞くようになり、みるみるその魅力にトリコになりました。情報はありません。基本レポと時々娘の青春記録。

私は彼の親友の彼女という立場だったから

彼と彼女のことは最初から最後まで見守ってきた。


彼はギリシア彫刻のような端正な顔立ちで

バンドの中でも一番女の子に人気があって

彼の周りはいつも女の子が取り巻いていた。


でも、彼はホントに真面目で練習熱心で

夜通し練習して明け方帰り道

どっかでバッタ~ン!!って音がして驚いたら、自分が眠って倒れてた。

なんて

嘘みたいな話

まあ、バンドマンはみんな似たり寄ったりで

お風呂と寝ている時以外は

ご飯食べる時もおしゃべりしてる時もずっと楽器抱えているようなヤツばっかりだたけど。


そんな彼が彼女に恋をした。

ひとつ年上の

お嬢様って言葉がぴったりの楚々とした美しい人

ライブハウスの一番後ろにひっそりと立って

私は音楽のことは何もわからないけれどって

彼を見つめる横顔がとても綺麗で

私は時々うっとりしながら彼女を見ていたりした。

わたしの友達は何人も彼に失恋しちゃったけど

それでも、みんな彼のギターの音が色っぽくなったから許すなんて言ってた。


彼女の就職が決まってしばらくして

彼は私たちのところにやってきて

彼女のお父さんに会ったんだって、

ぽつりと言って

私が帰ってから男同士で一晩話をしていたらしい。

朝いつものようにスタジオに行くと

二人とも真っ赤な目をしてセッションしてた。



一度だけ彼女の泣いている顔を見た。

その晩もずっとスタジオの電気がついていた。



彼女が結婚したこと彼から聞いたのは

それからしばらくしてから

古い映画の題名言って

結婚式の途中で奪っていきたかったなって冗談ぽく。



いつしか彼はテレビの向こう側でギターを弾いている人になり

私たちの結婚式も仕事で来られなかった

そのあとかかってきた電話で

二人は幸せになってほしいって声が潤んでた。


そして私たちは平凡な夫婦になり

彼を徐々に忘れていった。



昨日何かのニュースで彼が結婚したことを知った。



相手の名前は彼女と同じだったけど

それは偶然なのか

それともあの彼女なのか私は知らない


それでも


彼が幸せなら…と願う。