さて、Pal's Sharer 第13回公演「ふたつ衣の森に棲む」を、計4回、観劇してきまして。
今回はパルシェ初のファンタジー作品ということで、正直、期待と不安半々な気持ちで、劇場へ。
結論から言うと、過去のパルシェの中でも、トップクラスに好きな作品だったと思ってる。
「魔法遺跡シリーズ」というファンタジー小説の作家を取り巻く人間と、実在した「魔法遺跡」の登場人物。
実は「魔法遺跡シリーズ」は、異世界から突如やってきた「リューン」達の実話を、作者「エルゼ=マリア・クローバー」が本として書き起こしたお話だった。
なるほど、なんていうか、物凄く心くすぐられるお話。
正直、一回目を見たときは、あまりピンとこなかった。というか、頭が追いつかなかった。
映画や舞台を見る時、さらっと流し見できず、どうしてもその話の裏側だとか背景だとか、そういうものを考えながら見てしまう性格のせいか、
「あれはどうだったんだ?」「あそこはどうしてあーなったんだ?」というのが、理解が追いつかない部分が多少あった。
「魔法遺跡シリーズ」という完全オリジナルの物語がある前提での話なので、どうしても「魔法遺跡」の用語や内容に自分の中で不備が出来てしまった為に、
1回観るだけでは自分の中でストンと落ちなかったんだろうなと。
で、2回目を観る。少なからず人間関係やある程度の用語の基礎知識である中で観ていくと、面白さが段違いに膨れ上がっていく作品だった。
2日目、劇場で今回の台本を購入し、それを読んでから3回目、4回目と観ていくと、もうこれが大好物という確信に変わった。
「ふたつ衣の森に棲む」というタイトルの深さ。
一般的な現実世界と魔法遺跡の世界が繋がった、エルゼ=マリアの小屋。
魔法遺跡の世界で生まれ、現実世界に辿り着き生きたエルゼ=マリア。
更に言うなら、劇場という場所すら、そこに含まれてるんじゃないかという気までしてくる。
「アー・ファーンムは世界を3とすることを忘れなかった」という設定がたまらなく好き。
台本に設定が結構書いてあるので、それを読んでからもっとたくさんの人に観てほしいなと、今更ながらに思ってしまう。
リューンのピアスに実はちゃんと意味があったりだとか、朗読シーンをしっかり文字で読み込むと、ラ・ツェ・ツィーリアの過去の悲惨さがより感情移入できたりとか。
どうしても一見ではすべてに気づけないだろうから、ぜひ台本読んだ後に2回観てほしいお話だった。
あ、あかんな、ここまで全部お芝居じゃなくてお話の感想になってる。
お芝居の感想を書こう。
今回、女優の皆さまのお芝居、そして舞台装置や音響、照明、とにかく全部に、いつも以上のこだわりと気合を感じました。
ストーブに滅びの剣が浄化されていくやつ、中身観てないけど、恐らく柱とレンガの壁紙の間にゴニョゴニョ、だよね?
面白い工夫で、見事に場面を演出されていました。驚いた。
バトルシーンのアクションは、ちょっとパルシェだとは思えないぐらいの本格派で、振付のおどるなつこさん、そして森さんのこだわりがたっぷり詰まっていたんだろうなと。
それにしても、あれを演じきった尾方さん、美香さん、福岡さん、鬼頭さん、本当にお疲れ様でした。
尾方さんが「アザだらけになった」って言ってたけど、そりゃそうだよね……。
個人的に一番印象に残ったシーンは、滅びの剣が浄化されるシーンかな。
リューンの竪琴と、青い照明が凄くさわやかだった。各演者さんたちの表情も、凄く印象的。
折り込みアンケにはバトルシーンて書いちゃったけどw
今でも気になってるのはラストシーン。
エルゼ=マリアが扉に消えていく姿を、ハッとした表情で見つめ笑顔を浮かべる結菜。
まるで、そのままエルゼ=マリアが向こうの世界に行ってしまうかのようなシーンだった。
物語の流れ的に、恐らくまだそれは先のことなんだろうけど、あのシーンにはどういう意図があったんだろう?
物凄く気になる。
それにしても、里真ちゃんは、篠原さんの本にとても合っているなぁ。
いつも思うが、少女漫画の主人公みたいな、繊細さ、儚さがある。
多分そこが相性いいんだろうな。パルシェの基本色みたいになっている。
なお、舞台を降りるとおそろs(略
他の方の感想を観ると、やっぱりパルシェらしいという意見が多いんだけど、今回、個人的にはすごく冒険してるなぁと思った。
パルシェらしい部分はあるけど、これまでにない新しいことにチャレンジしている、というか。
パルシェの新しい味を観た。
さ、て。
長々書いてきたが、次回公演は未定だそうで。
マジで、未定だそうで。
つまり、来年なのか再来年なのかその先か、誰にもわからないということで。
と、まぁ、何だかんだ言っても、恐らく早くて来年冬~再来年夏か秋ぐらいの間に、次回公演があるんじゃないかなーと、前向きな予想を立てているのでした。
13年目にして、また新たな扉を開けたPal's Sharer。
これから先が、改めて楽しみで仕方ない。
いつまで観ていられるかな。
いつまでも、終わるまで、観ていたい。
この頃、本当にそう思います。