※【ネタバレ注意報】※
ネタバレには気をつけているつもりですが、読んでくださる方はご注意願います。
本屋大賞に選ばれたのは知っていましたが、最近映画化もされたようで。
「おもしろいらしい」ということも聞いたので、読んでみました。
『告白』 著:湊 かなえ
自身が担任として受け持っている生徒に娘を殺された教師のお話。
この事件の内容と担任教師による復讐を、当事者を含む何人かの視点で描かれているという作品です。
生徒に娘を殺され、これに対しての復讐を行う。
これは松たか子さんにはうってつけの役だと思います。
映画も観たいかも…と思いました。
ネタバレになってしまいますので、あまり多くは語らないようにしたいと思いますけれど。
この本は全部で六章構成になっておりまして。
一章は、この担任教師の終業式での語りのような感じになっています。
ある事件が原因で、教職を辞めることになってしまったこと。
その事件の内容について。
これに対する復讐について。
淡々と語ります。
感情がこもっていないようでもあり、時には針で刺すような物言いであったり。
二章は、休みを挟んで次の学期が終わったという時間軸に移り、このクラスの学級委員長の回想という視点で描かれます。
少々クセのある新しい担任教師と、告白後のクラスについて。
退職後、行方が分からなくなった前担任に宛てた手紙のような形で語られます。
ここで、クラスでは第二の事件が起こってしまいます。
三章は、二章で新たに起こってしまった事件を受けて、当事者の家族の視点で描かれます。
偏った愛情というんですか。
日記の形式で語られます。
四章と五章は、前担任教師の娘を殺した生徒の視点で。
六章は、五章の続きという形で再び前担任教師の視点で語られます。
読んだ感想としてはですね。
まず全体的には、なかなか読み応えがありました。
それでいて読みやすく、一気に最後まで読んでしまった印象です。
内容については。
不思議なもんですね。
いくつか視点が変わるのですが。
章によって心理がころころ変わるんです。
まず一章では。
もし、もし僕が同じ状況に陥ったとして。
僕だったらどうするか、とか。
二章では、このクセのある新しい担任教師に苛立ち。
三章では、なにも分かっていない家族に憤り。
四章と五章では、生徒の感性に腹が立つとともに、これが今の若い子の通常の感覚だとしたら…と恐怖し。
六章では、突き放したようなクライマックスに考えさせられると。
かなり面白かったです。
著者の掌の上で転がされた気分ですけれど。(・ε・)
…さて。
結局、これは最後どうなったんでしょうかね。
読まれた方、もしくは映画をご覧になった方(映画がどこまで画にしたのかは知りませんが)だけに分かるような表現にすると。
(以下、ネタバレになる可能性があります)
やったんだかやってないんだか、という話です。
結果までは明らかにされませんでしたが。
僕はやってないんじゃないかと思います。
少年にとっては、やってもやらなくても同じ。
むしろ、やってないほうが痛いんじゃないですかね。
失敗させたうえで、何のひねりもない手口の罪で地味に捕まって。
大切な人は来てくれない、という。
これで充分なのかどうかは分かりませんけれど。
考えさせられるラストです。
面白かったです。
映画、観に行こうかなぁ。