中継その159 完敗 | 恋愛実況中継

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行き場を失ってしまった沢山の言葉の墓場です。

笑って下さい。恋するものはいつも愚かで悲しいのです。

 私たちの立場が逆転したのは


最初の危機の時だった。


余りに心を閉ざす彼に、


「そんな事ならもうメールの返事は入りません!」


と言い出したのは私だったのに、


彼が「じゃぁさようなら」と言い出すものだから、


一週間の後に、私から


「言いたく無い事は言わなくてもいいよ」


「元カノが依りを戻したいと言ったらそれでもいいよ」


なんて言ってしまってから、だ。


「ありがとう」ってメールが来て、あっさり元サヤ。


でも以来私たちの関係は常に私が下。


年下の彼の我儘を聞いて、甘やかして。


彼が逢いたい時だけ私が逢いに行くという


パターンが出来上がり。


それでも、この夏当りから私の不満も爆発してきて、


たまに不満をぶつけるも、いつも私が謝って終わり。


彼は最終的には一歩も譲らず、引かず。


それでも、彼が好きで、あきらめられなくて。


負けて、負けて、負け続けた。


彼からの気まぐれなメールを待つ余り


不眠症を再発し、食欲を失くし、


体重は今や、体温並。


それでも、


「僕は痩せた人が好き」と言われれば、


もう消えてなくなってもよいとさえ思った。


好きで、好きで、何一つ与えて貰えなくても、


それでも思い切れなかった。


最後は、自分の分身だった一番大切な物まで


彼に渡してしまった。


彼はあれを棄てるのか。


ヤフオクで売るのか。


最後まで、一度として勝てない恋だった。


愛しても、愛しても、届かなかった。