私は普段あまり羨ましいと思うことがない

年齢的にそう思うことが減ったのかもしれない

だけど 唯一とてもとても羨ましいものがある

 

アルコール飲料のCMだ

 

お酒とそれに合うおつまみを買って家路を急ぐ

そして待ちに待った時間を迎えてお酒を開けてゴクリ・・・というCM

 

ちなみに私は私生活では一切お酒を飲まない

だからお酒が羨ましいのではない

そのCMの出演者が住んでいるのが皆 眺めの良い部屋なのだ

団地のような部屋で窓からは広い空と眼下に広がる街が見えたり

時には花火とか 夕暮れとか 考えるだけでたまらなく羨ましい

一戸建てに住んでいる我が家では見られない景色 引っ越したいとさえ思う

たったそれだけのために たったそれだけ、ではない魅力がある

 

自分でもなぜこんなにも心が揺さぶられるのかよくわからない

せめて自宅の2階がリビングだったら、少しは満たされたのだろうか

いや 違う やっぱり求めているものと違う

 

初夏に 埋立地のホテルから見た眺めに心打たれまくった私は

見下ろす眺めが ちょっと高みの見物が 好きらしい

あと空を眺めるのが好き 空は飽きない

 

いつの頃からか 自然が好きだと自覚するようになった

物質的な世界に住む人間として 何か物質的な充足が自分を満たすとずっと思っていた

ある時 結局自然の中にいることが一番の心の充足だと気がついた

物質的なものでは満たせない何かがあるみたいだけれど 深く考えてはいなかった

 

それからしばらく経ち 長女の不登校をきっかけに

ある支援センターに通っていた時のこと

そこでは 親をケアするようなセミナーがあって参加していた

そのセミナーで「あなたの望みは何ですか?」のようなテーマがあった

そのころの私は子どものことでとにかく悩んでいたので 自分の望みと言われても

「子どもが・・・になりますように」みたいな望みしか浮かばなかった

でもそれは 私の望みではない・・・私はどうしたいんだろう?

自分のことなんて考えることがなかったので 頭が混乱した その時

「地球ともっと仲良くなりたい!」

と浮かんだ 自分で自分にびっくりした

そのころはまだ自然の波動の高さや 地球の素晴らしさに気がついていなくて

なんて幼稚な発想なんだ・・・と自分を恥じた

もっと社会貢献とか 起業とか そういうのが良いと思っていた

そもそも いいも悪いもないのに 何も知らなかった当時の私

だけど ネットで調べたら あながちへんてこりんな発想ではないんだとわかった

今思えば直感が降りてきたんだろうな

 

それからしばらくはMy Little Loverの「白いカイト」がリピート状態になった

ミュージックビデオが海の波打ち際ではしゃぐ ただそれだけの映像だったから

そして「まるで地球と話をしてるみたいさ」という歌詞があるからだった

 

今は 地球に、自然に癒される心地よさをよくわかっている

包まれる安心感は何にも変え難い 心の充電になる

 

団地のような部屋からベランダに出て夕暮れや夜景を眺めながらお酒を飲む

あれがたまらなく羨ましいんだけど

これ 高層階からの眺めは全く興味がない

やっぱり 風を感じて 大きな空に抱かれながら 街並みを眺めて

人々の暮らしをちょっとだけ感じる あれがいいのかなぁ

 

自己分析はまだまだ続く