仕事が忙しくて回らない私の様子を見て、上司が、

その時抱えていたボリュームのある単純作業を隣の人に振ったら?と言った。


このバタバタした時期に、彼女は手すきなのだと言う。

正直、色々と面倒な人なので、う~ん…と思ったが、背に腹は変えられん、頼んでみることにした。


指示をしようと彼女のpcのマウスを掴むと、やれ、腕を伸ばした私の様子が可笑しいと嗤い、設定が済んで無かった箇所を見つけて嘲るように嗤った。

いちいち構っていられないので、相手にせず説明を進める。


でもこの時、彼女の嗤い声を聴きながら、この人はただの気の効かない、おおらかな人なのではなくて、私の事を下に見ていたのだと悟った。


今の職場は語学力が必要なのだが、私は会話が苦手だ。幸い仕事はほぼメールかチャットなので、会話の苦手な私でも何とかやって行ける。彼女は会話が得意だ。


また以前雑談で、私より少し上の先輩が老化による身体の不調を話していた時、彼女が私は調子が良すぎるんですよとまるで配慮の無い発言をしていて驚いた事があった。その先輩も会話は苦手である。


彼女の無神経さに驚いて、おおらかに育った人なのだろうと気持ちを落ち着けようとしてきたが、彼女は、会話が苦手で、年齢がいった私達を下に見ていたのかも知れない。


仕事を干され陰口を叩かれている彼女を見て、年長者として胸が痛む事もあったので、もっと勉強した方が良いよ、先輩には頭を下げて教えて貰った方が良いよとアドバイスしようかと思っていたが、彼女の耳は私の方へは開いていないようだった。


おおらかな人と大目に見て我慢して堪えてきたが、この先はもう我慢しない。

彼女と関わらない言い訳が出来てちょっとほっとした。直属の部下ではないし、指導する義理もない。


PC作業は余りに単純なので間違いは無かったが、一緒に頼んだ書類の処理はひどい出来で、全てやり直しとなった。

干されている理由が解った気がした。


そんな事より、馬鹿にされた悔しさをバネに、英会話の習得にもっと邁進しようと思った。