私と同世代のアイドルがテレビに映って居るのを見ると、(お互いに)歳を取ったなあ…と思う。

最近のハイビジョンテレビは残酷だ。
シワの一本、毛穴の一つ一つまで克明に映し出す。

奇跡の美魔女と言われたある女性アイドルが頬をパンパンに張らせてテレビに映っていた。
ヒアルロン酸?を打ったらしい。

彼女達は顔が商売道具だ。
毎日のようにあちこちから容赦なく眺められるのが仕事なら、藁をもすがる思いだったのではないか。
憐れに思いこそすれ、非難する気にはなれない。

ただ、ちょっと前に彼女をテレビで見た時、肌は歳なりにシワが寄ってはいたが、若々しいヘアスタイルや服装は彼女のキャラクターに似合っていたし、魅力的だと思った。
そのままで充分に美しかったのに…。

ある蕎麦屋の女将さんに、美しい人がいた。
私よりも10歳?は上だったろうか。
口数は多くなかったが、人柄が良いのだろう。
彼女のお陰か、女一人で入っても居心地の良い店だった。

何かの拍子に一言二言、彼女と会話を交わした。
額にいく筋かのシワがあった。
しかし、それらが目に入らないほど、彼女の潤んだ瞳には、憂いと優しさが溢れ出ていた。

私の出会った美しい歳上の女性は皆、澄んだ瞳を持っていた。

歳と共に肌は、シワが寄り、弛み、シミが出来くすんでゆく。
それらと何とか折り合いを付けて、瞳を曇らせないように生きて行きたいものだ。