【映画評】『テルマエ・ロマエ』2012年/日本 | Jump Start Blog

【映画評】『テルマエ・ロマエ』2012年/日本

映画から遠ざかっていましたが、
周囲のセンスの良い人たちの高評価を耳にし映画館へ。
ちなみに原作であるマンガの方は読んでおりません。

この映画は間違いなく「アタリ」でした。
ここ数年の邦画にありがちだった、演技力のないアイドルの主演、
ハリウッド映画の劣化版のようなCG、そして何よりストーリーの浅さ。
上記のような"ガッカリ感"がなく、映画の世界に入り込めた久々の作品でした。

ローマの世界で日本人俳優阿部寛がローマ人として"日本語"で話しているのに、
そこを違和感にさせない設定に対する細かな配慮。
一方で、タイムスリップの際の"やっちゃった感"満載のCGの演出も含めて、
武内英樹監督のセンス、バランス感覚はとても新鮮でした。

特に私にとって、笑いのセンスが秀逸で、観ていてある種の安心感がありました。
過度の演出に頼った「強引に笑わせよう」という感覚ではなく、
笑いの背景に文化に対する経緯と、登場人物に対する深い洞察を感じました。

また、この作品では、上戸彩がヒロイン役として出演しますが、
恋愛成就のシーンやラブシーンを練り込まなかったのは、
この作品に関しては、正解だと私は感じております。

温泉や銭湯に行きたくなった人。
ローマの歴史に興味を持った人。
日本の大衆文化をもっと調べてみようと思った人。
この映画を観て、何か関心が芽生えた人が多かったのではないでしょうか。
かくいう私も、映画を観終わった後はローマの歴史をWikipediaで調べながら
高校時代は苦手教科だった世界史の世界に没頭しました。

おそらく話の流れから考えても、今作の興行成績から考えても、
続編が出ることが予想されますが、周囲の期待がさらに上がるだけに
制作側にとってはかなりのチャレンジになると思います。
良い意味で私たち鑑賞者を裏切って欲しいと、応援する次第です。

いずれにせよ、今作は邦画の歴史に残る素晴しい映画でした。
原作のマンガの方も面白いとのことなので、時間を作って拝読してみます。

桑畑タケル

$Jump Start Blog-テルマエ・ロマエ