『電車のこと』
副都心線という路線が東京にある。池袋の方から新宿方面、渋谷を越えてのびる地下鉄である。
ふ…、副都心線?
「都心線」という路線は存在しないのに「副都心線」は存在するのだ。これはおかしい。軸になる「都心線」がないのに「副都心線」があるというのは、「委員長」がいないのに「副委員長」がいるようなものである。一体何が副なんだ。何の副なんだよ。都心線があって初めて副都心線が生まれるのでは?謎だ…。
そして電車といえば、駅員さんはいつもすごく謝っているきがする。駅員さんは何も悪いことをしてないのに謝っているのだ。雨や風で電車が遅れたとき、遅れて申し訳ございませんって謝る。駅員さんが雨や風をおこしたわけではないのに…。電車が混み合う時間のとき、大変混雑して申し訳ありませんって謝る。駅員さんがエキストラを大量導入して車内をぎゅうぎゅうにしてるわけじゃないのに…。「お急ぎのところ、電車が遅れまして大変申し訳ありません」のセリフが1番好きだ。お仕事で忙しいですよね、急いでるのに遅れてしまって、頑張るあなたの足を引っ張ることになってしまってごめんね…というニュアンスを感じるのだ。うぅ、なんて優しいんだ…。そんなふうに謝られたら、もう何も言えないじゃない。悪くない…駅員さんは何も悪くないよ…謝ることないよ、と思ってしまう。なんなら、謝らせてしまってなんかごめん…とまで思う。
わたしは電車が遅れてこのアナウンスが流れるとキュンとしてしまう。そして心の中で「全然いいよ!!!!」と大きく返事をするのである。