
学校法人「森友学園」(大阪市)が国や大阪府などの補助金を不正受給したとされる事件で、大阪地検特捜部は31日、前理事長の籠池(かごいけ)泰典容疑者(64)と妻の諄子(じゅんこ)容疑者(60)を補助金適正化法違反容疑で逮捕した。
籠池容疑者は、2016年3月、大阪府豊中市に開校を目指していた小学校の建設で、実際より高い金額が記載された工事請負契約書を国に提出し、木材を使った先進的な建築に対して支給される国の補助金計約5600万円を不正受給した疑いで告発されていた。
この問題では、学園が同じ日付で工事費が「7億5600万円」「15億5500万円」「23億8400万円」と異なる3種類の契約書を作成していたことが判明。国には、このうち「23億円」の契約書が提出されていた。
学園は今年3月、小学校の開校を断念し、補助金は全額返還されている。
籠池容疑者はこれまでの取材に「(補助金の申請は)設計会社が主導した。悪いことをした認識はない」などと話していた。