20××年― 5月16日 ―
2人も小学校に入学して1ヶ月が過ぎた。
この頃になると、やっぱり友達が大分できてくる訳で・・・。
架音は、麻里以外の友だちと。
麻里は架音以外の友だちと。と、別々の友達といることが多くなった。
そんな中、事件が起こってしまった。
学校の下校途中、2人が喧嘩をしてしまったのだ。
内容は『最近ずっと別々の友達とばかりで、しかもお互いに遊びに誘わない』という内容だった。
「まりはなんであそぶときわたしもさそってくれないの?!」
「そういう、かのんもじゃん!!!」
「もう、まりとはあそばない!!」
そんな風に言ってお互い別々の道を走った。
麻里はいつもの道を走って行き、架音は全くの反対方向…行ったことのない道を無我夢中で走ったのだ。
そのあと麻里は無事に家についたが、架音は夕方になっても家に帰っていなかった。架音の両親は、心配になり、麻里の家に電話をかけた。
麻里の両親はそれを聞き、麻里に事情を聞いた。全て話した麻里は一目散に玄関に行き、靴を履いてその小さな体で玄関を飛び出して走りだした。
もちろん、向かう先は架音の所。
麻里!!!と呼ぶ両親の声を無視してさっき架音と喧嘩した場所へと向かった。
いつも彼女たちが帰る道の反対方向は麻里の新しい友だちの『星那(せな)』の家があるのだ。
麻里は星那の家の前まで来ると、インターホンを押した。
「はーい!ってまりちゃん?!どうしたの?」
「せなちゃん…。かのんしらない?」
「かのんちゃん??んーんしらないよ?ママとパパにも聞いてみるね!」
「せなちゃん、ありがとう。」
星那がリビングらしきところに行って少しして、また星那が戻ってきた。
「まりちゃん、ごめんね。ママとパパもしらないって。」
「そっか。ありがとう。」
麻里はその後も架音を探し続けた。
ずっと『かのん!どこー!!!』と声を上げて。
その頃、架音は知らない場所にいて、近くにあった公園の中にある遊具の下にいた。
「かのん!どこー!!!」
「まりのこえ…?」
「かのん!いるならでてきてよー!」
麻里の声が公園に入ってきたことにより、架音は遊具の下からでて、麻里の元に向かった。
「まりー!」
「かのん!みつけた!!」
「「さっきはごめんね…」」
「さあ、かえろう?かのんのママもパパもしんぱいしてたよ?」
「うん!」
麻里と架音は仲直りして、手をつないで帰った。
家に帰ると、パトカーらしき車が止まっていて、中に入ると案の定、警察官がいてそれに気付いた警察官が架音の両親を呼んだ。
急いで出てきたお母さんに架音は抱きついた。
警察官が帰ったあと、架音はみっちり怒られたのだった。