6月29日(土)。山口市の金光酒造さんの地酒、「純米吟醸 山頭火」を呑む。山頭火は、明治初期の生まれ。酒蔵のボンボンで、山口市の今の防府で明治末期から大正初期にかけて酒造業を手伝い、その作風は、泥酔系俳人と言って良い。まさに、大伴旅人、藤原麻呂系。唐人であれば李白の系列で、頭は及ばないけれど、人生観として私の目指す文化人だ。その純米吟醸は、防長産の山田錦を55%に精米して醸した純米吟醸。1,550円(税込)だ。


今夜の〆は、山口名産「瓦そば」にしたいと思っている。今日は、牛肉をいためて添えた。載せるよりも、それぞれ味わえるのが佳いと思う。


山頭火の生い立ち、酒蔵で学び、それが生涯の「呑んで詠んで」になった伏線が描かれている。自ら蔵人として活躍したのは、この蔵の防府工場だったのだそう。泥酔系俳人のルーツが防府にあったのだなぁ、と思う。自分も泥酔系サラリーマンで、酒のつまみを加工しているうちに台所の床で爆睡してしまい、笛吹キャトルのけたたましい鳴動で我に帰るということが、まれにある。脳溢血なら諦めもつくけれど、天ぷら油火災なんぞで犬死にしなければいいなと思う。


こちらがスペック。「55%精米」というスペックから都会人が思い描く質感とはちょっと異なるのかなと思う。まずは、色味が黄色い。普通純米クラスの色調で、これはむしろ、無理に活性炭濾過していないのだなと思い、好感も持てる。そして、味わい。やや古風ながら、旨味と酸味のバランスが良い。「昔のオヤジが好んだ、ちょっといい酒、旨い酒」という感じかな。


まずは、蒸し茄子。カツオ醤油をかけて前菜に。山頭火のアテに良いな。


お次は、これも山口らしく、炒り豆腐と根菜の炒め物。これを肴に、山頭火を呑む。少し濃いめの味付けで、古風な味わいの純米吟醸酒に合わせる。この組み合わせもいいな。


そして、山口の地酒には、練り物を合わせる。今日のメインは、タコ20%含有の「たこかま」。7月1日の半夏生、も近いので、タコのもので、酒を呑もうと思う。山口県といえば、長門仙崎のかまぼこ、宇部の蒲鉾のほか、ちくわも有名。そして、下関の林兼産業さんの「黒豚入りソーセージ 島とうがらし味」。このピリ辛味は、ビール向きではあるけれど、酒のアテには最適だ。


最後に、瓦そば。茶そばを炒め、牛ロース肉をいためて添える。牛肉の脂が強いので、そばつゆには、レモン果汁を半分くらい入れる。この牛肉レモン味やら、炒め茶そばやらをアテに、山頭火を呑む。


これは、旨い。純米吟醸 山頭火が進む。

食後の甘味は、山口県柳井市、あさひ製菓さんの「月でひろった卵」。今日は、その「瀬戸内レモン」味。夏は、レモン味だな。今日は、コーヒー マンデリンで、お酒をうすめがてら頂きました。