6月21日(金)。今夜は、山口県岩国市(平成の大合併でこうなってしまったけれど、もと郡部の周東町って、岩徳線の周防高森駅、なんですよね。市町村合併、嫌い)の、旭酒造さんの地酒「獺祭 純米大吟醸45」を呑む。獺祭は、30年くらい前に、「安くてハイスペックな酒がある」と発見して、仲間で23%精米(当時は最高精米歩合)などを呑んでいたけれど、その後、コスパに勘づいた居酒屋が買い占めて入手困難になり、そうはいっても、関西で手に入るようになった頃に、京都伊勢丹などで買ってよくリピートしたお酒。今は、東京でも普通に買えるので、逆にあまり呑まなくなったな。)税込2,183円で、そもそもコスパの良い大吟醸なのに、これも、山口県の商工予算で550円引き。ありがたや。


山口の地酒だもの、やはり、鯨のベーコン、ですかねぇ。ふくの刺身が良いのだけれど、予算の関係で、こちら。獺祭は、コメントは要らない酒だ。いつ呑んでも、香りよく、旨味と酸味のバランスもちょうど良い。もはや、均一品質の工業生産物なので、約束された品質だ。佐々木朗希の球すじのように、打たれない(文句を言わせない)ストライクゾーンに入ってくる。しかも、コスパが(昔ほどではないけれど)良い。脂っこい鯨ベーコンも流して、スッキリだ。


ハム・ベーコンなどの肉にも良い。


こいつにも。これは、獺祭が進む。


骨周りの、脂っこい部位も、この、スッキリ味の獺祭純米大吟醸が、きれいに流し去ってくれる。


さて、中休みの甘味。鎌倉紅谷の「クルミッ子」と、「あじさい」。前者は人気で、デパート各店でも大変な行列に並ばないと、単品では買えなくなってしまったけれど、この、梅雨時にふさわしい「あじさい」とのセット売りなら、お昼過ぎでも買える時があるので、わざわざ人のお尻を1時間も見ながら並ぶのが大嫌いな私は、この「あじさい」セットを買ってくる。そして、この「あじさい」が旨い。両方食べるのが、一番幸せ。紅茶 ダージリンで、前半戦のお酒を薄めながらいただく。


後半戦の前菜に、万願寺とうがらしの丸焼き。こういった淡白な味わいのアテで、久しぶりの獺祭を真面目に味わうのも悪くない。


そして、山口の地酒なので、練り物で呑む。ちくわと蒲鉾に合わせるのが良い。


ただ、気に入らないのは、蒲鉾製造各社が、世の中の風評を恐れて、紅色の着色に、紅麹由来の製品を使わなくなったっこと。あざやかで綺麗な紅色を出すのに良かったのだけれど、小林製薬の食品被害で一気に評判が悪くなって、最近は紅麹による着色を避けられるようになっている。紅麹が悪いのではなく、小林製薬の製造工程管理がダメだっただけなのにね。むしろ、籠清のように、今でも製品管理をきちんとしながら、鮮やかな紅麹を使っているメーカーがいいなと思う。今日のこのかまぼこは「トマト色素」使用だそうだ。発色もちょっとはましになったようだけれど、最初はどす黒さが加わって、不味そうに見えたものだ。


そして、最後の「獺祭」に合わせて練り物を追加。愛媛県八幡浜市の「じゃこ天」を揚げなおしてアテに。少し「獺祭」が不足するので、残りは、宮崎県高鍋の、「百年の孤独」をロックで合わせて、じゃこ天を完食。


さて、後半戦、食後の甘味は、山口市の名産、本多屋の外郎。今日のはスタンダードな「豆外郎」(あずき、です)。静岡、島田阪本の手摘み新茶、でいただきます。


甘味が足りないので、さらに、下関市長府、巌流本舗さんの「巌流焼き」をいただく。いかめしい命名だけれど、実は単なる「どら焼き」。昨日は「日本橋うさぎや」で、今日は下関の「巌流焼き」だ。


何種類かあるのだろうか。隠元を使った「白餡」だった。あずきもあるなら食べてみたいな。手摘み新茶でいただきました。ごちそうさまでした。