5月19日(日)。奈良県桜井市、大神神社の門前町、三輪の、今西酒造さんの地酒、「純米吟醸 三諸杉」を呑む。東京出荷仕様では「みむろ杉」、地元流通酒は漢字表記だという。60%精米。御神体「三輪山」の伏流水仕込み、というところが、「これを呑めば、霊験灼(あらた)かに、鯨飲しても悪酔いせず」となるのではないかという気持ちにさせる。かようなご利益があって、1,630円なら、安いものだ。


まずは、精進メニューで呑み始めよう。湯葉刺し、そして胡麻豆腐。お猪口は、はにわ。箸置きは、土偶。奈良の地酒が旨い。


そして、蒸しなすのカツオ掛け、ほうれん草のおひたしで、呑む。味の薄いアテで飲めば、御神体からの伏流水の味わいも際立つというもの。三諸杉、米の旨さ、ほどよい加減の酸味、そして、キレも良い。


第一〆の飯は、小粒な新じゃがを蒸して、じゃがバター。奈良とは関係ないけれど、三諸杉、で流し込む。


裏ラベル。霊験あらたか、であると書かれている。


さて、奈良といえば、平成まで最後に残った、国鉄以来の駅弁は、吉野口駅の柳屋さん。国鉄時代、南近畿乗り潰しツアーで乗車した、急行紀ノ川(しらはま、じゃなかった気がする)の、2・3等編成で、ワゴンを引いて車内販売に来た女性から、「柿の葉寿司」を買ったのが、最初の駅弁体験だった気がするので、思い出の品。(そもそも、駅そばも高いと感じる世代だったので)その車内販売が柳屋さんか、和歌山駅の和歌山水了軒さんだったか、今はもう確認のすべもないけれど、ともあれ、柳屋さんは吉野口駅前にお店を構え、近鉄ホームで開業していた。但し、先ごろ、コロナの影響もあってか、構内営業から撤退してしまった。奈良県も、今では駅弁なし県。(校内営業許可の駅弁の仲間ではない柿の葉寿司は、駅売店で売っているが)


その、柳屋の柿の葉寿司を偲びつつ、〆さばで、奈良の地酒を飲る。あぁ、懐かしい、幸せ・・・。


そして、ナマグサのあとは、精進っぽく、油揚げ。奈良とは無関係な栃尾、だけれど。


これも、奈良県とは関係ないけれど、鶏もも肉のロースト。日本酒には、鶏が合うな。ダメ人間スパイス、も合う。すっかり1本、空けてしまい、私ももう、ダメ人間。


お酒が止まらなくなって、秋田の佐竹知事推奨の、愛媛県産「じゃこ天」を揚げて、秋田の「稲庭うどん焼酎」オンザロックで流し込む。何のことはない、ちょっとしょっぱい麦焼酎なのだけれど。


食後の甘味は、小倉トーストラングドシャ。また、酔って胃拡張気味になり、クリーム玄米ブランをザクザク食べたらしい(記憶にない)。コーヒー マンデリンで、お酒を薄めながらいただきました。

【以下、過去の阿房列車記事】


ところで、三輪の地酒「三諸杉」を醸している、大神神社にも近い今西酒造さんにも、割と最近、阿房列車で立ち寄りました。その20年以上前、やはり三輪駅に立ち寄って、名物の三輪そうめんをいただこうと、駅前のさるお店に寄ったところ、下水道が整備されていないのか、下水管の調子が悪いのか、お店が小便くさくて閉口した。


今は、そんなことはなかろうと思い、再度、駅前のそうめん店の1軒に寄ってみた。もちろん、変なにおいは一切しなかったし、そうめんも美味かった。なにより、ご主人が釣りをされるそうで、釣ってきた魚で握った寿司が、そうめんよりもうまくて、そちらをおかわりしてしまった。三輪駅前のそうめんや「口直しツアー」大成功の巻、でした。