大きな子供が産まれた

3862㌘の大きな子供

泣かず産まれた

誰もが心配した

その時

大きな声で泣いた

誰もが

『おめでとう』と

喜ばなかったのは…

父親だけ…

小さな大学病院で1つのかけがえのない命が誕生した

名前は沙羅

1ヶ月もしない間に

沙羅は入院した

心臓肥大

同時に

脱腸…


母親の付きっきりの看護

それでも…

医者からの言葉…

『もってもあと1週間』

残酷な言葉だった

それでも心配しない父親

母親の優しさ

最初で最後の優しさ…





母親の看病のおかげなのか
奇跡なのか 偶然なのか

医者が一番びっくりしていた

小さな沙羅は…

完治はしてないが

手術にも耐え

命を守った…

自分の命を…

それから数ヶ月後に退院した

この時 まだ0歳



年月が過ぎ 三歳になった
保育園に通う沙羅

あの医者の宣告から3年

沙羅は元気だった

たくさんの友達

保育園は楽しかったけど

家では酒に酔い 暴れ 子供を殴る… そんな父親が嫌だった

保育園の運動会

いつも上位を争う

一番になって褒めてほしかった

けど そんなことに興味なんてない父親

酒にしか興味がない…

そんな父親を沙羅から避けはじめた…

小学1年生

家庭内暴力 虐待 母親の決意

離婚した…

別れる意味も分かった

離れて暮らす…

沙羅は母親について行った

母親の仕事…

母親と兄と沙羅の3人の生活が始まった

殴られる恐怖はなかった

学校が終わったら遊びにもいかず

家事をした

母親の手助けをしたかった
掃除 洗濯 ご飯 と…

苦にもならない

ただ みんなが笑っていたら

それでよかった


それだけでよかった

小学2年になる頃

新しい父親が現れた

優しく 休みのときはいつも遊んでくれた

いつの日か

『お義父さん』て呼ぶ沙羅

これから地獄の生活が始まるなんて誰も思っていなかった

新しい家

新しい小学校

これから始まる生活

すべてが楽しみだった

小学校も慣れ

家にも慣れはじめた頃

学校から1本の電話

食事中なのにピリピリした空気

兄が学校で喧嘩をした報告だった

義父は力任せに殴りはじめた

血を流しても休めることはなかった

無抵抗の子供を殴る蹴る

30分 1時間経ったのか

ようやくおさまったが

食事どころじゃない…

部屋から兄は出てこなかった

電話がなる度 恐かった

沙羅はどうしようもないぐらい勉強もできない

点数が悪い それだけで電話がなった…

その度に殴られた

そんな生活を繰り返し

年月を重ねる度

川に沈められたり

素手から竹刀 木刀 包丁…
沙羅は生きるのに必死だった

死ぬのが恐かったから…

小学5年のとき

1月3日

体調不良のため

母親と病院に行った

風邪だと思ってた

担当の先生が話したのは

『心音に雑音が聞こえる』
幼い子供の僕にはわからなかった

激しい運動禁止と言われた…

そして…

『2年に1度検査においでね』

それから少しの間

運動をしなくなった…

小学6年

暴力から逃れるため

無一文の家出

行くところもなく

彷徨ってた

他校のやんちゃな子と仲良くなった

それから 窃盗 盗難 無免許 傷害と生きるために必死だった

中学1年

あまり学校にはいかなかった

家では義父に殴られ

中学では先輩に殴られた

兄にやられた仕返し…

くだらない…

そんなくだらない理由が嫌だった

家出を繰り返し

罪を犯し続けた

捜索願いが出てたため

警察に捕まった

警察署に連れていかれ

警察署に身柄を引き取りにきたのは

義父だった

顔を見るなり

警察署のロビーで

力任せに殴られ続けた

警察は止めることさえ

しなかった…

そのまま 後頭部に内出血 目から血の涙
鼻血… 口から血を吐き

やっと警察が止めた

そのまま 警察署に待機させられ

児童自立支援施設に送られた

同じような人間ばかり…

初日の夜の出来事

一瞬の出来事だった

口にハンドタオルを入れられ

手足を抑えられ

12人に殴られた

結局どこでも殴らるんだ

なら 1人ずつやればいいと

殺してしまえと…

2日目の夜

また来ると思った

けど来なかった

儀式みたいなもので

みんな普通だった

それから仲良くなり

施設の生活にも慣れた

学校に行き

勉強して

昼からは 運動 作業

楽しかった

月日は流れ

退園3日前

施設の仲間と脱走した

また 昔の生活…

そして 新しく薬物が加わった…

薬物に溺れた

薬物を手に入れるために

恐喝 路上強盗と罪を重ねた

警察に保護されたときには



薬物依存性だった…

最低だった…

施設につれもどされ

担任に叱られた

けど 捕まっても

その日の夜から

また 脱走…

もちろん鍵はかけてあり

少年たちには鍵はない

鍵はクリップや針金 ピン などあれば 簡単だった

薬物を求め

また

外の世界に

恐喝 ひったくり 強盗…

自分で自分を止める

そんなことできなかった

薬物をやりながら

幻覚 幻聴を楽しみ

セックスを楽しんだ

もう… 終わってた…

そんな生活をしながら

沙羅は8回の脱走をした

8回目の脱走

捕まったのはほぼ全員

先輩は逮捕状が出て

違う先輩は 現行犯逮捕された

沙羅はそのまま児童自立支援施設に帰された

次の日

担任が夜遅くに部屋に入ってきた

ずっと何かを話してたが

何も聞けなかった

そして 新聞一面にある見覚えのある事件

二十歳を超えてた先輩は大きく実名が書かれてた


それから 沙羅はずっと 眠らない夜を過ごした



それから数ヶ月

沙羅は児童自立支援施設を出た…

地元に戻った沙羅

はじめは学校に行くものの

また 休みだした


中学2年

ピアノに興味もった

朝早く学校に行き

同級生にピアノを教わった

ずっとそんな生活をしていたが…

また 薬物に溺れた…

シンナー スピード…

沙羅はどん底に落ちた

薬物 暴走 恐喝 ひったくり 窃盗 …

そんな中 母親と義父が別居し

沙羅は違う中学に転校した
3日だけ行ったがもう行かなくなった…

もう 荒れ狂う人生だった

母親が面倒が見きれないため

別居してた義父とまた住むことに…

もちろん帰るはずなんてない

家出 薬物 暴走 と繰り返し

二度目の児童自立支援施設

もうあんな家 帰りたくない…


2度目の施設には 儀式などなかった

ほとんどが知り合いだった

ほとんどが…

1度目の生活と違って

充実していた

楽しかったし

薬物がなくても

普通だった

修学旅行は施設の修学旅行に行った

香川 徳島だった

それはそれなりに楽しかった

タバコを吸ったり

同じ施設の女とやったり

充実した修学旅行だった

施設の中で野球をやっていた

キャプテンを任された

地区大会2位で 全国まで行ったが 2開戦で負けた
ソフトもキャプテンをやらされ

地区大会1位になった

全国大会は4開戦で負けた
そんな行事をしながら

卒業1週間前

施設を出た

地元の中学にもどり

卒業式

短ラン ボンタン

もちろん式に出れるなんて思ってもいなかった

式の前に

先生に捕まり

放送室に連れていかれた

『標準の制服で式に出ろ』
と先生達

『お前らもいつものジャージに着替えたらな』

そんな会話を繰り返し

結局 先生が折れた

式も終わり

外に出ると

施設の担任の先生がいた

嬉しかった

普通に喜んだ

中学卒業して

就職した

就職先の親方と喧嘩をして

仕事をやめた…

家に帰らず

彼女と同棲

彼女には他に男がいた

そんなことどうでもよかった

やることもなく 別れて

暴走族に入った

色々な家に転々として

仕事なんてしなかった

恐喝よりひったくりを重ねた

薬物 ギャンブル セックス 窃盗に明け暮れた

毎日がラブホテルに行った
そう… 沙羅には逮捕状が出てた…
涙流したあの日 その訳も聞かず そばにいてくれたのは君
そっと頭を撫でてくれる その優しさに甘えて大切なもの見えてなかった
『男が泣くなんて 可笑しいよね』と言ったら 君は何も言わず 抱き締めてくれた
涙流したあの日 その訳も聞かず そばにいてくれたのは君
やっと気付いた 僕にとって 君が必要な人だってこと
気付くの遅かったね 君のこと何も知らないから… 君のこと知ろうと思ったのに… なんで…なんで?
涙流したあの日 その訳も聞かず そばにいてくれたのは君
神様… 不公平だよ… なんで 教えてくれなかったの? 病気のこと… なんで人のこと心配してるの? 死んだら…死んだら意味ないよ… その優しさも… 涙流したあの日 その訳も聞かず そばにいてくれたのは君
もう 泣かないよ… もう 逃げないよ…
君がいるから…
あなたにとって 私って都合のいい女?

きっと… セックスフレンドでしかないよね…

私ね あなたが振り向いてくれるのずっと待ってた

多分 これからもね…

昨日ね 本当にショックだったんだよ

瞳から溢れてきそうなのをずっとこらえてた

けど きっとそれが本心なのかなって…

私ね…

あなたが好きなの

綺麗でも かわいくもないけど…

それでもあなたは…

泣いてる私を優しく抱いてくれた…

癒してくれた…

けどね… 好きじゃないなら寄らないで…

私ね あなたのこと真剣なの…

遊びじゃないの…

ただの同情なら 消えてよ…

そんな偽りなんていらないの

そんな優しさいらないの

あなたに愛してもらいたかったの

けど… 終わっちゃったね
はじまりはないのに 終わりはあるんだね…