小4の次男が 今国語で習っている作品 西村 まり子さん作の 「ポレポレ」
息子の音読の宿題を聞いていて とっても心に響いてきました。
こんなお話です。
友達のピーターが、けがをして入院したので、僕は、毎日のように、病院に行っている。
その病院は変わった病院で、かんごふさんも、かん者さんも、「ジャンボ!」と、
スワヒリ語であいさつをする。僕の名前は田代友樹。高渡小学校、四年一組。
ピーターは、新学期と同時に、ぼくのクラスに転校してきた。
最初、ピーターが、小松先生と教室に入ってきたとき、クラスのみんながおどろいた。
小松先生が、
「アフリカのケニアから来たお友達です。お父さんの仕事の関係で、ナイロビの小学校から、日本に
やってきました。」
と、ピーターをしょうかいした。
「ハロー。僕はピーター・オンバーレです。ぼくのママは、日本人です。言葉わかります。
よろしくお願いします。
ピーターは、日本語であいさつした。
「ピーターは英語、日本語、スワヒリ語が話せるそうです。ピーター、スワヒリ語で、『こんにちは』
は何ていうの。」
小松先生が聞くと、ピーターは大きな声で、
「ジャンボ!」
と言ったので、みんな大笑いした。
とにかく、ピーターは、陽気で人なつっこいせいかくで、よくしゃべる男の子だった。
ピーターは、すぐにクラスの人気者になった。
ある日、ろうかを走っていた五、六人のグループに向って、ピーターが言った。
「ポレポレでいこうよ。」
ポレポレというのは、スワヒリ語で、ゆっくりとか、のんびりという意味だそうだ。
日本語で、「ろうかを走るな。」と言えば、「よけいなお世話だ。」と、けんかになるかもしれない。
でも、ポレポレなら、何となくユーモアがあっておもしろい。
それから、みんなは、ポレポレという言葉が気に入って、クラスじゅうではやりだした。
そのうちに、学校じゅうで、だれもが「ポレポレ、ポレポレ。」と、口にするようになった。
ひどいときは、ちこくをしてきて、先生に、「どうかしたの。」と聞かれて、「ポレポレ。」と
ごまかしたり、何かをして最後に残った者には、ポレポレ賞という「名よ」があたえられた。
ぼくも、ポレポレが気に入った。そして、ピーターのことも好きだった。
ここから、友樹くんとピーターの心のふれあいがあって、
その後、冒頭の、ピーターがなぜけがで入院することになったか、という事件に発展し、
クラスの中の結束がまた強くなっていく、というようなお話。
小学4年生の教材ですから、当然道徳的な含みもあるし、結果もハッピーエンドなんですが(*^_^*)
こういうお話が、大人になった息子たちの心の中にも、
そういえば、こんな話習ったなあ。っていうくらいでいいから
残っていてほしいなあ、と思う母でした。