トーンアームの恐ろしさ | Art of Vinyl

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ジャンルを問わず、アナログレコードの素晴らしさを伝えたい。

今朝からやるべき雑事(家事)を全てこなした上で、トーンアームの調整を始めました。

 

↓アームベースへアームスタビライザーと共に取り付け
↓アームの水平バランス調整
↓ラテラルバランス調整

↓プレーヤーへの取り付け

↓トーンアームの高さ調整

↓オーバーハング調整(カートリッジの位置調整)

↓オフセットの確認

↓アジマス調整

↓針圧調整

↓インサイドフォースキャンセラー調整

 

ここまでを張り詰めた空気の中で一気に行いました。

 

カートリッジは現時点で私が最も親しんできたAT33PTG(オリジナルモデル)です。

 

今日は運よく、家族が皆外出したので、早速試聴開始しました。

 

 

聴いたレコード(アルバム)は以下の4枚。

1.Paul Simon - Still Crazy After All These Years

2.井上陽水 - 陽水Ⅱセンチメンタル

3.荒井由美 - ひこうき雲

4.Wynton Kelly - Kelly at Midnight

 

1.はとても好きなアルバムだけど、いつ聴いてもあまり良い音で鳴ってくれない、私の今までのシステムでは、鳴らすのに難しいアルバムでしたが、一聴して驚きました。

 

 

楽器の一つ一つが生々しく迫ってきて、ポールのボーカルがとても艶やかでリアルにセンター定位するではないですか。そして、こんな音もレコードの溝に刻まれていたのかという驚きです。

 

この時点で悟りました。

 

トーンアームの重要性を。

 

カートリッジはいつものやつです。

 

カートリッジは一生懸命、レコードの溝から忠実に音を拾っていたんです。

 

そのカートリッジがせっかく拾った音を、トーンアームが捨ててしまっていたんだと。

 

カートリッジの針先がレコードの溝をトレースするのを一切妨げず、しなやかに追随し、しかも、その針先の動きでカートリッジ本体が微動だにしないようガッシリと支え、尚且つ、その他一切の不要な振動を伝えないという、非常に難しい役目を、トーンアームが行っているんだという事実を改めて認識しました。

 

私は、もう、元々このプレーヤーにセットされていた2本のトーンアームは使わないだろうと思います。

 

トーンアームは恐ろしいです。

 

このプレーヤー『SV-A2』はアームが2本セットできるものですが、当分は、このSAECの『WE-308SX』1本で十分です。

 

ユニバーサルタイプなので、カートリッジの差し替えも出来ますし。

 

2.は私のいつものリファレンス音源で、これも当然、今までとは別次元の音に変わりました。

 

 

陽水の声が私の目の前で超リアルに再現されています。

 

3.も同じですね。ユーミンの声はもちろんのこと、細野晴臣のベース、鈴木茂のギター、林立夫のドラムスがとてもリアルで、まるで今演奏しているスタジオで聴かせてもらっているような錯覚におちいります。

 

 

4.でまたまたぶっ飛びました。

 

 

右前方3m手前で、私の好きなドラマーのフィリー・ジョー・ジョーンズがハイハットをさばいています。

 

金属同士、金属と木が触れ合ったり、ぶつかり合ったりする音がそのまま、スティックさばきまで見えてくるような鳴り方です。

 

ここまで聴いて、いかんいかん、音ばかり聴いてしまって、音楽を聴いていないということに気付きました。

 

ここらで少し気持ちを落ち着けて、ブログでも書いて、その後でゆっくり音楽を楽しもうと思いました。

 

もうしばらく、いろいろ聴いて、気持ちの整理をして、来週位には動画を作成しようかと思います。

 

動画で、どこまでこの変化が伝わるか判りませんが。

 

とにかく、長いことオーディオに関わってきましたが、ここまでトーンアームの重要性を認識したのは初めてです。

 

恐ろしや、SAECのトーンアームWE-308SX、墓まで持っていくことになりそうです。