『ガタカ』SFなのに胸が熱くなるヒューマン・ドラマ イーサン・ホークとジュード・ロウ | 今夜はブギーナイト

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映画とマイケルが大好き♪

いらっしゃいませ音符

皆さん、2018年が始まりましたね

いかがお過ごしですかハートハート

 

今年も低速ではありますが、大好きな映画やマイケルについて

楽しく語っていきたいと思います。

今年もよろしくお願いします。音譜音譜

 

では、さっそく今回の作品を紹介します音符

 

ガタカ/Gattaca(1997)アメリカ

監督 アンドリュー・ニコル

人間の運命が、遺伝子の優劣によって、管理されている近未来が舞台です。

自然妊娠により、受精の段階で遺伝子の操作を受けなかったために

生まれながらに、ハンデを抱えた男が主人公です。

しかし、彼は死に物狂いで、己の未来を切り開いていくのです。

SF映画の分類ではありますが・・・

この物語はまぎれもないヒューマン・ドラマだと思います。

 

主な登場人物

ヴィンセント・フリーマン(イーサン・ホーク)

主人公ヴィンセントは、自然受精により産まれます。

事前に遺伝子の操作を受けなかったことで、

不適正者としていばらの道を歩みます。

そのような現実の中にいながらも、ヴィンセントが抱いた夢は

宇宙飛行士になることでした。

しかし、宇宙飛行士は適正者のみに許された仕事で、

不適正者には夢のまた夢、可能性はゼロに果てしなく近かったのです。

 

ジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)

一流水泳選手として適正者の中でもトップクラスの能力を持つユージーン。

事故に遭うまでは、先を期待される銀メダリストでした。

それは不慮の事故でなく…自らの意志によるもの(自殺未遂)だったのです。

初めは愛想なしの男でしたが、いつしか、ヴィンセントと共に暮らすうちに

彼の中の何かが少しずつ変化していきます。

 

アイリーン・カッシーニ(ユマ・サーマン

ガタカに勤務するヴィンセントの同僚。
お互いに好感を持っています。
常に冷静沈着であり、優秀な人です。
しかし、適正者であっても、彼女は心臓の持病を持っていました。
そのことをとても気に病んでいます。
アントン・フリーマン捜査官(ローレン・ディーン)
数十年ぶりに再会する、ヴィンセントの実弟。(適正者)
ガタカで発生した殺人事件の捜査に訪れます。
終盤で兄弟は運命の再会を果たします。
 
ヒューゴ捜査官(アラン・アーキン)
出番は少ないですが、存在感がにじみ出ています。
上司のアントンとは捜査方法について意見が合いません。
ヒューゴは、時間がかかったとしても理詰めの捜査を好みます。
結果的にヒューゴの元に自首してくるのですが・・・
犯人は思いもよらぬ人物でした。
 
ちょっとだけブレイクタイム♪アラン・アーキンの
『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)
の演技が忘れられません。
美少女コンクールに出場が決まった自分の孫に
どういうわけか…セクシーダンスを伝授するという
ファンキーなおじいちゃんを、カッコよく演じクラッカー
第79回アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。
家族の悲喜こもごもが綴られたロード・ムービーです。
 
登場人物の紹介へ戻ります。

レイマー医師(ザンダー・バークレー)

終盤で初めて明かされるのですが…

ヴィンセントが不適正者であることを

レイマー医師は知っていたのです。

彼はヴィンセントを静かに見送ります。

この表情に感謝、名残惜しさ…すべてが現れています。

イーサン・ホーク素晴らしいです。

 

簡単なあらすじ

神の御業を見よ。神が曲げたものを誰が直しえようか。  

(旧約聖書・伝道の書)

我々は母なる自然に手を加えようとするが、

母もそれを望んでいると私は思う。 (ウィラード・ゲイリン)

 

という一節の言葉から物語は始まります。

長い年月、息も出来ないほどの緊張感の中に身をおきながら、

誰も成し遂げられなかったキセキを実現する男の物語です。

ラスト間近のシーンで・・・

「うちの子供が君のファンなんだ」と

レイマー医師がヴィンセントに伝えます。

一人の男の血のにじむほどの努力が讃えられた瞬間です。

 

少年時代から、宇宙飛行士になる事を夢見るヴィンセントは

意を決し家を出て、宇宙飛行施設ガタカで清掃員として働き始めます。

数年後、待ちに待ったチャンスが訪れます。

闇の代理人の手配により、事故により身障者となり、車いす生活を送る

元水泳選手の、ジェローム・ユージーンを紹介されます。

 

ヴィンセントはユージーンの生体ID(血液、毛髪、皮膚欠片)を譲り受ける代わりに

衣食住を提供するという条件で契約を交わします。

違法な手段を用いて(面接の合否判定は尿採取のみという素早さ)

彼は一発通過で採用となり、憧れのガタカの局員として働き始めます。

 

※尿や、指先のID判定は、特殊な細工をしてユージーンの物を用いています。

 

それだけではなく、更にビンセントは努力をしました。

優れた遺伝子に見合うための自分を作り上げたのです。

それは彼にとって命がけであり限界ギリギリの挑戦でもありました。

 

彼は先天性の心疾患を持っています。

出生の日に30歳が寿命だと宣告を受けました。

その年齢をとうに超えていましたが、ヴィンセントは未だ元気であり

ついには宇宙へ飛び立つチャンスをつかむのでした。

しかし、彼に疑惑を抱いていた上司が何者かに殺害されるという

ショッキングな事件がガタカで発生するのです・・・・・・

 

ガタカ 予告

自らの髪の毛も、ホコリも、ふけも、皮膚片も残さないように

細心の注意を払い仕事も完璧にこなします。

常に緊張と隣り合わせで、綱渡りのような日々を送ります。

 

ヴィンセントとユージーン

事故の後遺症の為、車椅子生活を送るジュード・ロウを

生活を共にしているイーサン・ホークが献身的に看護するシーンがあります。

この二人は・・・いわば二人で一つだったように思います。

遺伝子の優劣により人間の価値が決められてしまう世界に生まれ落ち。

誕生と共にいばらの道を決定されてしまったヴィンセント。

事故に遭うまで、栄光の花道を歩き続けたユージーン。

二人の力が合わさって、

何も持たなかった苦労人のヴィンセントが、宇宙飛行士に上り詰めていきます。

 

遺伝子の操作という神の領域を犯すような行為がまかり通る世の中に生まれ。
夢を諦めるものか!絶対に叶えるぞ!という強い意志と折れない心。

それがこの物語の軸になっているように感じます。

 

向かって右が弟アントン、手前がヴィンセント

幼い頃、ヴィンセント兄弟は、自宅近くの海で遠泳の腕試しをします。

しかし、何度挑戦しても弟には敵いません。

恵まれた身体能力と丈夫な体、自分にないものが弟にはすべて備わっています。 
だとしても…ヴィンセントは諦めません。

何度も、何度も弟に勝負を挑むのでした。
 

適正者でなければ、職業の格差という障害が目の前に立ちはだかります。
しかし、ヴィンセントには、あきらめない心がありました。

息もできないほどの重圧感を味わいながらも・・・
適正者に対して卑屈な態度を見せず、目標を見失わない情熱がありました。

その辛抱強さと、努力は彼の運命を好転させたのです。

 

宇宙飛行士になるという夢はヴィンセントの目標ですが

彼の挑戦する姿はユージーンにも影響を与えました。
ユージーンはヴィンセントに自分の夢を重ね合わせていたのかもしれません。

適正者でありながらも、彼は自らの人生を失敗だと感じていたのです。

ヴィンセントなら自分に代わって夢を成し遂げてくれるかもしれない

ユージーンはそう考えたのでしょうか。

ヴィンセントと暮らした長い年月・・・

ユージーンはヴィンセントの体を借りて宇宙飛行士として

宇宙にいく夢を実現したのです。

 

首にかけているのは銀メダルです

ヴィンセントの輝かしい未来を願うユージーンのとても切ないラストです。

 

終盤にヴィンセントのピンチを救うために、ユージーンが車いすを飛び降り

不自由な体でらせん階段を上っていくシーンがあります。

 

凄く緊迫したシーンなのですが・・・涙が出てきます。

ジュード・ロウ熱演です。

捜査官とアイリーンが訪ねてきます。

階段を自力で上った直後なのに・・・

その疲れ切った体でソファーに腰掛け、足を組み・・・

捜査官を迎え入れます。

ヴィンセントを守るために…ユージーンは

健常者としての、自分自身を演じるのでした。

いま会ったばかりの知らない男と、恋人のようにキスをする。

このシーンのユマ・サーマンの演技は見事でした。

 

クラシカルなスーツを身にまとった登場人物

ユマ・サーマンのほとんど表情を変えない、硬質な演技と

透明感があふれる美貌にも注目です。

ヘアースタイルとメイクも背景とマッチしていて、きまってますキラキラ

 

ただ・・・このシーンだけは違いました。

ヴィンセントの真実…だからこそ生きる場面でした。

 

音楽も素晴らしいです音譜

ユージーンが自宅でサンプルづくりに勤しんでいる時

スタン・ゲッツの名曲 First song(for Ruth)が流れます。

尺が長いのでお時間のあるときに聴いてみてくださいねウインク

ガタカは、2011年には、NASAにより

現実的なSF映画としてナンバー1に選ばれたそうです。

 

ところでジュード・ロウ言と言えば、

かつて、この名作のリメイク版に出演していました。音譜音譜

太陽がいっぱい Plein Soleil(1960)フランス・イタリア合作

監督は『禁じられた遊び』のルネ・クレマン

パトリシア・ハイスミスの小説を映画化したサスペンス映画です。

トム・リプリーをアラン・ドロン、フィリップ・グリーンリーフをモーリス・ロネが演じます。

向かって左 モーリス・ロネ

金持ちの道楽息子を連れ戻すためにイタリアへやって来た貧しい青年が、

しだいに欲望と激情にかられつつ、犯罪に手を染めていく姿を描く物語です。

アラン・ドロンが、まるでとがったナイフのように、狂気と危うさを演じます。

映画音楽の名匠ニーノ・ロータの楽曲はあまりにも有名です。

 

Plein Soleil - Nino Rota (太陽がいっぱい ニーノ・ロータ)

音楽と映画笑顔名作は、いつまでも多くの人の心と記憶に残りますよね。キラキラ

 

リプリー(1999)アメリカ

監督 アンソニー・ミンゲラ

こちらは、『太陽がいっぱい』のリメイク作です。

アメリカ人の富豪家から、ヨーロッパで放蕩三昧をしている息子の

ディッキー・グリーン・リーフ(ジュード・ロウ)を連れ戻してほしいと頼まれた男、

トム・リプリー(マット・デイモン)

彼は大学時代の友人と偽りながらディッキーに接近します。

そして…次第に彼の魅力に惹かれ、取りつかれていくリプリーでした。

しかし、バカンスは永遠に続くものではありません。

ディッキーと関わるうちに内面を知ってしまったリプリーの中に狂気が芽生えます。

 

『リプリー』でディッキー・グリーンリーフを演じるジュード・ロウ

『太陽がいっぱい』でトム・リプリーを演じるアラン・ドロン

どちらも美しいですラブ

 

今日はこの辺で失礼します。ラローズ18

皆さん、お体ご自愛くださいね。

お越し頂きありがとうございます。ハート

動画と画像は全てお借りしたものです。