今回のブログ記事

身内の恥を晒すようで、アップするのを躊躇っていました


センシティブな内容も含まれており、途中で気分を害されたら、静かにお戻り願います

 

色んな家族、夫婦があり、人それぞれ…

色々の人生あり。。。



10月20日は長兄の命日であった


母の命日は6月18日

父は、11月23日

次兄は、5月25日


20日前後のため、母の命日に合わせて、月に1回

お花を買う


デパートのお花売り場には大したお花が無くて

今回も薔薇になってしまったけど…

まぁ、賑やかな方が良かろう〜ニコニコ

何処かでも書いたが、兄は川へ鮭釣りに行き

行方不明に


8年前のことである


河原に車はあるけど、姿が見えない

流された可能性大となり、大騒ぎになった


河川組合や警察に届け、川から海へと捜索が始まった


私たち姉妹は義兄の運転する車で、海岸沿いの国道を走り、時々浜へ降り兄を探した 

浜辺で会う人ごとに、兄のことを話し協力をお願いして廻った

隣の県まで探すも、徒労に終わる日々


村の男衆は班を作り、捜索に加わり

女衆は、実家近くの従姉妹の家で捜索隊の炊き出しをしてくれることになった


全く手掛かりも掴めないまま、私たち姉妹は

炊き出しをしてくれている人たちに、お礼を言いに従姉妹の家に寄った


なんと!そこで修羅場が繰り広げられていた

『余計なことをしないで下さい‼️』

『迷惑です‼️』

義姉の怒声ピリピリピリピリピリピリ


オドオドとお握りを握っている村の婦人達


姉は、

『そんな物言いはナイ!』

『こうして皆さんに迷惑をかけているのに

ありがとうの一言があって当然!』

『皆さんの親切に感謝すべきでしょ!?

と、言ったものだから、火に油🔥状態

姉と義姉のバトル勃発ドンッドンッドンッ


姉の袖をそっと引き囁く私

『止めときなさい。この人には何を言っても無駄』

『我々の常識、心なんて通じないんだから』


義姉は怒鳴り散らしながら、家へ帰って行った

村の婦人達は、炊き出しの場所を変えて続けることに


川や海に流されると、人間の体は一旦沈み

10日前後に、ガスが充満し一度浮き上がる

そしてまた沈むと、ほぼ永遠に見つからない

と言われた


兄の屍体は10日後、隣県の沖合で巡視船に発見された

胸ポケットに「川魚採捕許可証」があり、ほぼ本人と思われたが、確認不可能


指紋で兄であることが判明された


そこでまた、兄の葬儀を巡ってトラブル発生

義姉が『葬儀は家族葬にする!』

『一切の香典も献花も受け付けない!!』

言い出したのである

都会では、珍しく無い家族葬だが、田舎では

あり得ない

ましてや、兄は町のいろんな役職に就いていたため

その交友関係も広い

子供達がどう説得しても、聴く耳持たず


私と姉は、我が家の長兄の侘しい葬儀も覚悟したが

真ん中の娘(姪)が涙ながらに抗議して

漸く、兄の葬儀が執り行われることとなった


喪主は長男(甥)になり、私は喪主の挨拶文作り

式次第を作っていたら

なんと、義姉は東京から呼んだ牧師さんにも

弔文を読んでもらうと言う


牧師さん???

兄は村のお寺の檀家総代をしていたが

義姉は、我が家の仏教、特に熱心であった母に反発したらしくキリスト教に入信

その牧師さんの話の中で知ったのだが、彼女は洗礼も受けていたらしい


宗教は自由である


しかし、仏教徒の多い田舎で、ましてや代々お寺さんと関わりの深かった我が家の長兄の葬儀で、キリスト教の牧師さんが弔文を読む!?

私たちは忸怩たるものを抱えながら、静かに従った


予想通り、弔問客からは驚きの声があがり、直接疑問を投げかけてきた親戚もあった

『仕方なかったんです。そうしないと葬式も

出させてもらえなかったから…』

そう弁明した姉


弔問客は葬儀場の一番大きな部屋にも入り切らず

隣の部屋でもビデオを流すことになった


400名を超える弔問客は去り、無事、葬儀は終わった


荼毘に付される兄の棺に向かって、胸の前で小さく手を振っていた義姉の姿が可愛らしく印象的であった


さて、人が死んだら相続の手続きが必要になる

兄には、長女、次女、長男(末っ子)の子供3人がいる

子供達3人は、相続放棄をすると言う


相続放棄をすると、最初から子供達はいなかった

とみなされ、相続権は配偶者が3分の2、

兄弟姉妹が3分の1となる


兄の場合は、私たち姉妹に相続権が発生することになる

私も、そこまでは知らなかった…

もし、そうなれば私たち姉妹は喜んで義姉が

全てを相続するのに、異議を唱えたりはしなかったろうに…


そこで、義姉は考えた

一番心優しい真ん中の娘が組み易いと思ったのか

訳分からない彼女に、相続権放棄の申請を一旦

取り下げさせたらしい


後で知った彼女は『娘を騙すなんて!』と、怒り

長男(末っ子)は『書類を見れば分かるだろう!』

『バカなんだから!』と、怒り

姉弟の関係に翳りが生じてしまった汗うさぎ


兄が逝ってから、2年後、義姉も逝った

末期の癌であった

『牧師さんを呼ぶ?』と、次女が聞いたら

『要らない!』と!


洗礼を受けていたのに??


兄の葬儀の時はお坊さん達の前で、牧師さんに弔文を読んでもらったのに…自分の葬儀では…要らないの?


義姉の葬儀は、子供達の総意でそのまま斎場に運ばれ家族葬になった

嫁いで、約50年

その家に帰ることもなく荼毘に付された


せめて、お坊さんを呼び納骨式は執り行った


そして、今、我が家の墓で眠っている


私も、いずれその墓に入るのかな?



私の好きな〈白骨の章〉

母のお通夜で村の人達が唱え

自宅に帰った兄の骨壷を前に、私は姉と一緒に唱えた


朝(あした)には紅顔ありて、夕べには白骨と

なれる身なり