暖かい初冬の陽射しに誘われて、
久しぶりに国立近代美術館へ出掛けました。
40年以上所在不明で、
公開展示も40数年ぶりと知り、
いまだ実物に逢っていなかったと気付いて〜。

今年、鏑木清方の美人画三部作は、
晴れて東京国立近代美術館(MOMAT)の
収蔵品となったと聞きました。
今後は対面できるチャンスも増えると思うけれど、
やっぱり今〜と思い立ち…。
有名な作品だし、
黒紋付長羽織の嫋やかなポーズも
すぐに目に浮かぶほどで、
当然どこかで目にしていると思っていました。

40数年前にサントリー美術館で
展示されて以降、
公開されていないということを知って、
赤坂時代?(その前の丸の内?)
のサントリー美術館で、
清方を見た記憶はなかった〜。
日本画に興味を持ったのは、
ここ20〜30年。

大好きな「班猫」(竹内栖鳳)も、
初めて見たのは、
10数年前に千鳥ヶ淵の山種美術館。
兜町では見ていなかった。
昔から当然見たような気がして、
実際には目にしていない〜という場合もある。





ということで〜。
「幻の《築地明石町》」と
謳っているのもうなずける。
《新富町》《浜町河岸》と
併せての美人画三部作。
昭和初期の作品だけれど、
描かれているのは、
明治時代の着物や風俗、
細かな着物の文様表現や
確かな時代考証の上の描写。

江戸小紋の単衣に半衿なし、
黒紋付きの長羽織、
素足に畳表の黒塗り駒下駄(小町下駄)。
髪型は明治流行りの夜会巻き。
明治の粋な着物の着こなしに興味津々…。
40年経っても100年経っても、
絵の中の美人は
年をとることなく、美しい…。

広い展示室に、
三部作を中心に
清方作品が一堂に会している。
見飽きることなく立ち去りがたく、行きつ戻りつ何度もご対面。




この企画展以外の
所蔵品展も魅力ある作品が
展示されていた。
お馴染みのものも多かったが、
川瀬巴水の版画作品が十数点も
並んでいたのには、感動。



藤田嗣治のアッツ島玉砕ともう1点の戦争画、
でもヤッパリ乳白色の女性画がいい、
猫にも会えて救われた〜。



数年前の館リニューアル後に、
多々調べて原稿にしたこともあったが、
ほとんど忘れてしまった…。
以前は金曜の夜間公開に、
よく来たこともあったが、
今回は随分と久しぶり、
4年ぶりくらいかな〜。


竹橋からの人出がいつになく多く、
何でだろうかと不思議だった。
大嘗祭の建物見学のために、
乾門に向かう人の流れだったのだと、
帰宅後に気が付いた〜。