木曜日。ふと目を覚ましたら、まだなんか夜っぽい?おとーさんが電気をつけて洗面所で何かしている?
きっとトイレに行ったんだろうけれど。その後、寝る気配もなく、洗面所と寝室を早足で行ったり来たりしているっぽい。
時折、ため息みたいなうなり声をあげながら…。
何事?と思いながらもぬくぬくお布団にくるまっていたら。
「あの、申し訳ないんだけれど、またERに連れて行ってくれる?」と言う。
えーーーーーまたーーーー今何時?(ほんの3か月前にもER行ったばかりよね?)
4時。
何なの?
トイレに行ってから、おなかが痛い。こないだのと似てる。
(こないだって?3か月前に下剤飲んで腸の検査した翌日に顔が湯葉色になってER行った時?)
(下剤も飲んでないし、直腸検査もしていないし、「こないだのと似てる」っておかしくない?)
(それより、また結石じゃないの?確か去年もやったよね?)
そう思って、「っていうか、結石じゃないの?」と言ったら。
あ、そうかも、そうだ、きっと結石だ…と言う。
(っていうか、どうして自分でぱっとそれを思いつかんかね?)
そして、結石なんだったら、とりあえず水分いっぱい取って石を出すしかない…っていうのがいつものパターン(彼は過去に2度やっている)だと思ったみたいで。
あ、去年もらった痛み止めがあるかも…と、去年もらったイブプロフェンを探して飲んで。
そうしたら、あっという間に薬が効いたみたいで、あっという間にまた眠りについていた…。
おかーさんは、なんじゃそりゃ!と思いつつ、なかなか眠れず…でも、やがてまた寝て…
次に起きたら、「いやーーーーん遅刻するーーーー!」な時間で。
バタバタ支度して出勤。
おとーさんは、痛みがなくなったから、普通に仕事に行こうかな~みたいなことを言うので、
いやいや、そりゃあさすがにやめなはれ。職場で痛みに襲われたら大変なことになるし。
(初めて結石になった時、おとーさんは職場でおかしくなって、職場の同僚にERに連れて行ってもらうはめになった。そんでもって結石の激痛って、吐き気を催したりするのよね)
というわけで、おとーさんは家から仕事することに。
で。
おかーさんがすっかりそんなバタバタを忘れて、職場で日常を送っていたら。
昼前におとーさんからテキスト。
「ドクターがERに行けって言うから、今から行きます」と。
え、私が連れて行こうか?
痛みはたいしてないので、大丈夫
と。
うーーーん、それで自分で行って、自分で帰ってきてくれるならいいけれど…と思って、これ以上何も言わなかったのがよくなかった…。
結果的には。
「やっぱり石だって。迎えに来れますか?」とか言うじゃん。
いや…迎えに来れますかってさぁ。
手順をいろいろ考えなくちゃいけないよね。
だって。
おとーさんが乗っていった「みつ子」が病院の駐車場にあって。
おかーさんのシエニーはおかーさんの職場にあるんだよ。
おかーさんのシエニーでおとーさんを迎えに行って、連れて帰ってきたら、みつ子はどうなるの?
みつ子を病院の駐車場におきっぱにするわけにはいかないじゃんねー。
あーーーーーだから私が連れて行って連れて帰ってくるほうがよっぽど話は簡単だったんだよ!!!!
おとーさん、気を遣ったつもりかもしれないけれど、余計めんどくさいことになったと思う。
しかもこの時点で時間は3時。
おとーさんを迎えに行かなきゃいけないし、一方で子供たちの下校が4時。
どうしたらいいの?
おかーさんの職場から病院は車で10分かからない程度の距離。
職場の人にお願いして、おかーさんを病院に落としてもらおうかなー(そしてみつ子に乗って帰ってくる)と思ったけれど、今一つお願いするのも気が引けて。
結局おかーさんがとった手は。
バス!!!
10年ぶりぐらいのバス!!!
この町でバスなんてほとんど乗らないから、この辺りをどの路線が走っているかの知識も全くない!!
でも調べたら、おかーさんの職場の近くからおとーさんのいる病院まで走っている路線がある!
バスの時間は3時半!!
おかーさん、3時15分に職場を出て、とことことことこ歩く!
バス停はどこだろう??(それすらわからない)
あ、バス停発見!おかーさんが乗りたいバスは止まるのかな?
あ、おかーさんが乗りたいバス、止まるっぽい。よしここで待っていよう…
と思って、ここでおとなしくしていればよかったんだけれど…
待っている間に心配になっちゃったんだよね、あれ?こっちじゃなくて、ひょっとして道の反対側の停留所が正しい?って。
病院がどこなのかはわかるんだけれど、バスが果たしてどういうルートを走って病院に行くのかわからなくて。
やたらと道を知っている(地元なので)せいで、もしかしたら、こっちじゃなくて反対側からあっちの通りを通って病院に行くのかな??とにわかにそう思えてきて。
おかーさん、残り5分で、反対側の停留所に移動し始めちゃったんだよね…。
日本と違って、通りが広いからさ。反対側の停留所に回るのも、けっこうな距離なのよ(笑)。
そうしてら、反対側の停留所にバスが来ている!あ、ちょうど来た!待って、乗せてー!と走って。間に合って乗って。
「病院に行きますか?」って聞いたら…
いや、病院方面行はあっちだよ…と、まさにさっきおかーさんが待っていたバス停を指さすじゃんねーーーー!!!!
えーーーーーーーまずーーーーーい!もうバス来ちゃう!!!
と思ったら、本当に、向こう側のバスが来ているーーーー!!!
間に合わない!!でも間に合わないと大変!おとーさんのお迎えも、子供たちのお迎えも大幅に遅れちゃう!!!
(バスは15-30分に一本だと思われるので)
東京みたいに大通りでタクシーが拾える世界が懐かしい…東京だったら、ぱっとタクシー拾ってすぐにたどり着く距離なのに!!
急いでバスを降りて、どう考えてもダメだろうけれど、それでも信号まで走らずにはいられない気持ち…待って!!!待ってーーー!!!
遠くの交差点の信号まで走りだそうとしたおかーさんの背後から、バスのクラクションがピッピッと鳴って。
振り返ったら、ちょうどバスから降りたと思われる、アジア人のおばあちゃんが、
「そっちじゃなくて、こっちから渡りなさい!!ほら、こっちこっち、急いで!!!」と。
見たら、バスの停留所のすぐ後ろに、もう一つ信号が!
そして、反対側では、おかーさんが乗りたいバスが、停留所にとまっている。
もう、おかーさん、超必死で、両腕を大きく振って、ジャンプジャンプ!
反対側のバスの運転手に向かって、猛アピール!!
待って、待ってーーーー!!!!
お願いだから、待ってーーーーーーいかないでーーーーー乗せてーーーーー!!!!
派手に両腕振って、飛び跳ねたわよ!!!
でもバスは動き出して…でもちょうどすぐ先の信号(おかーさんがいるところの反対側)で止まった!!!
おかーさん、歩行者信号が青になったと同時に、走ったわよーーーー。
そして…
無事、バスに乗せてもらったわよーーーー!!!
「病院に行きますか?」って聞いたら、行きますよー、一般入口それともER入口って聞くから、「ER!夫がERにいるから」って明るく答えた(バスに乗れたうれしさいっぱい)けれど、これって、本来けっこう重い言葉なはずよね(笑)。
バスに揺られながら、汗をふきふき。
ERの停留所を教えてもらって、運転手さんに手を振ってお別れ。
そんなわけで、無事についたERの入り口。
おとーさんはERで激痛に襲われたらしいけれど、その後、痛みから解放され。
おかーさんがたどり着いたときは、もう外に突っ立って待っていた。
そして、二人でみつ子に乗って、おかーさんが運転して。
まずはおかーさんの職場へ。(車だとあっという間)
そして、シエニーを移動させて(夕方以降は駐車場は施錠されてしまうので)。
後で迎えに来るからねーとシエニーに別れを告げ、みつ子で子供たちのお迎えへ(この時点でもう4時20分だった)。
あーーーーなんか大変だったーーー。
今日の教訓:ERへ自分で運転して行くのはいけません。
今日の教訓:下手に遠慮するとろくなことがない。時には遠慮せずにお願いすることが大事。
(遠慮しないでとっとと職場の人にお願いしたら、余計な苦労せずに済んだよね…)